住まいの電磁波(5) 住まいの電磁波対策

紫外線や赤外線など太陽光も電磁波の一つということがわかり、驚いた方もいるかもしれません。自然由来のもののほかにも、現代社会は家電製品や携帯電話、通信環境などが爆発的に広がり、暮らしのあらゆるところで電磁波が発生している状態です。電磁波の心身に対する影響については、まだ「はっきりしたことはわからない」という状況ですが、「電磁波過敏症」で苦しむ方は一定数おり、化学物質過敏症のように外的環境で心身の不調を来した方が電磁波に反応しやすい傾向も見て取れます。

大丸建設では住宅を建築する際には、電気配線の設計の時には少しでも電磁波への影響を低減できるように配慮をしています。例えば、睡眠時にはなるべく電磁波の影響を受けないよう、寝室の真上に電線を通さない、あるいは枕に近いところからなるべく離して配線するなどを検討します。電磁波に対して感受性が強い方がお住まいの場合は、壁の中にアルミのシートを張って極力電磁波をカットするようにしています。

住まいの設計時の配電で、電磁波の影響を低減することは可能ですので、気になる方は遠慮なくご相談ください。

住まいの電磁波(4) 電磁波にはいろいろある

目に見えない、匂いも色もない電磁波ですが、いったいどのようなものでしょうか。携帯電話やテレビ、パソコンなどから出ているものは、世の中全体からみるとごく一部でしかありません。電気が流れるところには必ず電磁波があります。電気はいわゆる発電によって生み出される電気だけではなく、紫外線や赤外線などの「光」も含まれます。

電磁波は空間を移動する「波」のようなもので、1秒間でどれだけの数の波が生じるかを周波数という言い方で表します。高周波の電磁波が放射線で、医療に用いられるX線が代表的なものと言えます。太陽光も電磁波の一種です。紫外線、可視光線、赤外線は、殺菌灯や赤外線ヒーターなどに使われます。低周波の「電波」が携帯電話の電波や家電製品から生じる電波です。FM放送やテレビ放送の電波も低周波です。送電線や家庭電化製品は超低周波と言われる電磁波です。

住まいの電磁波(3) 電磁波過敏症とは?

電磁波過敏症は、現代ならではの症状と言えます。私たちの暮らしはさまざまな電化製品に囲まれており、そこから発生する電波や磁波に囲まれているということと同義です。特にインターネットによる通信が盛んになってからは、パソコンやスマートフォンをつなぐWi-Fi、5Gなどの高速電波通信によって、家庭だけでなく社会全体で強い電波が飛び交っていることになります。

電波と磁波は異なるので、正確な違いについては次回にまわしますが、電磁波の大きな特徴としては「目には見えない」ということです。しかも、香りがあるわけではないので、今自分がどれくらいの電磁波に囲まれているのかを自分で判断することは難しいのです。化学物質過敏症を発症して、慢性的に頭痛や倦怠感、心身の不調に悩まされる方が、目に見えない電磁波に対する感受性が高くなる傾向があるとされているため、私たち大丸建設が化学物質過敏症対策の家を建てる場合には、電磁波についても注意を払うようにしています。

住まいの電磁波(2) 電化製品に囲まれた現代生活

私たちの暮らしは、今や電化製品や電波なしに暮らすことはできません。代表的なものはスマートフォンですが、今は5Gなどの高速データ通信や、家庭や公共施設等では常にWi-Fiの電波が飛び交っています。

心臓のペースメーカーに携帯電話の電磁波が悪影響を与えるとして、以前は公共交通機関の優先席付近では携帯電話の電源を切るようにアナウンスされていました(現在は、マナーモードにして通話を控えるようにしてください、という表現に切り替わっています)。

ほかにも、住まいにはさまざまな電化製品があり、その中でも特にIHクッキングヒーターや電子レンジといった調理家電が大きな電磁波を発することが知られています。

電気冷蔵庫や電気洗濯機、テレビなどの家電製品も電磁波を発生します。つまり、電磁波の量の大小に関わらず、電化製品に囲まれた現代生活では、私たちは常に電磁波を浴びているということになります。

電磁波過敏症は、現代社会において必然的に生まれてきた症状ということができます。

 

 

住まいの電磁波(1) 現代社会のさまざまな過敏症

大丸建設ではこれまで、シックハウス症候群や化学物質過敏症など、私たちの暮らしを取り巻く化学物質に対する感受性が強い方からの相談を受け、その方に合った住まいを作ってきた経験があります。現代社会では利便性を高めるために、さまざまな化学物質が使われています。

