大丸建設が考えるこれからの家づくり

いかに時代や社会に変化が訪れようとも、大丸建設が大切にしているのは、「お客様の希望を形にしていく」というスタイルです。

私たちは、時代にかかわらず、大工や職人の手仕事によって、構造的に安心で安全な住まいを提供することには変わりはありません。

それにプラスして、時代背景や社会情勢を反映させ、住まいのあり方が時代に追いついていけているか、適切にそのアドバイスをできるようにしたいと考えます。

社長がメインで動いていた時代は、住まいの間取りにはある一定の型がありました。玄関を開けると、正面に廊下があり、サイドに応接室があり、階段があって……というのが普通でした。今は玄関からすぐがリビングで、リビングに階段があるという、昔では考えられない間取りが普通になってきています。

時代によって常識は変化します。以前は、お客様が描いた間取りを図面におこして形にしていくのが私たちのメインの仕事でしたが、今は構造や断熱材、サッシ、素材など、細かいニーズを多く寄せられます。それら一つひとつに対して誠実に対応し、ご要望に答えられるよう、私たち自身のますますの研鑽が求められていると感じます。

[写真:大丸建設HPの事例紹介より「登れる大黒柱のある家

ますます変化していくライフスタイル

新型コロナウイルスの感染拡大により、住まいの素材や性能だけでなく、住まい方への関心も大きく高まっているように感じます。

例えば、在宅ワークの増加により、居宅内のワークスペースを充実させたいというニーズも増えています。大丸建設のSNSでOBのお客様のワークスペースを掲載したところ、反響が大きかったです。

また、コロナ前ではありましたが、「お子さんの帰宅時に玄関で手を洗えるようにしたい」というお客様のニーズから、玄関に水場をつくった家もありました。こうしたご要望は、コロナ時代にますます増えるのではないかと思います。

家への関心が高まった今だからこそ、私たちはより快適で、のびやかに暮らせるような住まいを提案していきます。新築だけでなく、リノベーションや、部分リフォームでも快適性や居住性が増すので、ぜひお気軽にご相談ください。

コストと性能トータルバランスで提案

先に書いているように、お客様自身の家づくりに関する情報量は増えています。特に、サッシや断熱材といった、一つの製品や機能について、ピンポイントで徹底的に調べられるので、お客様の情報量はすごく、私たちも舌を巻くほどです。

一方で、家づくりはコストと性能の「全体」で考えなければなりません。最高ランクの窓ガラスやサッシを家の全てに採用してコストが大幅にオーバー、ということもあり得ます。

その場合、たとえば1日のうちの長い時間を過ごすリビングの断熱性能を確保するのか、あるいは寒暖差の激しい洗面所まわりの断熱性を高めてヒートショックを予防するのかなど、お客様の最も重視するポイントを見極めて、決められた予算内におさまるようなご提案をすることもあります。

お客様の個別部材に対する情報量や知識が高まっているからこそ、私たちは家全体のトータルバランスをより意識して、最適な形での住まいと暮らしを提案していこうと思います。

モデルハウスは高断熱窓がよくみられます

断熱材だけでなく、窓ガラスやサッシの断熱性向上を求める機運も高まっています。

この2、3年で大丸建設が手がけた新築住宅のお客様は、樹脂製の断熱性能の高いサッシを自ら所望されるケースがありました。

ハウスメーカーでもサッシの断熱性能を高めることを標準化するようになり、場合によってはトリプルガラス(3枚ガラス)を採用し、窓もサッシも最高ランクを打ち出すことがハウスメーカーのブランド力になるという現象も起きています。つまり、現代においては、断熱性能を高める対応が、ハウスメーカーの「当たり前」になりつつあります。

大丸建設のような地域工務店のお客様でも、一度はハウスメーカーの展示場に足を運び、最新のサッシの断熱性能の特徴を学んで、ご要望を出されるケースも増えてきています。

[資料:YKKのホームページより]

断熱についての意識の変化

私が大丸建設に入った20年以上前を振り返ると、お客様が自分自身で断熱材の性能やメーカーを調べる、ということは考えにくかったです。

インターネットの普及が大きいとは思いますが、一方でこの20年で夏が非常に暑くなり、冬のヒートショックへの懸念も理解され、断熱に対する意識が大きく変化しているように思います。

テレビのCMでも「断熱」というキーワードが当たり前に出てくるようになり、住宅エコポイントなどの制度の後押しもあって、家の断熱性能を向上させることで、夏涼しく、冬温かい家をつくることができるという意識が一般に浸透してきたようです。

外気温が変化しても、家の中では温度が一定というのが、今の時代の当たり前になりつつある。その「現代の常識」を、性能やデータでわかりやすくお客様に伝えていく姿勢が、私たち地域工務店に求められています。

お客様の学びの姿勢に変化

私が大丸建設に入って、学生時代のアルバイトから数えるとすでに25年が経とうとしていますが、その間、お客様の変化を大きく感じます。

家づくりについて非常に深く学んでこられる方が多く、知識や情報の量がものすごく増えています。

特に、耐震性や構造に関する関心の高さは、お客様のどなたにも通じるもので、地震のリスクに対する安全性の担保についてクリアしているのが前提で、さらに上の住まいの快適性向上についての話が進みます。

近年は、住まいの断熱性能に対する関心が特に高く、お客様自身が断熱材について調べてきたり、窓やサッシのレベルやランクについて直接メーカーに問い合わせて商品を指定するなど、こだわりを強く持って住まいに反映しようという姿勢を感じます。

素材のトレーサビリティへのこだわり

大丸建設で使っている構造材(柱・梁など)は、すべて産地直送で、林業とのつながりを大切にしています。

主要産地は和歌山県の山長商店や宮城県の栗駒山麓などで、主要材である構造材は、基本的には私自身が現地に行き製材所を見てきて、性能や材質などを確認して安心して使えるものを取り寄せています。

木だけではなく左官(塗り壁材)の材料も安全なものに限定し、シックハウスの原因となるような有害化学物質が入っていないものを使っています。

 

こうした自然素材を大切にする姿勢は、2003年に「チルチンびと『地域主義工務店』の会」に入会したことがきっかけです。当時は相当な時間をかけて自然素材のトレーサビリティ(原材料や製造や流通を含めた履歴)を追求し、志を同じくする工務店仲間と独自の基準をつくっていったことが大きいです。

「チルチン仕様の家づくり」というのは今でも大丸建設の家づくりの根本で、それが人にもやさしくて、地球にもやさしい家づくりなのです。

[写真提供:山長商店]

 

2021年、新年あけましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

2020年は、新型コロナウイルスの世界的な流行により、人々の往来や会食の自粛が求められ、経済活動も停滞するなど、大きな変化にさらされた1年でした。

一方で、自宅で過ごす人が増え、いかに住まいを快適に心地よく過ごすかに目を向けた方も多かったのではないでしょうか。

大丸建設の近年のお客様を見ていると、素材のよさを求めるのはもちろんのこと、断熱や省エネといった住まいの性能面への関心も高く、住まいのリテラシーが高まっているのを感じています。

私たちはこれからも、断熱、省エネ、耐震、自然素材や匠の技術といった専門性を生かし、お客様の要望に対して誠実にお答えできるよう、時代時代にあった最新情報や技術を磨いていくよう、心がけます。