リノベーションのプロセス_6 施工のポイント

既存の内装や設備の解体が済んだら、新築住宅でいう「上棟(建前)」が終わった段階と言えます。ここからいよいよ施工が進んでいきます。

構造の補強、新しい壁や床の設置、設備の取り付けなどが行われます。施工中は、職人が現場監督に進捗状況を定期的に報告し、時にお客様が現場に入って状況を確認しながら、作業を進めていきます。

機能向上のリノベーションの場合、柱や梁などの構造材に補強材を追加したり、壁を補強することで、建物の耐震性を向上させます。また、断熱性の高い材料を使用して外壁や屋根を断熱し、冷暖房効率を上げたり、建物の外皮の防水性や気密性を高めることで、断熱性を向上させます。こうした施工により、中古物件を取得したとしても、新築並みの居住性の高さを実現することができます。

リノベーションのプロセス_5 解体と準備

リノベーション作業が始まる前に、既存の構造物や設備の解体が行われます。また、新しい設備や建材の配送や保管などの準備も行います。

建物の骨組み・構造を残して、内装を一新するようなリノベーションの場合、壁や床の取り外し、古い設備の撤去などを行います。同時に、新しい建材や設備の配送や保管についても計画していく必要があります。解体作業が進む中で、職人さんが安全に作業を行うため、また、建物や周囲の環境への影響を最小限に抑えるために、養生を施したり、足場を確保するなどの準備も行います。これには、建材の搬入経路の確保や保管場所の準備、必要な機器や道具の手配などが含まれます。

何事もそうですが、準備が万全であればその後の工事もスムーズに進みます。工務店の腕の見せ所は、現場監督の調整能力とも言えるのです。

 

リノベーションのプロセス_4 建築許可申請

大規模なリノベーションプロジェクトでは、建築許可やその他の許可申請が必要な場合があります。工務店は必要な申請書類を準備し、自治体や関連する当局に提出します。

新築の場合は建築基準法に基づいて建築許可を申請しますが、リノベーションの場合は基本的には修繕や改修に関する基準が適用されます。ただし、構造変更や増築など大規模な工事を行う場合は、建築許可が必要となることがあります。

届け出る書類としては、リノベーションの設計図やプランを示した設計図面や、実際の工事の施工図面や仕様書、隣地所有者の同意書(隣地との境界に関する工事がある場合には、隣地所有者からの同意書が必要になります)などがあります。

リノベーションの許可申請では、主に建築物の安全性や環境への影響なども考慮しなければなりません。建物の構造や耐震性、施工方法、設備の改修などが審査の対象となります。

中古住宅のリノベーションでは、建築許可だけでなく、都道府県や市町村によって異なる規制や条例にも対応する必要があります。大丸建設では、役所への許認可や、隣地とのコミュニケーションなど、具体的なアドバイスができますので、なんでもご相談ください。

リノベーションのプロセス_3 予算と見積もり

リノベーションのプランが決まったら、予算と見積もりを作成します。これには、建材や職人のコスト、設計料などが含まれます。お客様との合意が得られれば、工事契約を結びます。

予算と見積もり、そしてスケジュールを正確に把握することで、不測の費用超過や予期せぬ問題の発生を防ぐことにつながります。特にスケジュールを適切に把握することが大切です。職人さんには日当で支払うので、スケジュールが長期化することにより予算に直結してしまいます。また遠隔地になる場合はその分の距離が加算されることもあります。

こうしたコストを誠実に提案して、お客様の合意と納得が得られた予算をもとに、建材や労働費、設計料などを適切に見積もります。また、見積もりには十分な余裕を持たせ、予備費や予期せぬ追加費用に備えることも大切です。最終的な建物の品質と満足度を高める上で欠かせません。

リノベーションのプロセス_2 設計プロセスの重要性

設計段階は、中古住宅のリノベーションプロセスにおいて、具体的な計画を策定する重要なステップです。まず、建築家やデザイナー(私たちが担当することがあります)がお客さまと直接対話して、ニーズや希望を詳細に把握します。これには、間取りの変更や内装のリフォーム、外観の改善など、様々な要素が含まれます。また、現在の既存住宅の特性や制約についても考慮が必要です。

