(6) 簡単リフォームには内窓がおすすめ

集合住宅の場合はマンションの管理規約上、窓が共有部であることが多く、住まい手自身の希望で行えないケースがほとんどです。しかし、室内側にもう一枚窓をつける「内窓」であれば、マンションでも設置が可能です。内窓であれば内装材扱いなので、室内のインテリアや家電と同じような感覚で導入できることになります。コスト面でも、材料費+施工費において、窓リフォームより大幅に安く済ませることができます。リフォームの時間も窓1つに対して1時間程度と、大掛かりにならずに簡単に終わります。

断熱面もかなり高く、防音や防犯面でも優れている内窓。いいことづくめなのですが、デメリットがあるとしたら、窓を開ける時に2つの窓があり、窓の開閉に不便、ということです。

日本家屋に見られる「障子」も一種の内窓と言え、障子の開閉+窓の開閉の感覚で、それを不便と感じない方であれば、内窓はコスト面でも性能面でもかなりおすすめです。

[写真:大丸建設HPより「夢だった梁の見える古民家風の家」]

(5) 断熱と遮熱は異なる

断熱の目的は、熱を伝わりにくくすることです。熱は高い方から低い方へと移動する性質があり、夏場は外の熱が室内に入ることによって室温の上昇を防ぎ、冬場は室内の温かい熱が外に逃げていくことを防ぎます。人間にとって快適な温度帯の室内環境をつくることを目的にしているのが断熱です。

一方、遮熱は、日光による熱放射を反射させることで室温の上昇を防ぐことを目的としています。たとえば、夏の強烈な日光が屋根に当たり、屋根面の温度が上昇することでその熱が室内に伝わることで室温が上がってしまいます。熱を室内に伝えにくくするのが断熱で、屋根面で熱を反射するのが遮熱です。

冬に防寒性の高いダウンジャケットを着るのが「断熱」、夏にUV加工をした日傘を差すのが「遮熱」と考えるとわかりやすいですね。

 

[図参照:YKKホームページより]

(4) 窓ガラスの種類

サッシに比べて、窓ガラスの方は選択肢がたくさんあります。組み合わせによっても断熱性能には差が出てきますので、ランキングは難しいと言えます。

ガラスは、1枚(シングルガラス、または単板ガラス)より2枚(ペアガラス)、2枚より3枚(トリプルガラス)の方が、断熱性能が高まります。最近では5枚ガラスの窓も発売されており、最上位の断熱性能を誇ります。

2枚以上のガラスは複層ガラスと言われ、ガラスで挟んだ層の間を真空状態にしたり、アルゴンガスやクリプトンガスを封入して断熱性能を高めたガラスもあります。

ほかにも、Low-Eと呼ばれる特殊金属膜をガラスの内側に貼り付けたものもあります。遮熱タイプの金属膜を入れた窓は西側につけることが多く、西日をカットして紫外線や熱の侵入を防ぐ効果があります。一方断熱タイプの金属膜を入れた窓は南側につけて、冬場の日光を室内に取り入れ、逆に室内の熱を逃しにくくする特徴があります。

[参照:YKK ap ホームページより「Low-E複層ガラス(遮熱タイプ)」]

(3) 窓=ガラス+サッシ

窓は、ガラスと窓枠(サッシ)の組み合わせで断熱性能が変わります。

かつての日本の住宅では、アルミサッシ+単板ガラス(ガラス1枚だけ)の組み合わせがほとんどでした。アルミサッシは軽量でコストが安い反面、熱を伝えやすく、夏は熱く冬は冷たくなります。また、室内と室外の気温差によって結露を生じ、特に冬場の朝方などは、結露で窓周辺がびしょびしょに濡れてしまったり、窓枠近くの床材などがカビたり腐食しているのを見たことがある方もいるかもしれません。

サッシの種類は主に3つで、アルミサッシ、アルミ+樹脂の複合サッシ(室内側が樹脂で室外側がアルミ)、樹脂サッシ、木製サッシがあります。断熱性能で言えば樹脂よりも木製サッシの方が高いのですが、木製サッシの場合は樹脂サッシに比べて機密性能を確保するのが難しく、コスト面から考えても樹脂サッシの方に軍配が上がりそうです。

[写真:YKK ホームページより]

