ウッドデッキ(8)ウッドデッキのある暮らし

今月は、ウッドデッキの魅力と、長く快適に使えるようにするための「適材適所」や、メンテナンス方法についてお話ししました。

大丸建設では、ウッドデッキも含めた屋外空間は、「もう一つの部屋」というくらい、大切な場所だと思っています。特に、都市部で建築面積を広々とれない場合でも、空や周辺の緑、庭の風景なども含めて一つの空間ととらえ、いかに身近な自然を感じながら暮らせるかが、とても大切だと思います。

しかし、屋外は風雨にさらされたり、日光や紫外線などの影響によって、自然物でもある木材の維持や管理が室内よりも大変で、劣化も早いので、こまめにメンテナンスをするか、最初からメンテナンスがラクな材木を選ぶのも重要な選択肢です。
これまで手がけたさまざまな事例のなかから、お客様の環境に合わせて最適な屋外環境を提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

ウッドデッキ(7) グリーンカーテンとの併用

 

ウッドデッキとグリーンカーテン。夏はこの組み合わせで気持ちよく過ごせそうですね。パーゴラがなくてもグリーンカーテンをつくることはできます。
グリーンカーテンとは、つる性の植物をネットやフェンスに絡ませてカーテン状にすることで、夏場は葉の蒸散作用で周辺の温度が下がり、目にも涼しいので、暑さ対策としても有効です。

ウッドデッキの先にプランターを置いて、軒先にフックなどを吊るし、プランターからフックまでグリーンのネットを貼って、苗からつる性の植物を這わせていきます。比較的害虫に強く、実を食べる楽しみがあるのがゴーヤ。ヘチマやキュウリも人気です。朝顔やフウセンカズラなど花を咲かせる植物も見る楽しみがありますね。

グリーンカーテンは省エネにも役立ちます。5〜6月ごろが苗を植えるタイミングなので、今年はぜひチャレンジしてみてくださいね。

ウッドデッキ(6) パーゴラのメリット・デメリット

ウッドデッキとセットで設置されることの多いパーゴラ。パーゴラとはイタリア語で「ブドウ棚」を意味して、柱と屋根のフレームで構成されるエウステリアです。つる性の植物をからませることで、日陰をつくり、目を楽しませてくれます。

ガーデニングをする人や、グリーンカーテンをつくる人に人気ですが、実は、私自身は工務店の立場から、あまりパーゴラを推奨していません。理由は、美しさや緑陰をつくれるメリットよりも、腐りやすい、壊れやすい、メンテナンスしづらいというデメリットの方が勝るためです。

木材で作る場合、パーゴラに適した細さにすると耐久性の面で心配です。近年は大型の台風や暴風雨が増えているので、壊れたり飛んで行ったりする心配もあります。これまで大丸建設でパーゴラを施工したことがありますが、結局その後解体する例も何度か経験してきたので、日陰や緑陰を屋外に作る場合は、シェードやネットなど、取り外し可能なもののほうが結果的にはラクと言えそうです。

ウッドデッキ(5) ウッドデッキには腐りにくい南洋材

 

ウッドデッキに適しているのは、いわゆる「ハードウッド」と呼ばれる、赤道直下で育った硬くて重い広葉樹です。水にも沈むほど重く、硬くて目が詰まっているので、水を吸いづらいのが特徴です。ゆえに腐りづらく、国産材より値が張りますが、メンテナンスがラクなので、外構や公共空間でよく使われます。代表的な樹種として、イペ、ジャラ、セランガンバツ材があります。

イペは黄褐色の常緑広葉樹で、ブラジルなど南米が原産地です。反りや狂いが少なく、臨海部のボードウォークなどによく使われています。
ジャラはアマゾンジャラとも呼ばれ、目が詰まって赤く美しい木肌が特徴のデッキ材です。腐食や虫害に強く、防腐処理が不要と言われるほど堅牢です。

セランガンバツはインドネシアやマレーシアに広く分布し、比較的安価で安定的に供給されることから、近年人気があります。個人住宅のウッドデッキやウッドフェンスに使われることが多いです。

ウッドデッキ(4) 針葉樹を使う時には塗料で保護する

大丸建設でウッドデッキに杉材を使うときには、腐食防止の塗料を使います。大丸建設で使っているのは「ウッドロングエコ」という商品です。ウッドロングエコを販売しているのは、三重県尾鷲市の小川耕太郎♾百合子社。同社は「未晒し蜜ロウワックス」の製造を20年以上続け、自然素材の家づくりに取り組む工務店から絶大な支持を得ています。無垢材のフローリングに自然な艶を与え、メンテナンスする楽しさを教えてくれる蜜ロウワックスは同社の主力製品で、屋外用にはカナダの製造元から取り寄せているウッドロングエコを販売しています。ハーブ、樹皮、鉱物などが原料の粉を水で溶いて、屋外用の材木に塗布する「木材防護保持材」で、塗り直しが不要とされています。

ウッドロングエコは防腐剤ではないので、水びたしになったり、風が通らない設計だと、木材腐朽菌が増殖してしまいます。ウッドデッキには、通風と水はけをよくする設計・施工が欠かせません。塗料だけに頼るのではなく、設計・施工とセットで考えていく必要があるのです。

 

