(3) お見積書の概要に示されているのが工事の内容

工務店の「お見積書」に書かれていることは、その工事にかかる「金額」だけではなく、実は工事の工程そのもの、ともいえます。大丸建設の場合、新築工事のお見積書の概要には、次の順番で書かれています。

・仮設工事

・基礎工事

・木工事

・屋根・板金工事

・断熱工事

・防蟻工事

・塗装工事

・外壁サイディング工事

・内装工事

・鋼製建具工事

・木製建具工事

・住宅設備機器

・給排水設備工事

・ガス工事

・電気設備工事

・冷暖房設備工事

・外溝工事

・諸経費

 

おおまかには、お見積書の概要内訳に書かれている順番が、工事の順番であり、一つひとつのプロセスにそれぞれ材料があり、運搬や廃棄があり、職人さんの工数がかかり……という流れになっているわけです。

 

 

(2)「お見積書」にすべての情報がのっている!

家を建てる時に、お施主さんが最も真剣に見る書類が2種類あります。一つは設計図です。どの部屋がどんな大きさで、窓の位置や高さ、電球の位置や配線図などが部屋ごとに、事細かに記されています。

もう一つが「お見積書」ではないでしょうか。お見積書は、家を建てる時にかかるお金をまとめたもので、総額、概要内訳、項目ごとの明細内訳、さらに細かな個別明細内訳が一式でまとまり、お渡しする時にはそれなりに分厚い書類になります。

ここに、どんな材料がいくらかかり、面積や使用個数を掛け算します。また、人工といって、どの職人さんが何日働くのかの計算も必要です。パネルなどの梱包材を廃棄する処分費もかかりますし、大きな材木を運ぶトラックの運搬費や、駐車場が足りない時には駐車場代も必要です。それから、消費税もかかります。

これらをすべて足し合わせたものが「お見積もり書」となります。新築の場合、床面積や使用する材料、工期によってお見積もりは大きく変わりますが、2500万円〜4000万円という大きなお金が動くので、契約時、上棟時、中間時、竣工時など、だいたい4回にわけてお支払いいただくことが多いです。

 

 

(1) 工務店に家づくりを頼む時の「お金」の話

今年前半のブログでは、住宅業界を揺るがす「ウッドショック」についてお伝えしました。大丸建設のような家族経営の小さな工務店は、住宅業界の末端にあるため、市場の影響を大きく受ける部分と、小さいからこそ産地やお客様と直接つながることでの「信頼関係」があり揺るがない部分と、両方あることを痛感しました。

いずれにしても、お客様の「家を建てる」ということは、その後のアフターメンテナンスも含めて、一生涯のお付き合いになるということ。そのため、会社をつぶさないことが、私にとって何より大切なのです。経営が健全にまわっていかずに廃業や倒産という憂き目にあえば、社員も、大工さんも、職人さんも仕事を失い、誠実で真面目な「木の家」をつくる技術も人も途絶えてしまいます。

木の家は、建った後も生きています。木は呼吸し、空気を調湿し、時に歪みや割れが発生した時には、その家のことをよく知る職人や技術者が適切に対処していきます。お客様の家のことを、お客様と同じくらいよく知る私たち工務店は、かかりつけ医のように、家の不調や不具合を整えていく「ハウスドクター」なのです。

お客様の家に対して責任のある、私たちのような地域工務店が次の世代まで残っていくためには、健全な経営が大切です。今月から10月にかけて、地域工務店にまつわる「お金の話」をしていきます。

 

家づくりをとことん楽しんでください!

今、世界は新型コロナウイルスに揺れ、先の見通せない時代のなかで、「家づくり」という、人生で最も大きな投資をしていくことには、不安もあると思います。しかし、ステイホームで家にいる時間が長くなり、暮らしを見つめ直す機会も増えたのではないでしょうか。住まいを整える、使い勝手をよくする、新しくすることで、フレッシュな気持ちになり、生きることが楽しくなるのは、これまで私たちが家づくりを手がけてきたお客様をみていても実感します。ぜひ、こんな時代だからこそ、「住まいをよくする」ことにチャレンジしていただけたらと思います。

そして、大丸建設はお客様の夢や希望に寄り添う、最高の相談相手でありたいと思っています。お客様の夢を形にするのが私たちです。それには予算やスケジュールの壁が立ちはだかりますが、豊富な現場経験から、最適な提案をできるようにしていきます。

そして、お客様の夢や希望を現場で形にする大工さんや職人さんに確実に伝えて、お互いに気持ちよく、楽しく家づくりをしていきたいと思います。建築プロセスがいい住まいは、住んだ後も最高に気持ちがよいはずです。ぜひ、私たちと楽しい家づくりをしてみませんか。お問合せをお待ちしています!

 

ウィズコロナ時代の現場見学会。

ここ数年、建築家とコラボした新築住宅をはじめ、自社設計の新築住宅、それから大規模なリノベーションなど、現場が忙しく回っている大丸建設。現場見学会は新規のお客様や、検討中のお客様との大切な接点です。

しかし、新型コロナウイルスの蔓延により、お客様とリアルでお会いすることがとても難しくなっています。私たちも感染症対策を徹底していますが、そもそも外出や移動、人との交流を避けなければいけない時代において、積極的にお客様をお招きすることもできなくなり、これまで実施していた「だいまるけんせつオープンカフェ」やDIY講座なども2020年以降完全にストップしています。

現場見学会だけは、その機を逃すと実施できなくなるので、なんとしても開催しようと、完全予約制、人数制限のうえ、消毒や検温、換気を徹底して実施しています。基本的に私はその現場にいるようにして、責任を持ってお客様をお迎えしますので、どうか安心してお越しください。基本的に同時間帯にお迎えするのは1組ずつとし、他のお客様とは重ならないようにいたします。