人類が長年接してこなかった新たな物質に、すぐに適応できる人もいれば、そうでない人もいて、それが頭痛や倦怠感、心身の不調といったさまざまな形で現れることがあります。シックハウス症候群は、特に住まいに使われる建材に含まれる化学物質に反応してしまう症状のことで、化学物質過敏症はさらに洗剤や香料など生活雑貨など暮らしに関わるあらゆるものに対する反応を指します。今年のブログで発信した「香害」も化学物質過敏症の一つです。

もう一つ、現代社会特有の過敏症に「電磁波過敏症」があります。今月は、住まいの電磁波についてお話しします。

気候危機の時代(8) 気象情報を正しく読み解く

集中的に大量の雨が降る線状降水帯や、毎年巨大化する台風など、水の災害が増加、激化している昨今、私たちは自分や家族の命を守るために、的確な情報を得て判断していく必要があります。

ニュースサイトや気象情報アプリでは、わかりやすく情報を伝えてくれます。気象庁が発表している「キキクル(大雨・洪水警報の危険度分布)」は、お住まいの地域で雨による災害リスクが高まる場合、危険度の高まりをプッシュ型で通知するサービスです。アプリや通知によって、危険が身に迫った場合に適切に対応できるよう、常日頃から気象情報に関心を持っておきましょう。

災害時は、まずは自分で自分の身を守る「自助」、近隣の方々と助け合う「共助」、そして最後に自治体などの助けを得られる「公助」という順番です。自分の命が助かってこその、支え合いです。災害が多い時代、備えを万全にしておきましょう。

 

気候危機の時代(7) 河川の氾濫が身に迫る時

気象情報のウェブサイトでは、河川水位情報を調べることができます。河川洪水では、注意、警戒、危険、氾濫発生の5段階が表示されます。河川の氾濫や高潮などから身を守るための防災を「水防」といいます。

自分が住む地域でどのような水害のリスクがあるのかを事前に知っておくには、自治体が発行している「水害ハザードマップ」を入手しておくとよいでしょう。河川の近くでは早期の避難が必要になる場合や、木造住宅の倒壊が危険視される地域もあります。大雨の際は土砂崩れも心配です。高台に住んでいるから一概に安心とは言えず、排水溝から水があふれて周辺が浸水するようなリスクすらある時代です。

何度も書きますが、台風は事前に備えることができる災害です。特に、排水溝や雨樋などを清掃して水の流れをよくしていくことは、地域防災の観点からも重要です。

家庭でできることは、氾濫の危険が身に迫る時には、浴槽にためた水を流さないこと。家庭の排水も河川に流れるので、豪雨の際には雨水以外の水で川をあふれさせないことが大切です。

気候危機の時代(6) 避難場所や経路を確認しておく

土砂災害や浸水などの大水害が発生する恐れがある時には、気象庁から警戒レベルに応じた避難情報が発表されます。現在の警戒レベルは5段階。警戒レベル1〜2の段階から注意を払い、警戒レベル3以上の時にはいつでも避難できるように準備をしておきましょう。特にご家庭に乳幼児や高齢者がいる場合は早めの準備が必要です。

警戒レベル1:早期注意報

警戒レベル2:大雨・洪水・高潮注意報

警戒レベル3:高齢者等避難

警戒レベル4:避難指示

警戒レベル5:緊急安全確保

このうち、避難指示は、高齢や障害の有無に関わらず、全員が安全な場所に避難する必要があります。いざという時に慌てないよう、自分の居住地の避難場所や避難経路について、事前に確認しておきましょう。

警戒レベル5の緊急安全確保は、命を脅かすおそれのある災害が既に発生しているか、身近に迫っている緊迫した状況を指します。この段階ではすでに避難には間に合わないと判断されるため、避難ではなく自宅の中で少しでも高いところに身柄を移すなどして、命を守ることを優先します。

気候危機の時代(5) 台風前の備えは

地震と異なり台風の場合は事前に備えることができます。気象予報で台風の進路や降水量の予測がされるため、自分の住む地域でどの程度対策をすればよいのか、事前に判断することができます。

非常食や水の準備はもちろんですが、避難指示が出た場合に速やかに移動できるよう、持ち出し品の準備もします。防災用品に関しては、台風の直前にあわてて準備をするよりも、普段から備えておくことが大切です。

家の中の備えだけでなく、家の外の備えもしておく必要があります。窓や網戸はしっかり鍵をかけて閉めておきます。必要な場合は粘着テープなどで補強します。排水溝に枯葉などの詰まりがある場合は取り除き、水はけをよくしておきます。また、ベランダやデッキなど、屋外にあるものは家の中に入れ、飛ばされないようにします。大きくて家の中に入らないものは、雪囲いのようなもので固定しておく必要もあります。