外装工事はお肌のメンテナンスと一緒

外装のメンテナンスは「お肌のお手入れ」のようなものです。しかし、外装が人間の肌と違うのは、自動修復機能がないことです。

大丸建設では、工務店の役割の一つに「ハウスドクター」があると思っています。住まいのお医者さんとは、住まいに不具合が出ないように定期的に診察して、未然に病気を防ぐことです。

例えば、私はハウスドクターとして「耐震診断」をします。地震に対して今の住まいの健康状態がどうであるかを「健康診断」する、というわけです。

ホーム・インスペクションも同じようなものです。住まいに不具合が見つかったら、大事故につながる前に、早めに修復、営繕を提案します。

お肌のケアについても、紫外線対策をせずにいると、日焼けして肌が荒れたり、しみやそばかす、そして劣化の原因になります。外装が紫外線を浴びることは避けられないとしても、メンテナンスをすることで長持ちさせることはできます。

外装のケアをしないとどうなる?

外装は生活利便性に直結しないので、ついついお手入れは後回しになりがちです。そうして何年もケアしないと、何が起こるのでしょうか。

クラック(外装のひび割れ)が起こったらメンテナンスのサインですが、それをせずに放置してしまうと、ひび割れたところから水が入り、中が腐ってしまいます。「中」とは、柱や梁などの構造材、断熱材や防水シートなどで、そこが腐ると、カビ、シロアリ、木材腐朽菌などが発生し、不衛生になります。構造体にダメージが加わると、それこそ地震などの際の安全が脅かされます。地震で壁がはがれると、その家に住むことは難しくなります。

そうならないために、クラックを見つけたら早めのメンテナンスが必要です。

 

外装は人の肌と同じ、お手入れが必要

外装リフォームについて、新築後だいたい10〜15年がメンテナンスの目安ですが、その家の立地条件によって外装の劣化具合は変わってきます。

外装劣化の要因としては、日光の当たり具合、風雨にどれくらいさらされているかによって、外装の持ちや色の変化が変わります。吹きさらしの家ほど劣化は激しくなるでしょうし、例えば台風や暴風雨などの極端な気象災害に見舞われてしまうことで、予想外の傷がついてしまうことがあります。

建物の外装は、人の肌と似たようなものだと考えてよいでしょう。紫外線に激しくさらされれば、お肌は日焼けしてしまいます。暴風雨などでダメージを受けたら、早めに修復する方がいいです。

外装リフォームの目安は、一概に年数だけではありません。外壁にクラック(ひび割れ)が入るなど、明らかな変化が起こっていたら、その時がサインです。

外装リフォームのタイミングは?

新築住宅の場合、外装リフォームは10〜15年に一度が目安です。

しかし実際には、新築住宅の竣工以降、数年先を見越して予定を立てて、「今年は外装リフォームをしよう」と計画的に外装リフォームに取り組む方は、圧倒的に少数です。たいていの場合は、どこか不具合が出てきたり、外装リフォーム屋さんの営業が入ってから、検討し始めることがほとんどです。

外装のリフォーム屋さんは、「壁を塗り直す方がいい」「屋根がめくれている」「釘が出ています」「となりの家のリフォームをしていて気になるところがありました」といううたい文句で営業をかけてきます。リフォーム屋さんを屋根にのせてしまえば、何かしら修繕する箇所を見つけてくるので、そこで契約、となってしまうケースが多いです。

もし外装リフォームの営業が来たら、屋根にのせる前にぜひ一度大丸建設にご相談ください。特にOBのお客様にとっては、その住まいを建てたのは私たちで、詳しい図面や構造の状況がわかります。それをもとに修繕する方がはるかに正確かつ適正な工事ができるからです。

外装リフォームは10〜15年に一度

大丸建設は、創業150年の歴史とともにお客様が地域のあちこちにおり、リフォームや営繕もOBのお客様を中心に数多く手がけています。年間で何件も、外装リフォームのご相談や実績があります。

住宅は、新築で完成したらそれで終わりではなく、適切なタイミングでメンテナンスをしていきながら、長く住み継いでいく必要があります。長く住んでいれば、汚れたり、破損したりということはどうしても起こってしまうもので、そのメンテナンス費用をきちんと営繕計画に組み込んでいくことが大切になります。

外装については、10年に1度が目安と言われています。実際に不具合がなければ後回しになりがちな部分でもありますので、最大でも15年おきにはメンテナンスをするのがおすすめです。

 

ホームインスペクションのご相談にものります

実は私は、ホームインスペクター(住宅診断士)です。ホームインスペクションの診断は、実は耐震診断よりも診断の程度は軽く、床なり、配管、雨漏りなどです。私は一級建築士でもあり、耐震診断の専門家なので、中古住宅の売買を検討されている方がいたら、ご相談にのりますので、ぜひお声がけください。

ホームインスペクションは住宅の健康診断とも言えますね。こちらは軽微の診断なので、より深く診断するなら耐震診断にステップアップすることができます。ホームインスペクションは中立的な立場でおこないます。リフォーム業者の斡旋や、大丸建設への誘導などはできませんので、そこはご留意ください。

今「リフォーム済み」の中古住宅は減っている

昔、中古住宅を買うとなると、リフォーム済みの物件が多かったように思いますが、最近は中古住宅の売買でもリフォームはせずにそのまま引き渡しをするケースが増えています。なぜかというと、やはりリノベーション需要が高まっているからで、住宅の買主には「中古住宅を安価に手に入れて、新築よりも割安な価格で自分の理想通りの住まいをつくりたい」という人が増えています。そのこと自体はよいことだと私は思っています。

中古住宅が適切に売買されるためにも、安心・安全性が目に見える形であることが重要です。しかし、中古住宅は築年数や耐震状態によって、必ずしも安心・安全であるとは限りません。大切なのは、買手が住宅の状態を正確に把握して、取得前に必要な改修費用についても理解をし、納得していることです。

「旧耐震だけれども、補助金を活用しながらしっかり耐震改修をして、安心して住もう」と納得して費用を負担すれば、後々の精神的な負担も軽減することができます。結果的に良い買い物になるのです。

なぜホームインスペクションが必要なのか

中古住宅を購入してリノベーションをして住みたいという買主は増えています。リノベーションの場合、少しでも安価に住宅を取得できるというメリットがあります。

しかし、中古住宅の状態は、専門家でなければ、一見してはわかりません。安価に中古住宅を取得したつもりでも、雨漏りやシロアリなどで構造がボロボロだったり、外壁や内壁に亀裂がある、基礎に鉄筋が入っていないなどのケースもあります。家の状態をよくわからずに取得すると、後から思いもかけないほどの高額な改修費用が必要になり、気づいたら新築住宅を建てるのとそれほど金額が変わらなかった、ということにもなりかねません。

中古住宅取得による金銭トラブルを回避するうえでも、ホームインスペクションは大切です。

中古住宅を取得する際は「ホームインスペクション」を。

「ホームインスペクション」を日本語に訳すと「住宅診断」となります。

中古住宅を取得する際に、既存の住宅を専門の「ホームインスペクター」に診断してもらいます。中古住宅の売買の際に、仲介事業者が買主や売主に対して建物の状態について説明しなければなりません。その、ホームインスペクターを紹介・斡旋することが、宅地建物取引業法の改正によって、2018年より義務化されたのです。

宅地建物取引業法の改正では、中古住宅の流通を増やすことを目的の一つに据えています。ホームインスペクションによって、買主は中古住宅の状態を正しく判断したうえで売買をすることができます。売主も売買に関わるトラブルを回避することができます。コストや手間はかかりますが、売買に関する重要な判断基準となります。