(2) 断熱性能の高い窓への理解が広がる

近年、大丸建設で新築する住宅のお施主様は、断熱性の高い窓をオーダーされることが増えてきました。20年ほど前までは、日本では窓の断熱についてあまり意識がされてこなかったため、アルミサッシの単板ガラス、よくても複層ガラス(ペアガラス)が定番でしたが、地球温暖化の進行といった社会的状況も相まって、消費者の省エネ意識が変わってきました。この10年でメーカー側も高断熱なガラスやサッシの開発に励んだことによって、樹脂サッシや遮熱ガラスなど、断熱性能の高い窓が普及するようになりました。導入コストは割高でも、居住時のランニングコスト(月々の光熱費)が下がるので、結果的に高断熱の窓の方がお得で、しかも居住環境は向上します。

大丸建設の最近の新築事例では、断熱性能が高い樹脂サッシ+特殊金属膜やガスを封入して断熱・遮熱性能をガラスといった組み合わせが定番となり、お客様に快適な居住環境を提供できています。

[イラスト:YKK apホームページより]

 

(1) 家の環境をよくするために、窓を考えませんか?

今年は新型コロナウイルスの感染拡大から、リモートワーク、在宅ワークをする人が増え、家の居住環境やワークスペースを快適にしたいと考える人もいるのではないでしょうか。知人の中には「家族の在宅ワークによって光熱費が上がった」という人もいます。

家の光熱費に直結するのは、断熱性能です。断熱とは、壁、床、屋根・天井、窓といった家の外周部に断熱材を入れたり、空気層を設けることで、外気と室内の温度差を減らして、結果的に結露も抑制し、居住環境をよくしていくことにつながります。

家の断熱性を高めるために最も効果的なのが窓断熱です。夏場は室内に侵入する熱の74%が窓から入ってきて、冬場は逆に家の温かい熱の52%が窓から逃げるというデータもあるくらい、断熱性能の低い窓の家は「夏暑くて冬寒い」というわけです。

【上イラスト参照:YKK ap ホームページ

「アルミフレーム(複層ガラス)の窓の家における熱の流入出の割合」より】

大丸建設に土地探しのご相談をいただく際は…

大丸建設で新築の住宅を建てたいとなった際には、ぜひ土地探しの段階からご相談ください。まずは、その土地を一緒に見にいく機会をつくっていただければと思います。

その際は、その土地の近辺のデータを集め、スマートフォンのアプリなども活用し、地盤の情報を読み解きます。また、隣地の状況を確認し、日の当たり方や道路との接道部分、方角などを見て、地盤だけではなく、採光や通風についても判断していきます。

新築の住まいは、一生に何度とない、大きな買い物になります。理想の土地との出会いは、まさに人生の巡り合わせのようなもので、判断を迷っている間に先に売れてしまうということもよくあります。そんな時には「今回、買う土地ではなかったかもしれない」とお伝えします。私たちは、お客様を急がせません。無理に進めず、お客様のベストなタイミングで、最高の土地と出会えるよう、サポートして参ります。

不動産屋さんに確認してほしいこと

新築の住まいを建てるために、まずは不動産屋さんを回ると思います。不動産屋が出すチラシや看板には、地盤の情報まで書いていないことがほとんどです。接道や水道、ガスが引かれているかどうかなどの情報は持っているので、見学の際は不動産屋に「地盤の心配はないか?」という確認はしておいてください。与えられた情報だけで判断せず、家を建てるうえで地盤の状態を確認することは鉄則です。

市場価格に対して極端に安い物件には、何らかの理由があります。それが地盤の場合もあるし、擁壁に難があるケースもあります。聞けばすらすら答えてくれる、あるいは調べてでも回答しようとする不動産屋は信頼できると言えます。また、工務店が事前に調査に入ることに寛容な不動産屋もあり、そうした事業者は安心して土地の相談ができると言えます。

 

地盤補強という手段もあります

もし、自分がどうしても気に入った土地の地盤が軟弱かもしれない……と言われたら、どのような選択をしますか? 私ならば、地盤の軟弱な土地に家を建てるべきではない、と言います。しかし、土地とは地盤だけではなく、駅からの距離や、整形地であるかどうか、隣地との関係、採光など、さまざまな要素がからみあっているので、一概に地盤だけが判断基準になるわけではありません。現代は技術が進んでいるので、「地盤補強」によって軟弱な地盤を補強することもできます。

大丸では地盤調査や、地盤改良も手がけています。地面に杭を打ち込むことで、地盤を強化することができるので、どうしてもその土地が気に入っている場合は、ご相談ください。地盤調査から、杭打ちによる地盤改良まで、トータルで100万円ほどの追加予算がかかる場合もありますが、魅力的な土地を手に入れるために必要経費として考えるという選択肢もあります。