外装メンテナンスの重要性

私が7-8月のブログで再三申し上げていた、外装メンテナンスの重要性を、台風15号の影響で再確認しました。台風15号は、千葉県や神奈川県の一部に大きな被害をもたらしましたが、進路が少しずれていたら、どこで同じようなことが起こっても不思議ではありません。我がこととして考え、そこから何を学び、どのような対策をしておくべきか、検討する必要があります。

特に、戸建て住宅で、築年数の古い家については、台風15号レベルの大型台風が直撃した場合、それなりの影響があることが考えられます。特に屋根については、金属板がめくれたり、瓦が飛んだりする可能性があるので、早めの対策が必要です。

屋根の損壊の影響とは

ちょうどこの夏のブログで、外装メンテナンスについて語っていました。外装は主に屋根、外壁を指しますが、台風では外装に大きな影響があることが、今回の実体験として大きな教訓になったのではないかと思います。

屋根瓦が飛んでしまったり、スレート屋根がめくれてしまうと、風雨から家財を守ることができなくなります。雨漏りがひどいと、暮らしが成り立たなくなります。家が傷み、湿気やカビなどで環境が悪化し、家財道具も水濡れしてしまうので、早急な修理が必要ですが、現状ではその手がまわらないようです。いったんはブルーシートで屋根を覆って、土嚢で止めている状態ですが、次の台風が接近すると、二次的な被害の心配があります。被災された方のお気持ちを思うと、心からお見舞いを申し上げるとともに、私自身も建築士として、何をすべきか考えさせられます。

古い家ほど被害が大きい

台風15号の復興支援ボランティアに行った友人によると、損壊した家のほとんどは、古い家だったそうです。屋根瓦が飛び、屋根の一部をブルーシートで覆う家が多く、ほかにも古いスレート(金属製)の屋根が飛んで、構造体がむき出しになっている家もあったそうです。電柱が倒れたり、商店の看板が折れ曲がって窓ガラスに直撃したり、飛散物があちこちに散らばっている家も多かったそうです。木造住宅だけでなく、商店や大型店舗のガラスが割れたり、看板が倒れたり、RC(鉄筋コンクリート)造の建物も鉄骨がむき出しになって壁がはがれるようなケースもあり、その被害の大きさに私も絶句しました。

一方で友人は、「新しい家にはあまり被害がないように見受けられた。瓦屋根の家でも瓦はしっかりと止まっており、窓ガラス自体も強化されているので、割れているケースは少ない」とも言っていました。

房総半島の住宅被害の特徴

台風15号は千葉県南部に上陸し、住宅に甚大な被害をもたらしました。特に、南房総市、館山市、鋸南町の被害が著しく、復興支援ボランティアの受け入れが進んでいます。県南部の被害が激しいため、あまり報道はされていませんが、千葉市や成田市などでも住宅の損壊や停電などで、日常生活に大きな影響を受けた方が多かったそうです。

館山市にボランティアに行った友人の話を聞きました。

「ブルーシートで覆われた家がとても多い。特に屋根瓦の被害が大きくて、瓦が飛んでしまったり、窓や壁が割れたりして、風雨にさられている家が多い。雨漏り防止のためにブルーシートで屋根や壁を覆って、土嚢で止めるしかない状態。屋根瓦を修理できる専門の職人が足りない。家財道具を守るすべのない高齢者が困っている状況。ボランティアの力でなんとか瓦礫の整理や、家財道具の移動などをおこなっているが、追いついていないようだ」とのことです。

2019年、台風被害に思うこと

2019年9月9日未明、関東地方に上陸した台風15号は、首都圏に甚大な被害をもたらしました。特に、千葉県南部の房総半島では、現在も停電が続く地域があるなど、住民の生活に今なお影響が残っています。被災された方には心からお見舞いを申し上げます。

千葉県の被害があまりに大きいので、報道は少ないのですが、神奈川県の南部にもかなり被害があったようです。匠の会の仲間で、鎌倉市の工務店さんは、住宅の修理に大忙しで、悲鳴をあげていました。

首都圏に少なからずの影響を残した台風15号。今後、台風の巨大化や上陸の多さが心配されるなかで、どのように住まいの対策をしていくべきなのか、工務店の視点から考えました。