ウッドデッキ(2)  室内空間と一体化できるメリット

大丸建設で一戸建ての住宅を新築する際は、敷地条件にもよりますが、お庭がとれる場合は、室内と屋外の中間領域でもあるウッドデッキを作ることをお勧めしています。室内の床のレベル(高さ)とほぼ同じくらいの高さにウッドデッキを設けることで、掃き出し窓を開ければまるでリビングの延長のように空間が広がります。さらに庭にも目線が広がり、空間の奥行きが出てきます。

首都圏で家を建てる場合、土地の価格が高くどうしても敷地に対して目一杯家を建ててしまいがちで、さらに駐車場も確保しなければならないため、庭やデッキなどの中間領域を確保するのが難しくなります。それでも、プランによっては2階のベランダ部分を少しでも広めにとってデッキをつくったり、デッキ部分を1階の庇(ひさし)のように有効活用したりと、限られた土地・空間で、家の中外を一体化できるメリットがあります。

家づくりは屋内だけでなく、敷地全体、あるいは地域の風景とも一体で考えていくのがおもしろいのです。

社会の化学物質(8)  化学物質過敏症の方にやさしい家づくり

大丸建設では、化学物質過敏症の方でも安心して住むことのできる家づくりに対応しています。建築事務所のご紹介や、『チルチンびと』をみて、お客様が藁にもすがるような気持ちで頼ってくださるので、私たちも誠心誠意、できる限りの対応をしていきたいと思っています。

化学物質過敏症で苦しまれているあるお客様は、「柔軟剤の香りがダメです、汗くさいのは大丈夫」とおっしゃっていました。現場で働く職人さんには、汗くさくてもいいから、柔軟剤を使わないようにしようと、声をかけました。10数年前に化学物質を極力使わず自然素材と無垢材で家づくり手がけたお客様は、その後化学物質過敏症の症状が軽減され、「悩んでいる人がいっぱいいるから、こういう家づくりに出会ってほしい」とのお言葉をいただきました。

何事もバランスが大切だと思います。お客様と建材や香りのテストをしながら、率直にお話しいただくことで、私たちも現場や使う建材について、できる限りの提案ができます。化学物質過敏症だからといって、何かを諦めない、安心して快適に過ごせる家づくりを、これからも目指していきたいと思います。

社会の化学物質(7)  「香害」の加害者にならないために

前回、香害(こうがい)は、誰もが被害者にも、加害者にもなりうるものなのだと書きました。現代社会は多様な化学物質に囲まれ、何かしらの化学物質が含まれた製品を使うことは誰にも避けられないことです。また、化学物質があるからこその利便性を享受できていることも事実です。ものごとは全てプラスの面と、マイナスの面があるので、ゼロリスクにすることは現代社会を否定することにもなりますし、それは現実的ではありません。

一方で、香害についての知識があれば、自分が加害者になることを防ぐことはできます。「長時間香りが持続する」という効果をうたった柔軟剤や合成洗剤を使わないこと、化粧品や整髪料等を購入する時には、香り成分ができる限り自然由来のものを選ぶことならば、誰にでもできることです。自分にとっては心地よい香りであっても、他の誰かを苦しめる可能性がある、ということを知っておくだけで、自ずと選択や行動が変わってくるのではないでしょうか。
 

社会の化学物質(6)  「香害」はアレルギー反応の一つ

柔軟剤や洗剤、化粧品等の香り成分が由来となって、周囲の人々に健康影響を与えてしまう「香害」(こうがい)。香害は化学物質過敏症の一つで、誰もが被害者になる可能性があります。人によって化学物質の許容量が異なり、まるでコップから水があふれ出るように、体内で許容できる化学物質があふれた時に、健康被害という形で現れます。コップの容量が小さい子どもほどリスクが高くなるので、特に小さなお子様がいるご家庭では注意が必要です。

花粉症を例にするとわかりやすいですよね。私が子どもの頃は、花粉症はそれほど多くの人に現れるアレルギー反応ではありませんでした。ところが今は、春先になると、実に多くの人がくしゃみをしたり、目をこするシーンを目にします。スギ花粉由来の花粉症が多いですが、最近ではヒノキ、ブタクサ、イネなども……。花粉だけの問題ではなく、道路のアスファルトやクルマの排気ガス、そして香害も含めたさまざまな化学物質が複合的に絡み合って、国民病と言われるほどに広がりました。

香害は、新しい公害とも言える社会課題です。誰もが被害者にも、加害者にもなりうるものなのです。

社会の化学物質(5)  「香害」は化学物質由来だけではない

「香害」(こうがい)の原因となる物質は、主に、柔軟剤等の香りを長く持続させるためのマイクロカプセルに包まれた合成科学物質に由来します。マイクロカプセルには香り成分だけでなく、合成海面活性剤などさまざまな人工化学物質が含まれており、これらが空気中に揮発して鼻や喉から吸い込むことにより、化学物質が肺をはじめ内臓にたまり、さまざまな健康被害を引き起こします。

いったん化学物質過敏症を発症すると、人工的な合成化学物質だけでなく、自然由来の香料にも反応してしまうケースがあります。自然由来のアロマオイルなども香りが強いため、過敏症の方は体調に影響する場合もあります。

住宅の化学物質も同様で、合成化学物質だけでなく、自然由来の木材に含まれる香り成分への反応がある方もいます。たとえば、ヒバに含まれるヒノキチオールについては、私自身も反応してしまうため、自然由来だから大丈夫、というわけではありません。