ヒートショック最前線_8 高断熱の家は健康面でのメリットも

高気密・高断熱の家は、ヒートショックを防ぐだけでなく、冷えや結露による健康被害も防げるのが大きなメリットです。

結露が起こる原因は、室内の暖かい空気と外の冷えた空気の気温差によって飽和水蒸気量を超え、余分な水蒸気が水に変わります。これが窓や壁を濡らすことで、室内にカビやダニなどのアレルギーを引き起こす原因を発生させます。高断熱の家では結露が少ないため、アレルギーや喘息のリスクを減らすことができます。小さなお子さんがいる家庭や、アレルゲンをお持ちの方は、特に注意したいポイントです。

また、冷えは万病の元と言います。寒さによる血圧の急上昇は、ヒートショック以外にも、高血圧や脳卒中のリスクを高めます。高断熱の家なら、血圧の変動を少なくし、家族、特に高齢者の健康を守ることができます。

断熱性の高い家は、ヒートショックを防ぐだけでなく、光熱費の削減や家族の健康維持にもつながります。特に戸建て住宅の場合は、マンションに比べると寒さへの対応は十分にしておくべきで、しっかりとした断熱対策をすることで、健康的に快適な暮らしが実現できます。

ヒートショック最前線_7 高断熱の家は冷暖房コストが低い

高断熱の家は、ヒートショックを防ぐだけでなく、ほかにも多くのメリットがあります。具体的にみていきましょう。

まずは、光熱費の削減が挙げられます。高断熱の家では、暖房の効率が上がり、少ないエネルギーで家全体を暖めることができます。そのため、冬場の光熱費を大幅に削減することができます。例えば、一般的な住宅と高断熱住宅を比較すると、暖房の使用量が30〜50%程度削減できるケースもあります。つまり、毎月の電気代・ガス代を節約できるのです。

続いて、一年中快適な室内環境で、快適に過ごすことができるという点も大きなメリットです。冬は暖かく、夏は涼しいのが高断熱住宅の特徴です。夏場も外の暑さを家の中に入れにくいため、エアコンの効率がよくなり、涼しく過ごすことができます。夏場は家の外の植栽や庇(ひさし)の力も借りて影をつくり、直射日光が入らない工夫をすることで、より冷房効率を高めることが可能です。

逆に、冬は陽の光を取り込んで室内を温め、その熱を高断熱の窓から逃さないようにすることで、室内の温度を温かくキープすることができます。トイレやお風呂場、脱衣所などの寒暖差も少なくなるので、補助暖房も必要に応じてつければよく、無駄な暖房コストを削減することができます。

 

ヒートショック最前線_6 高断熱の家がヒートショックを防ぐ

日本の住まいは欧米に比べて断熱性能において遅れをとっていましたが、近年、ヒートショックが社会問題になり、「高気密・高断熱」の住まいづくりへの関心が高まっています。

高断熱の家は、外気の影響を受けにくく、家全体の温度が均一になりやすいという特徴があります。

具体的には、壁や床、天井に高性能の断熱材を使うことで、冬でも室内の温度を一定に保つことができます。また、窓を高断熱仕様にする(Low-Eガラスなどを採用)ことで、窓から熱が逃げるのを防ぎ、室内の温度を安定させます。

最近では、「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)」のように、高断熱・高気密に加えて太陽光発電設備や蓄電池を搭載するなど、エネルギー効率の良い家が注目されています。ZEH住宅なら、光熱費をほぼゼロにおさえながらヒートショックのリスクも減らすことができ、一石二鳥どころか多大なメリットがあります。

最近、大丸建設が松本直子さんの設計によって手掛けさせていただいた住宅では、断熱性能を高め、エアコン1台で住まい全体の冷暖房を賄えるようにしました。家全体を均一に暖めることで、脱衣所やトイレなどの温度差をなくすことができ、家族が快適に過ごすことができます。近々ホームページでも事例紹介をする予定ですので、お楽しみに。

ヒートショック最前線_5 日本の家はなぜ寒い?

日本の住宅は、欧米に比べて断熱性能が低く、ヒートショックを起こしやすいと言われています。歴史的な背景があり、現在、急ピッチで断熱性の向上のための政策が進んでいます。大丸建設のお客さまの断熱に対する意識も大きく変化していると感じます。

そもそも、日本の家はなぜ寒いのでしょうか?

