(4) 杉は多孔質で調湿性が高い

大丸建設では、新築の家では無垢の杉材を床板として使うことが多いです。無垢の杉はやわらかく、肌ざわりがよくて、温かみがあります。それは単に自然素材だからというだけでなく、杉の持つ特性にあります。

木材は微細な細胞からなる自然素材ですが、杉はその中でも特に微細な「孔(穴)」が多くある「多孔質」な特徴を持っています。周囲の湿度が高い時には、この「孔」が水分を吸って、逆に周囲が乾燥している時には杉自身が蓄えた水分を吐き出します。まるで呼吸しているようですね。

室内に一部でも無垢の杉があると、調湿性能が働き、心地よく過ごすことができます。木材の持つやわらかな雰囲気、香りが、癒しをもたらしてくれます。床がベストですが、腰壁や、木工教室でつくったベンチなどでも、その効果を感じることができるはずですよ。

 

(3) 玄関、靴を整えることの大切さ。

少林寺では、作務(掃除)の前に、もっと大切なことがあります。

道場の履物を整理する「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」という教えです。

これは、単に履物を整える、道場の入り口をきれいにする、礼節のためだけのものではありません。足元を整えるということは、自分の足元を見ることにつながり、さらには自分自身を見つめることにもなる、という深い教えです。

玄関とは、家族が外から帰ってきて最初に足を踏み入れる場でもあります。玄関がどういう姿であるかは、その家の暮らしやあり方そのものとも言えそうです。靴を揃える、玄関を整えることが、自分自身、家族自身を照らすことにもなるという、少林寺の教えを、ぜひこの機会に皆さんの暮らしにも取り入れてみてください。

(2) 家族みんなで掃除をするのが大切!

私は幼い頃から少林寺拳法をしており、気づけばもう40年のキャリアになります。仕事も、家事(作務)も、考え方の基本に少林寺の教えがあるように思います。

少林寺では、型を習うより先に「作務」=「掃除」があります。道場では、修行の前に必ず掃除をするのですが、それはみんなが気持ちよく練習できる場を整えるためです。ポイントは、先輩も後輩もなく「みんなで」やることです。

家時間のために、掃除をするのは家族の誰か一人、ということにはせず、みんなで掃除をすれば、その後、家族みんなが気持ちよく過ごせますよね。掃除は「みんなで」を合言葉に、楽しんでやってみましょう。

(1) 家時間が増えたからこそ、住まいを快適にしよう。

新型コロナウィルスの感染拡大により、休校や外出自粛、在宅ワークにより、家で過ごす時間が多くなった方が多いと思います。家にいると、室内空間をより快適にしたいという思いを持つ方も増えているようです。家の片付けをしたり、模様替えや、時間があるからこその庭仕事、DIYを始めました、という声もよく聞きます。

大丸建設は、自然素材や無垢材を使った家づくりをおこなっています。大丸建設ならではの、自然素材との付き合い方、住まいのお手入れ方法について、お伝えしていきます。

 

現場監督がスケジュールを管理する

大丸建設が手掛ける新築住宅の場合、スムーズに進めば竣工まで半年くらいのスケジュールとなります。お客様の入居希望日もあるので、竣工までの期間がずれないよう、現場監督がしっかりとスケジュールを組む必要があります。大丸建設は専属の大工さんを抱えているので、大工さんの手に空きが出ないように現場での仕事内容を調整したり、電気工事や配管工事などの業者さんがスムーズに現場に入り、大工さんの手を余らせないようにしなければなりません。

設計と現場監理、両方を一人あるいは二人でおこなう小さな工務店もありますが、大丸建設のように複数の現場を同時並行で回していく場合には、設計・営業が1〜2名、現場監督は2人は必要です。大丸建設では、雨宮と山崎が担当しています。

左端が山崎、右から2番目が雨宮です。

 

大丸建設は設計事務所でもある。

工務店はさまざまな職人を束ねるコーディネーターである、と話しましたが、大丸建設はその元となる設計図面をつくる、設計事務所でもあります。社長の安田昭と私は一級建築士ですし、メインで図面を引くのはインテリアコーディネーターで二級建築士である田上純子です。お客様の「こんな家をつくりたい」という希望を設計図面におこし、形にするのが「設計士」の役目です。

ちなみに、設計の仕事をメインにしているのが「建築家」の方々で、一流の建築家のデザインする住まいはとても素敵です。大丸建設では、建築家の設計した家の「施工」を担当するケースもあります。

大丸建設は工務店として、設計から施工まで一貫して手掛けるケースと、施工をメインで請け負うケースの2パターンあります。

 

工務店とは、コーディネーターである。

工務店って、大工さんなんですか?

工務店って、設計士なんですか?

時にはイエスで、時にはノーです。工務店によって異なります。

大丸建設は、もともとは宮大工の出身だったので、明治時代に活躍した初代と二代目は大工でした。大工は、木を刻み、組み立て、家の内装をつくるのが仕事です。ほかに、左官(壁を塗る)職人だったり、建具の職人がいて、家は完成しました。昔は家づくりはシンプルでした。

3代目が工務店を興しました。戦後以降の住宅建築は、大工、左官職人、建具職人、電気工事業者、水道業者、基礎工事業者、配管業者、外構事業者など、さまざまな職人の力を合わせてつくります。工務店は、その事業者をコーディネートする役割なのです。

新入社員の疑問ブログがスタートしました。

昨年秋にパートタイムで入社したスタッフ・Kさん。大丸建設の本社の近所に住み、看板に貼った募集を見て応募してくれました。地元に根差した方で、イーゼルに描く絵が上手で、広報で活躍してもらおうと思っています。

 

Kさんは建築については予備知識なく、彼女の疑問が普通の人の感覚に近いので、Kさんが建築のことを知り理解していくプロセスが、まさにお客様にお伝えすることに近いのだなと思います。工務店って何をする会社なんだろう? 長年この仕事をしていると当たり前のことが、初めてその世界にふれる人にはわからなかったりします。Kさんの疑問をていねいにときほぐすことで、お客様にも「工務店ってなんだろう?」「家づくりってどんなプロセスで進むのか?」がわかりやすく伝わるようになるのかなと思います。

URA建築家のアドバイスをいただきました。

4月上旬に、大丸建設のスタッフと、建築家の伊藤誠康さんを交えて、Skypeでオンライン会議をおこないました。私たちの方では、無垢材の床、珪藻土の壁とシンプルにまとめたアイデアに対して、伊藤さんからは「大丸さんがどんなテイストが好きなのか、何を目指しているのかが伝わる内装を、意図的に演出していくといいのでは」とアドバイスをいただきました。

 

5月から実際に動けるように、スタッフ内でアイデアを出し合い、打ち合わせ用のテーブルや椅子はどのようなものを置くか、棚には何を飾るか、お客様がどんな風に過ごすのかなどを具体的にイメージして、ラフスケッチを描いて、伊藤さんのアドバイスを受けながら、最終的に形にしていきたいと思います。