飛び込み営業の対策

大雨の後は、外装業者の飛び込み営業が増える時期でもあります。屋根がはがれているとか、棟にトラブルがあるとか、外装にクラックが入っているとか……。本当に親切な業者もありますが、悪質な営業もあるので、気をつけなければなりません。

特に屋根については、専門的な知識をもった業者に入ってもらうのがベストです。飛び込みの営業マンを屋根に載せるのはお勧めしません。時には、「屋根のこの部材がはがれていました」と部材を見せて屋根にのって工事を取り付けたものの、実は営業時に見せた部材をそもそも使っていなかった、というケースも。

大丸のOBのお客様で、外装の飛び込み営業が来たら、必ず、大丸建設に相談してください。私たちはお客様の家を建てた時の建築図面を保持しており、使った素材や構造に熟知しています。飛び込み営業が来たらある程度外装が劣化していることの目安にはなりますが、緊急性を要するかどうかの判断は私たちにもできます。ですので、お気軽にご相談いただければ幸いです。

大雨の後にチェックすべきところ

ゲリラ豪雨や大雨が過ぎ去った後は、天井や壁にシミがないか、チェックしてください。雨漏りが起こると、雨水が天井や壁から沁みて、内壁に影響が出てきます。内壁までにシミが出ると、柱や梁、断熱材が濡れて、放置すると腐ってしまう可能性があります。

また、古いサッシ(窓枠)は気密性がよくないので、サッシから風雨が入り込んでしまうことがあります。床や壁が濡れて、そこから床が劣化してささくれたり、塗装がはがれてしまうこともあります。

内装が沁みるほどのトラブルは、外装を見てもわかるくらいです。そうした時に、外装工事業者の飛び込み営業が入ることもあります。

通気層で防水はとれやすくなった

現代は大雨や洪水などの気象災害が激化しています。首都圏など温暖な地域でも、住宅街に水があふれて住民がボートで避難するといった、信じられないような洪水の風景をテレビで見かけることがあります。

昔の家は、「雨は上から下に降る」という想定で家を建てています。そのため、下から水が当たると家に水が入ってしまう構造になっています。しかし、現代の工務店は、「大雨やゲリラ豪雨では、雨が叩きつけて、下から上に巻き込む」というのが常識になっているので、床上浸水などの大規模災害でなければ、家に水が入らないよう、防水をしっかりおこなうように指導されています。

在来工法で言えば、壁や床に通気層をしっかりとっています。通気層は防水にも有利で、もし仮に水が壁に入ってきても、壁の間に二重に防水層が入っているので、そこから水が出て、内壁までに被害が出にくいようになっています。

気象が激化しているので、外装チェックはこまめに。

2000年代に入り、地球温暖化、気候変動の影響が顕著に現れてきています。「50年に一度の大雨」のような激しい気象現象が、毎年どこかで起こっています。雨とは、基本的に上から下に降るものですが、近年は横殴りの雨や、地面に叩きつけて下から跳ね返ってくる、巻き込むような、「下から上」の雨も見られます。

現代の工法では、このような気象の激化に対して、特に防水をしっかりおこなうなど、何かしらの対応策をほどこしています。それでも、「50年に一度」ならず、「100年に一度」レベルの気象災害も起こる時代ですから、大雨の後には水漏れなどをチェックする習慣をつくるとよいでしょう。

外装メンテナンスの費用感

外装メンテナンスは、家の大きさ(外壁の面積)によって大きく変わります。

外壁から屋根までやる場合は、足場をかける費用まで考えると、外壁面積で30〜50坪くらいで想定すると、だいたい150〜250万円くらいではないかと思います。家の大きさによっても、施工業者や施工内容によっても価格は異なります。塗装だけならば2週間くらいが施工期間と考えてよういでしょう。

もともと使っている外装材や屋根材によって、施工のしやすさが変わってきます。施工期間が短いほど、費用も少なくて済みます。屋根が瓦であれば、壊れている一部分だけ直せばいいのですから。初期投資とメンテナンス費用は、ある一定期間までは反比例関係とも言えるのです。