コストと性能トータルバランスで提案

先に書いているように、お客様自身の家づくりに関する情報量は増えています。特に、サッシや断熱材といった、一つの製品や機能について、ピンポイントで徹底的に調べられるので、お客様の情報量はすごく、私たちも舌を巻くほどです。

一方で、家づくりはコストと性能の「全体」で考えなければなりません。最高ランクの窓ガラスやサッシを家の全てに採用してコストが大幅にオーバー、ということもあり得ます。

その場合、たとえば1日のうちの長い時間を過ごすリビングの断熱性能を確保するのか、あるいは寒暖差の激しい洗面所まわりの断熱性を高めてヒートショックを予防するのかなど、お客様の最も重視するポイントを見極めて、決められた予算内におさまるようなご提案をすることもあります。

お客様の個別部材に対する情報量や知識が高まっているからこそ、私たちは家全体のトータルバランスをより意識して、最適な形での住まいと暮らしを提案していこうと思います。

モデルハウスは高断熱窓がよくみられます

断熱材だけでなく、窓ガラスやサッシの断熱性向上を求める機運も高まっています。

この2、3年で大丸建設が手がけた新築住宅のお客様は、樹脂製の断熱性能の高いサッシを自ら所望されるケースがありました。

ハウスメーカーでもサッシの断熱性能を高めることを標準化するようになり、場合によってはトリプルガラス(3枚ガラス)を採用し、窓もサッシも最高ランクを打ち出すことがハウスメーカーのブランド力になるという現象も起きています。つまり、現代においては、断熱性能を高める対応が、ハウスメーカーの「当たり前」になりつつあります。

大丸建設のような地域工務店のお客様でも、一度はハウスメーカーの展示場に足を運び、最新のサッシの断熱性能の特徴を学んで、ご要望を出されるケースも増えてきています。

[資料:YKKのホームページより]

断熱についての意識の変化

私が大丸建設に入った20年以上前を振り返ると、お客様が自分自身で断熱材の性能やメーカーを調べる、ということは考えにくかったです。

インターネットの普及が大きいとは思いますが、一方でこの20年で夏が非常に暑くなり、冬のヒートショックへの懸念も理解され、断熱に対する意識が大きく変化しているように思います。

テレビのCMでも「断熱」というキーワードが当たり前に出てくるようになり、住宅エコポイントなどの制度の後押しもあって、家の断熱性能を向上させることで、夏涼しく、冬温かい家をつくることができるという意識が一般に浸透してきたようです。

外気温が変化しても、家の中では温度が一定というのが、今の時代の当たり前になりつつある。その「現代の常識」を、性能やデータでわかりやすくお客様に伝えていく姿勢が、私たち地域工務店に求められています。

お客様の学びの姿勢に変化

私が大丸建設に入って、学生時代のアルバイトから数えるとすでに25年が経とうとしていますが、その間、お客様の変化を大きく感じます。

家づくりについて非常に深く学んでこられる方が多く、知識や情報の量がものすごく増えています。

特に、耐震性や構造に関する関心の高さは、お客様のどなたにも通じるもので、地震のリスクに対する安全性の担保についてクリアしているのが前提で、さらに上の住まいの快適性向上についての話が進みます。

近年は、住まいの断熱性能に対する関心が特に高く、お客様自身が断熱材について調べてきたり、窓やサッシのレベルやランクについて直接メーカーに問い合わせて商品を指定するなど、こだわりを強く持って住まいに反映しようという姿勢を感じます。

素材のトレーサビリティへのこだわり

大丸建設で使っている構造材(柱・梁など)は、すべて産地直送で、林業とのつながりを大切にしています。

主要産地は和歌山県の山長商店や宮城県の栗駒山麓などで、主要材である構造材は、基本的には私自身が現地に行き製材所を見てきて、性能や材質などを確認して安心して使えるものを取り寄せています。

木だけではなく左官(塗り壁材)の材料も安全なものに限定し、シックハウスの原因となるような有害化学物質が入っていないものを使っています。

 

こうした自然素材を大切にする姿勢は、2003年に「チルチンびと『地域主義工務店』の会」に入会したことがきっかけです。当時は相当な時間をかけて自然素材のトレーサビリティ(原材料や製造や流通を含めた履歴)を追求し、志を同じくする工務店仲間と独自の基準をつくっていったことが大きいです。