日本の家は、もともと「夏を快適に過ごす」ことを重視した設計が多く採用されてきました。吉田兼好が『徒然草』で「住まいは夏を旨とすべし」と書いたように、日本の高温多湿な気候に合わせて、風通しを良くするために断熱をあまり考慮しない造りが一般的だったのです。昔の家は、畳や障子などを活用して調湿性を高める一方で、冬の寒さへの対策はあまりされていませんでした。

その後、戦後の高度経済成長期には、大量の住宅を迅速に供給する必要がありました。その結果、住宅の断熱性よりも、コストを抑えて早く建てることが優先されるようになりました。その流れが長く続いたため、日本の住宅は欧米と比べて断熱性能が低いものが多いのです。日本では本格的な断熱基準が設けられたのは1999年(平成11年)で、それ以前の家には十分な断熱が施されていないことが多いのです。さらに、現在の断熱基準も欧米と比べると緩く、世界の住宅と比較して日本の家が寒く、断熱性が低いと言われるゆえんです。

 

 

ヒートショック最前線_4 ヒートショックを防ぐためにできること

ヒートショックを防ぐためには、できるだけ家の中の温度差を小さくすることが重要です。以下のポイントを意識すると、リスクを大幅に減らすことができます。

①脱衣所やトイレに暖房を設置する:
脱衣所が寒いと血圧が急上昇するため、ヒーターなどで適度に暖めておくのが効果的です。

②お風呂の温度は適度にする(38~40℃が理想):
熱すぎるお湯は血圧の急激な変動を引き起こすため、ぬるめのお湯でゆっくり入るのが安全です。

③浴室を温めてから入る:
シャワーを数分間流して浴室内を温めると、温度差を少なくできます。

④家全体の断熱性を高める:
根本的な解決策として、住宅の断熱性能を向上させ、家全体の温度差をなくすことが重要です。高断熱の家では、暖房が効率よく働き、浴室やトイレなどの温度差を少なくすることができます。

 

ヒートショックを防ぐには、一時的な対策だけでは根本的な解決にはなりません。家そのものの断熱性を高めることで、室温のバリアフリー化を実現し、家族全員が安全に暮らせる環境をつくることができます。

 

ヒートショック最前線_3 ヒートショックが起こる仕組み

ヒートショックは高齢者だけでなく若い世代にも起こるリスクがあります。では、そもそもヒートショックはどのようにして発生するのでしょうか?

ヒートショックが起こる主な原因は、寒暖差による血圧の急激な変動です。人の体は、外の気温に適応するために自律神経が働き、血管の収縮や拡張をコントロールしています。しかし、急な温度変化があると、体がその変化についていけず、血圧が大きく乱れるのです。

例えば、暖かいリビング(22℃)から、寒い脱衣所(10℃)へ移動し、体が急な冷気にさらされると、血管が縮まり、血圧が一気に上昇します。その後、急に熱いお風呂(42℃)に浸かると、今度は血管が広がり、血圧が急降下します。

この血圧の急激な上下動が、心臓や脳に大きな負担をかけ、失神・心筋梗塞・脳卒中などの深刻な健康被害を引き起こす原因になるのです。

特に注意が必要なのは、冬場の入浴や深夜・早朝のトイレです。

2022年の厚生労働省の調査によると、日本では年間約19,000人が入浴中に急死しており、その多くがヒートショックによるものと考えられています。

また、寒いトイレに行った際に、血圧が急上昇し、心臓や血管に負担がかかるケースもあります。特に夜間や早朝は家の中の温度が下がるため、よりリスクが高まります。

ヒートショック最前線_2 全世代が意識すべきヒートショック対策

ヒートショックは高齢者がかかるもの、「自分はまだ若いし大丈夫」と思う方もいるかもしれません。しかし、ヒートショックのリスクは年齢に関係ないのが実情。現役世代でも、運動不足やストレス、睡眠不足などで血圧が不安定になりやすい人は、特に注意が必要です。また、普段から冷え性の方や低血圧の方も、温度変化に弱いため、影響を受けやすいのです。