 

 

<近日に行う予定の見学会情報>

大型リフォーム現場見学会 (府中市)】

◎ 6/19(土)、7/10(土)→ 10時~15時(要予約)

※ホームページのブログやFacebookを随時更新していますので、こちらもぜひご覧くださいませ。

建築家とのコラボレーション。

2018年に、チルチンびと地域主義建築家連合(URA)とのコラボレーション事業「だいまるけんせつオープンカフェ」を行いました。URAに属する首都圏の建築家の方々を大丸建設にお招きし、住まいの相談会を開催するなかで、ご招待した建築家と私たちもたくさん話すことができ、お互いを知る中で、お仕事をご一緒する機会にも恵まれました。

木下治人さんの設計した住宅を大丸建設で施工し、それが『チルチンびと』に掲載されて反響をいただいています。最近では、松本直子さんの設計する住宅の施工を私たち大丸建設で手がけています。伊藤誠康さんにもたいへんお世話になっています。建築家の着眼点や設計手法、デザインへのこだわりを知るなかで、私たちの現場や働き方にも大いに参考になっています。

大丸建設はそれまで自社設計が中心でしたが、ここ数年で建築家とのコラボが増えてきたことで、得意とする施工に集中することができています。これからも積極的に建築家とのコラボレーションを進めていきたいと思います。

 

[写真:2020年 大丸建設にて、オープンカフェの様子]

少数精鋭の時代に思うこと。

私が会社に入って20年以上が経ちますが、今、社員の体制は最もコンパクトではないかと思います。以前は、前社長、私に加えて、現場監督が2名、設計・営業が2名と、事務方もいて、会社の規模に比して大所帯だったように思います。

少子高齢化、人口減少の時代において、新築住宅の着工棟数は右肩下がりになり、大丸建設も数年前は、新築の着工棟数が大きく減っていた時期もありました。最近は、広報の強化や建築家とのコラボレーションが実を結び、お問い合わせが止まらない嬉しい悲鳴をあげています。

会長には引き続き、社員を温かく見守りサポートしてもらう役割を期待していますが、実質的に現場は私、雨宮、山崎の3人でまわしていく形になります。少数精鋭ですが、スキルが高く経験豊富な3人なので、お互いの強みを生かし、苦手を補いながら、助け合って仕事を進めていこうと思います。

少数精鋭でいい仕事をきっちり回していく。今、ようやく大丸建設として理想の形で仕事ができているように思います。

 

社員の自発性を大切にしたい。

私が専務の時代から、常々言っていたこととして、社員には「自分で考え、自分で学び、自分で提案する、そんな自主性を大切にしてほしい」ということです。

例えば、一級建築士の資格を取得したければ、大いに学んでほしいと思っています。今は、建築士だけでなく、省エネや福祉環境など、建築に関わる資格はたくさんあります。それらを学び、資格を取得する過程において学んだことは、すぐに現場に生かすことができます。

私自身は、匠の会やチルチンびと「地域主義工務店」の会に入会し、そこで学び交流することで、同じ志をもったたくさんの工務店仲間ができました。こうした機会にも積極的に出かけてほしいと思っています。

企画やパートでも、学べることはたくさんあります。写真研修、SNS研修、さまざまな学びの機会にあふれており、自らの提案でそれらを学ぶことは、私は大歓迎です。大丸建設の理念を広く発信していくことも大切な仕事で、直接的に建築に関わること以外でも、積極的に学んでほしいと思っています。

 

スタッフとのコミュニケーションを綿密に。

この4月に、会社にホワイトボードを導入しました。私と、現場監督の雨宮、山崎が、現場の状況を共有するためのものです。個人で仕事を抱えずにみんなで情報を共有する、という環境を整えるために、まずは「情報の見える化」に取り組みました。

今はスマートフォンなどで便利に情報交換ができる時代。ウィズコロナの時代にあって、ますますオンラインでの交流が進んでいます。会社も出社せずにリモートで仕事を済ませられる時代になりました。しかし、工務店稼業は現場に出てこそで、大工さんや職人さんがどのように材をおさめたのか、サイズの取り合いをどう調整しているのか、現場で起こっていることの一つひとつを、細かく、的確に判断していかなければなりません。例えばメッセンジャーツールに送られてきた写真などで状況を把握することもできますが、やはり社員と顔をみて話すのが一番の情報共有だと感じています。

ホワイトボードはアナログな情報伝達手法ですが、「会社で」やりとりをできる、というのがいいなと思っています。

 

大丸建設、社員の今。

大丸建設は現在、社長である私・安田佳正を中心に、現場監督の雨宮和幸、同じく現場監督と営業でもある山崎力の3人が主力となって動いています。5代目の安田昭は、代表取締役会長としてこれからも社員の精神的支柱でいてくれることと期待しています。社長の座を交代して、少しホッとしたのでしょうか、これまでもやさしい人ではありましたが、まるで好々爺のように、ニコニコと穏やかに働いています。

昨年まで、大丸建設の設計・営業として長年勤めてくれていた田上純子は、定年を越えても住まいづくりの第一線で活躍してくれましたが、今年、円満に退社し、今は余生をゆったり楽しんでいるようです。田上のさわやかで温かい接客を、これから男3人で引き継いでいくことになるので、お客さまにホッとしていただけるよう、誠意をもって務めてまいります。

経理の高野、パートの川上と、遠隔で活躍してくれている坂本の3人の女性パートスタッフも含めて、大丸建設は変わりなくアットホームな会社でありたいと思います。

 

[写真:2020年1月のブログより。

左から山崎、社長(安田佳正)、会長(安田昭)、雨宮、田上]