続いて、作成した設計案をお客様に提示します。予算や工期の考慮も大切で、実現可能なプランをお示しすることが大切です。このプロセスで行き違いがないよう、何度も意思確認をしていき、詳細な図面や仕様書を作成します。設計段階では、建築基準法や各種規制についても十分な配慮を行います。

お客さまの希望を満たしながら、リノベーションのコストや品質を確保していくことがとても大切です。

リノベーションのプロセス_1 ニーズを把握

大丸建設は、新築住宅の設計・施工がメインの仕事ではありますが、近年増えているのは中古住宅のリノベーションの依頼です。この20年ほどで、修繕的な意味合いのリフォームから、機能刷新のリノベーションに対するお客さまの理解が高まっています。既存の骨組みを活かしながら、新築よりも安価で、かつ現代のライフスタイルに応じた機能を獲得できるリノベーションを選択する方が増えています。

リノベーションに際して、お客さまのニーズの特定と目標設定は、最も重要なステップの一つです。例えば、ファミリー向けの快適な住環境の提供、老朽化した設備のアップグレード、エネルギー効率の向上など、さまざまなニーズが考えられます。お客さまの予算や「こんなライフスタイルを送りたい」という期待も重要な要素です。目標を設定する際には、リノベーションの注力点や予定期間も考慮し、お客さまのニーズを実現するための最適なアプローチを見極めます。

一軒の家が建つまで_8 工務店はハウスドクター

お客さんが家のことで困ったら、まず相談していただきたいのが工務店です。例えば水もれ、トイレのトラブルなど、テレビのコマーシャルでも「トイレのことなら♪♪♪」と流れて、すぐに専門業者に電話しなければ……と思いがちなのですが、まずは工務店にお電話いただくのが一番確実です。というのも、工務店の場合は、例えば配管トラブルなどでも、その配管だけを見るのではなく、家全体のバランスを見て原因を究明することができます。また、地域の職人とのネットワークがあるので、工務店に聞けば適切に必要なスキルを持った地域の職人を派遣することができます。

家づくりのことをトータルでわかっているのが工務店で、家づくりに関わるあらゆる職人を采配できるのも工務店の強みです。まさに「ハウスドクター」なので、本当になんでも相談いただいて大丈夫です。大丸建設で建てさせていただいたお客様の住まいのことは熟知していますし、そうでないお客様の家であっても、私たちは専門家なのでだいたいの状態は把握でき、適切にアドバイスできると思います。

ぜひ、お近くの工務店と親しくなって、いざという時に頼っていただければと思います。東京西部、多摩地域の方は、ぜひ大丸建設へ。お待ちしています。

 

一軒の家が建つまで_7 昔は大工棟梁が監督を務めていた

家づくりには実にさまざまな職人が携わっていることがわかります。現場監督はすべての業者の得意を見極め、職人さんを見定めて仕事を依頼していきます。職人も人なので、気持ちよく仕事ができるよう、信頼関係を築いていくことが大切です。

昔は今ほど設備関係が複雑ではなかったので、家づくりのほぼ全てを大工棟梁が采配していました。大丸建設の初代や二代目は、明治・大正時代に活躍しましたが、当時は大工が直接水道屋さんや左官職人を呼んで家づくりをしていたそうです。まさに「町守り」だったようで、住まいに関わることは棟梁に聞け、という存在でした。

まさに大工棟梁が全てを采配できる時代から、より仕事が高度に細分化してきた時に全ての職人を采配する役職として、工務店ができたのです。大丸建設の成り立ちも、まさにその歴史になぞらえることができます。宮大工として活躍してきた初代、二代目から、戦後に工務店をおこして地域の職人たちを束ねていった三代目。会社化したのも三代目のころです。その後は地域に密着した工務店として時代を重ね、私で六代目になります。これからも職人さんを大切にして、現場第一主義でいきたいと思います。