さらに、小さな子どもがいる家庭では、お風呂場での事故防止が重要です。温度差による急にのぼせてしまい、ふらついて転倒することもあります。家族全員の健康を守るためにも、住宅の断熱性を高めることがとても大切なのです。

ヒートショックを防ぐためには、室内の温度差をなくすことが最も有効です。高断熱の家では、家全体の温度が均一になりやすく、寒い脱衣所やトイレでも快適に過ごせるようになります。また、暖房の効率が上がるため、光熱費の節約にもつながります。

近年の住宅では、壁や床、窓に高性能の断熱材を使用し、家全体を暖かく保つ技術が発展しています。たとえば、断熱性の高い窓(Low-Eガラス)を採用したり、床下や天井にしっかりと断熱材を入れることで、冷たい空気が家の中に入るのを防ぐことができます。

ヒートショックは、年齢や体調に関係なく誰にでも起こるリスクがあります。だからこそ、「うちの家族には関係ない」と思わず、家の断熱性能を見直すことが大切です。家を建てるときに、快適さと安全性の両方を考えた住まいづくりを意識してみてください。

 

 

ヒートショック最前線_1 ヒートショックは若い人にも起こる!

昨年末、歌手の中山美穂さんが急逝し、その原因の一つとしてヒートショックが疑われています。私自身、若い頃に一世を風靡したアイドルの急逝には驚きましたし、このニュースは、多くの人にとって衝撃的だったのではないでしょうか。ヒートショックは高齢者がかかるもの、というイメージを持っていた方も多いと思います。しかし、実際には若い世代や健康な方でも、ヒートショックを起こすリスクがあるのです。

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、失神や心筋梗塞、脳卒中を引き起こす現象です。たとえば、暖かいリビングから寒い脱衣所に移動し、さらに熱いお風呂に入ると、血圧が大きく上下します。この変化に体がついていけないと、意識を失ったり、最悪の場合は命に関わる事態になることもあります。

ヒートショックは冬に多発するため、気温の低い地域の問題と思われがちですが、実は東京都内でも決して無視できません。特に、多摩地域の戸建て住宅は、冬場は朝晩になると冷え込みますし、マンションに比べると室内の温度差が大きくなりがちです。

 

子育てエコホーム支援事業_8 住宅の価値向上

エコホームにすることで、経済的メリットも大きく、補助金によって初期投資の負担を直接的に軽減できるだけでなく、暮らし始めた後も電気代やガス代などのランニングコストを削減できるため、お財布にも地球にもやさしい選択と言えるでしょう。

省エネ性能や耐震性能、防災性能が向上することで、住宅の市場価値も上がります。将来的に売却を考えた場合でも、高性能な住宅は購入者にとって魅力的な物件となり、売却価格の上昇や売却期間の短縮が期待できます。

何より、環境性能の高い家は、エネルギーコストを下げるため、CO2の排出量を減らし、環境と調和した住宅と言えます。カーボンニュートラルの実現に貢献することができまるので、長期的には地球環境を守ることにつながります。

暮らし自体がエコになることは、カーボンニュートラルの具体的アクションとして大きな意義があります​。

大丸建設は子育てエコホーム支援事業の登録事業者です。子育て世帯、または若者世帯に該当する方は、建設内容次第で本事業を活用できます。ぜひご相談ください。

 

子育てエコホーム支援事業_7 たくさんのメリットがある

子育てエコホーム支援事業の補助金を活用することで、経済的負担の軽減、省エネ性能の向上、快適な住環境の実現、環境への貢献、住宅の価値向上、安全性の向上など、さまざまなメリットを享受することができます。これらのメリットを最大限に活用し、家族の未来を見据えたエコで快適な住まいを手に入れることで、暮らしの質が向上するのではないでしょうか。

子育て世帯が良質な住宅を手に入れることの意義は、快適性や省エネ性を長期間にわたって享受できることです。住まいの省エネ性能や快適性が高まると、家族全員がより健康で快適に過ごせるようになります。特に子育て世帯にとっては、子どもたちが健康的な環境で成長できることは大きなメリットです。

 

また、防犯性能が高いことは、子どもを育てるうえで重要なポイントであり、安心して暮らすことができます。地震や台風などの災害や、家事などの事故のリスクも低減できます。