ここまで、家庭のエコ診断やうちエコ診断士についてのお話をしてきました。さっそく、大丸建設で診断してみたい……! という方、申し訳ありませんが、少々お待ちください(笑)。私たちは資格を取得したものの、登録事業者にはまだなっておらず、私たちの省エネの師匠である野池政宏さんのパッシブデザイン協会、または「1985 Energy Life」で登録事業者になり、そこに所属するうちエコ診断士として動いていく予定です。
家庭のエコ診断を実施できる体制が整ったら、あらためてブログやホームページ、大丸ニュースでお伝えして参ります。楽しみにお待ちください。
月別: 2015年5月
うちエコ診断では我が家のエコ度の順位がわかる
「あなたの家のエコ度は、100人中8位です!」
Aさんの診断結果は、上記のようなものでした。4人暮らしを基準に順位のデータをつくっていて、マンション暮らしか一戸建てか、同じ地域で同じ条件の家族が100人いたと想定して、同じようなライフスタイルの人の中でのCO2排出量のデータを算出します。この条件は、断熱の地域係数と同じような基準で、地域ごとに変わります。北海道と九州では光熱費は変わってきますので。
そして、うちエコ診断でのアドバイスに基づき、対策を実行すると、順位が何位から何位まで上がるのかも数値が出てきます。CO2の削減量もわかります。
ちなみにAさんは、ちゃんと対策すれば100人中8位から4位まで上がるようです。それには、家庭の中でもっともエネルギーを使っている箇所を重点的に対策することが重要なようです。
うちエコ診断具体例:冷蔵庫
Bさんの家では、結婚した時に購入した冷蔵庫が12年選手になっています。当時の最高レベルの省エネタイプのものですが、今は10年前のものに比べ同じ容量でも半分の電気代で済むタイプのものが出ています。
冷蔵庫も普及型(約140,000円)を買うよりも、省エネ型(約180,000円)に買い換える方が、10年間合計で約48,000円電気代がお得になります。イニシャルコスト(導入コスト)とランニングコスト(運用コスト)が10年単位で見ると、だいたい同額、ということですね。それならば普及型でいいじゃないか……という声もありそうですが、そこはCO2排出量がだいぶ違ってきて、省エネ型を買う方が地球環境に貢献できるということでもあります。
また、うちエコ診断では、冷蔵庫の詰めすぎを防ぐ、開閉を頻繁にしないことでエネルギー効率を低減させないなどの、使い方のアドバイスもできますので、ぜひ参考にしてください。
うちエコ診断具体例:給湯器
家庭用のエネルギー機器で買い替えを検討するのなら、まずは給湯器が最初に挙げられます。給湯器はだいたい10年くらいで買い替えするのですが、壊れない限りはなかなか更新しないもの。
15年前の古い給湯器を使っているAさんのお宅では、給湯器を潜熱回収型の高効率のものに買い替えると、CO2排出量を1割以上削減することができるそうです。ただし、新たに購入すると 26万円の出費になり、10年の寿命で割ると年間約26,000円ぶんの負担です。
しかし、Aさんの家の給湯器は寿命に近づいており、いつ壊れてもおかしくない状況。その時に廉価な普及版を買うと、年間光熱費は54,100円となり、高効率型にするとさらに年間光熱費が12,400円削減でき39,300円になると試算されます。普及版でも省エネ型でも10年は使うものですから、10年間で約98,000円お得になる省エネ型を買う方が、CO2の削減も光熱費においてもメリットがあるということができます。
ちなみに、給湯器の買い替えには自治体の補助がある場合もあり、そうしたデータも調べることができるのがうちエコ診断の強みです。
高性能なソフトで詳しく解析!
家庭のエコ診断では、パソコンのソフトを使ってお客様の暮らしのエコ度を診断します。このソフトがよくできていて、幾つかの質問に答えていただくことで、どの家電を買い換えれば省エネに役立つのか、あるいはクルマの燃費や窓の断熱性の向上でどれだけの効果があるのか、適切に診断してくれます。
具体的には、以下の項目を詳しく見てくれます。
・給湯器
・洗濯機
・冷蔵庫
・テレビ
・エアコン
・照明器具
・車
それぞれ、買い替えだけではなく、使い方(冷蔵庫であれば中にモノを詰め込みすぎないなど)も含めてアドバイスしてくれるのが特徴です。
うちエコ診断では何をやるの?
うちエコ診断では、一般家庭の方々に、日々の電気やガスの使用量やクルマの燃費について意識を持っていただき、家電の使い方、ライフスタイルの変化を促すことで、CO2排出量を削減し、家庭からの地球温暖化防止に貢献していこうというものです。
電気料金表やガスの料金表から自分の生活が数値化され、エネルギー量がわかります。それが日々の光熱費に換算されるので、省エネしたぶんどれだけ家計が浮くのかが一目瞭然! 家計を預かる方にはうれしいアドバイスをたくさんできます。例えば家電の買い替えでは光熱費がどれだけお得になるのかもわかります。エネルギー効率が高いものと、廉価な普及版とで、ランニングコストにどのくらいの差があって何年後にモトが取れるのかも、詳しくお伝えできます。
うちエコ診断、受験の裏話
うちエコ診断を受験するにあたり、テキストが配られるのですが、実はこちらはソフトの使用マニュアルのようなもので、実際の受験の参考にはあまりなりませんでした。
試験に出題されたのは、建築の省エネと、環境問題の基礎知識です。建築的な問題に関しては、私にとって答えるのはラクで、例えば次世代省エネ基準や家電のトップランナー制度など、すらすら答えることができました。
逆に、環境問題については、京都議定書の内容やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)、歴史的に重要な会議でどんなことが決まったのか……などで、ここが私的には難題でした。
うちエコ診断士の受験は建築士が受けるものだと思っていたら、家電メーカーやクルマの営業など、他業種の方が受けていたのにも驚きました。ともかく、合格できてよかったです。
大丸建設では「うちエコ診断士」の資格を保持しています
昨年の夏、大丸建設では私と常務が環境省の認定資格「うちエコ診断士」の資格試験を受け、二人とも合格しました。家庭エコ診断とは、各家庭のライフスタイルに合わせ、省エネ、省CO2対策を提案するサービスで、資格を保持した診断士が適切にアドバイスをおこなうものです。
住まいの省エネを広める建築家・野池政宏氏の学校に通っていたこともあり、私も常務も省エネの意識と知識が高まってきたので、資格創設の話を聞き、さっそく受験しました。
これからの時代、住まいの省エネは必要不可欠で、工務店側は正しい知識や対策を知っていなければ、お客様にきちんとした説明もできません。大丸建設は省エネのプロとして、お客様と一緒に地球温暖化防止に励んでいきたいと思います。