「チルチン仕様の家づくり」というのは今でも大丸建設の家づくりの根本で、それが人にもやさしくて、地球にもやさしい家づくりなのです。

[写真提供:山長商店]

 

2021年、新年あけましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

2020年は、新型コロナウイルスの世界的な流行により、人々の往来や会食の自粛が求められ、経済活動も停滞するなど、大きな変化にさらされた1年でした。

一方で、自宅で過ごす人が増え、いかに住まいを快適に心地よく過ごすかに目を向けた方も多かったのではないでしょうか。

大丸建設の近年のお客様を見ていると、素材のよさを求めるのはもちろんのこと、断熱や省エネといった住まいの性能面への関心も高く、住まいのリテラシーが高まっているのを感じています。

私たちはこれからも、断熱、省エネ、耐震、自然素材や匠の技術といった専門性を生かし、お客様の要望に対して誠実にお答えできるよう、時代時代にあった最新情報や技術を磨いていくよう、心がけます。

適材適所を見分ける技術

このように、樹種や、樹木の部位によって、家のどの場所にどのような木材を使うのか、「適材適所」で木を配していく技術が、工務店や職人には求められます。

大丸建設では古くから、「木は、森で立っていたように使うのがいい」と伝えられてきました。材木になってしまうと、木のどちらが上で下なのか見分けがつけにくくなります。根っこの方を元口、天に向かう方を末口というのですが、元口と末口の方向性を確かめるのには、板目や節の流れ方を見るとわかります。板目が矢印のように上を向いているのが末口方面になります。

また、木には「表」と「裏」があります。板状になった時に、白身(辺材)側が木表、赤身(心材)側が木裏です。白太の方が、一般的に板目がまっすぐできれいなので、内装の表面に向くようにします。

 

 

日本で計画的に植林されている針葉樹

日本で植林されているのは針葉樹です。真っ直ぐに伸び、広葉樹に比べて早く大きくなるので、計画的に生産するのに向いています。また、広葉樹よりも軽く、やわらかく、加工しやすいのが特徴です。

スギ、ヒノキ、カラマツ、アカマツなどの針葉樹は、日本で昔から計画的に植林されてきました。特にスギは、針葉樹の中でも軽くやわらかく、素直で加工しやすいので、スギの花粉症が国民病になるくらい、日本中に植えられています。

全国でも有名なスギの産地はいくつもありますが、大丸建設では紀州・和歌山県の山長商店からスギを直送してもらっています。ほかにも、宮城県の栗駒山麓や、埼玉県の西川材、高知県の四万十川流域など、産地と直接のつながりがあります。

 

「適材適所」を知ると、木の住まいはもっと心地よい

今年の夏は暑くなりそうですね。

梅雨が近づき、ここ数日、蒸し暑い日が続いていますが、こんな時こそ、無垢材の心地よさを実感します。

先月は、自然素材や無垢材のお手入れ方法や、経年美化という考え方についてお話ししました。今月は、木の持つ特性・特質について、詳しくお伝えしていきます。

「適材適所」という言葉があります。辞書でひくと、その人の才能や能力に応じて、適した任務や役割を与えること、という意味合いで紹介されます。そもそもは、伝統的な日本建築において、その場所の適性に応じて、木材の使い分けをしていくという、まさに適「材」を適「所」に与える、という意味なのです。

現場監督がスケジュールを管理する

大丸建設が手掛ける新築住宅の場合、スムーズに進めば竣工まで半年くらいのスケジュールとなります。お客様の入居希望日もあるので、竣工までの期間がずれないよう、現場監督がしっかりとスケジュールを組む必要があります。大丸建設は専属の大工さんを抱えているので、大工さんの手に空きが出ないように現場での仕事内容を調整したり、電気工事や配管工事などの業者さんがスムーズに現場に入り、大工さんの手を余らせないようにしなければなりません。

設計と現場監理、両方を一人あるいは二人でおこなう小さな工務店もありますが、大丸建設のように複数の現場を同時並行で回していく場合には、設計・営業が1〜2名、現場監督は2人は必要です。大丸建設では、雨宮と山崎が担当しています。

左端が山崎、右から2番目が雨宮です。