夏の「蚊」対策_4 ビール好きが蚊に刺されやすい理由

蚊が人間を見分けるのは「二酸化炭素」「汗」「体温」です。特に二酸化炭素が遠くまで届くため、蚊が人間を察知する最初の手がかりになります。

ビール好きな人は蚊に刺されやすいと言う定説がありますが、これは決して都市伝説ではありません。ビール自体が炭酸ガスを発生することもありますが、お酒を飲むと体がアルコールを分解しようとして呼吸が速くなり、たくさん二酸化炭素を放出するためです。また、お酒を飲むことで体温が上がって汗をかきやすくなります。蚊が人間を検知する「体温」「汗」「二酸化炭素」が優位に上昇する条件が、お酒(特に炭酸系のビール)を飲む人に当てはまるからです。

運動直後に蚊に刺されやすくなるのも、呼吸や体温、汗といった要素が揃うためです。

ほかにも「O型の人は蚊に刺されやすい」という話があります。こちらも真偽のほどは定かではない話なのですが、統計学的にも医学的にも血液型による刺されやすさの違いはあるようです。血液型によって血液に成分差があることに理由があるようですが、それが「なぜ」なのかははっきりしていないようです。

夏の「蚊」対策_3 なぜ血を吸うの?

蚊の普段の主食は花の蜜などで、糖分を栄養として生きます。メスの蚊が人の血を吸うのは、産卵のため。人間や動物の血液中に含まれるアミノ酸が、元気な卵を産むために必要な栄養素だからです。人間だけではなく動物も刺されるので、実は動物にも虫除け対策をしてあげる方がよさそうです。

では、蚊はどのように人間を見分けるのでしょうか? まず挙げられるのは「体温」です。人や動物の体温の熱を手がかりに、人の肌に着地して吸血します。しかし、その熱は最も近いところにあり、最も遠くまで放出できる手がかりが「二酸化炭素」です。人や動物は息を吐く時に二酸化炭素を放出します。二酸化炭素の濃度が高くなったところを手がかりに、蚊が人に近づき、さらに「汗」に含まれる臭いに引き寄せられ、体温を感じて肌に着地して吸血する、というわけです。

夏の「蚊」対策_2 蚊ってどんな生物?

「蚊」は昆虫の一種です。生物学的に言うと、昆虫綱 – ハエ(双翅)目 – カ亜目 – カ科といい、読んで字の如く「カ」と呼びます。

世界を見渡すと3000種類以上の蚊がいますが、日本では100種類ほど生息していると言われています。日本ではヒトスジシマカ、アカイエカ、チカイエカが代表的な存在です。一般に「ヤブ蚊」と言われるヒトスジシマカは体調4.5mmほど。アカイエカ、チカイエカは5.5mm程度とのことです。

蚊は気温が25度〜30度くらいになると卵からかえり、10日ほどで成虫になります。蚊の卵は水辺に散乱され、幼虫は「ボウフラ」と言われます。脱皮を繰り返して蛹(さなぎ)になり、成虫になったあとは2〜3週間ほど生きます。この間、交尾して産卵を繰り返します。

人の血を吸うのはメスだけで、オスは吸血しません。メスは血を吸うことで卵巣を発達させることができるそうです。

 

夏の「蚊」対策_1 夏こそ蚊対策

夏が近づくと悩まされるのが「蚊」。屋外で仕事をしていると、蚊対策は欠かせません。蚊に刺されると腫れ、痒みに悩まされ、とても不快です。腫れがひどくなると痛みを生じたり、かきむしると「とびひ」になるなど、いかに虫に刺されないよう対策をしていくかは、日焼け止め対策と同じくらい大切です。

虫除けの対策も、今では多種多様な商品が出てきており、しっかりと効果をねらえるもの、肌が敏感な人でも安心して使えるものや、いっさいの薬剤を使わないものなど、目的や効果に応じて選ぶことができます。

ただ、新たな商品を買う前に、蚊がどういう生物なのかを知ることによって、より効果的な対策をしやすくなります。どんなところで発生しやすくなるのか、何が好きで嫌いなのか、家の中での発生対策など、建築的な視点も踏まえて蚊対策について語ってみたいと思います。

建築家との仕事_8 工務店との相乗効果

建築家との仕事は難しいのか? そう問われると、私は「難しくはない」と答えます。大丸建設に仕事を依頼してくださる建築家は、自然素材や無垢材の力を大切にし、素直でやさしい住まいを設計します。私たちはその設計意図を正しく読み解き、図面に描かれていることを形にしていきます。設計する、施工するという役割の違いであって、求めている完成図は一緒なのだと思います。

設計―施工を自社で一括してやる場合、どうしても、現場での現実(予算、スケジュール、物の置き場、職人さんの調整、納期など)をいかに調整するかということがメインの仕事になります。一方で、設計やデザインを手掛ける方が、現場の現実に引きずられてしまうと、現場寄りの考えになって、デザインのためのプラスひと手間とのせめぎ合いになってしまう可能性もあります。

設計:木下治仁氏

それぞれの専門性を持って、限界を決めずに、よりよい住まいのために力を発揮していくためには、建築家と工務店がコラボして住まいをつくることが、最適解の一つなのかもしれません。

 

建築家との仕事_7 シンプルな形に宿る本質的な美しさ

大丸建設が手掛ける住まいは、基本的に国産の無垢材を使った、自然素材の住宅です。規格品の建材を組み立てるという形ではないので、一つひとつがオーダーメイドです。木の特性を見て素材の力を引き出す施工ができるのは、技術力がある職人がいるからです。決して簡単な仕事ではありませんが、木が好きで大工や職人になっている人たちは、素材をよりよく使うことに喜びを感じます。

設計:小林敏也氏(ことこと設計室)

雑誌『チルチンびと』に掲載されるような建築家も、きっと同じ思いを持っていると思います。無垢材や自然素材を使った、周囲の環境に調和した住まいを設計する方だからこそ、私たちの素材に対する知識や技術力を求めているのではないかと思います。大丸建設とご一緒する建築家が設計する住まいは、直線の美を感じるシンプルさで、住まう人への細やかな気づかい、安心感に包まれるやさしさがあります。デザインの力や可能性を感じ、その意図を汲み取った施工を心がけたいと常に感じています。

 

住まいの電磁波(8) ライフスタイルでできる電磁波対策

今、私たちの暮らしは電化製品なしでは生きていけませんし、その便利さによる便益は計り知れないほどです。一方で、目には見えない電磁波に常にさらされている環境で、その健康影響も「はっきりしたことはわからない」ながらも、一定数の方が電磁波過敏症で苦しんでいるという事実もあります。現代社会から電磁波をなくすことはできません。そもそも、光も電磁波の一種です。化学物質も同じ考え方で、化学物質をなくすことはできないし、自然由来のものにも化学物質は含まれています。私たちに必要なのは、電磁波や化学物質がどのようなものなのかを知り、使い方によって対策をしていくことだと思います。

住まいにおいては、暮らし方、使い方で電磁波対策をすることは可能です。先にも述べたように、電磁波を発生させる電化製品からなるべく距離を置く、使う時には短時間に、長時間使用するパソコンやテレビなどは、時々休憩を入れる、などです。

何より大切なのは、睡眠時間に電磁波影響を極力受けないようにすることです。睡眠時にゆっくり休めるように、照明を消す、スマートフォンは寝室に持ち込まない、など。1日のうちの3分の1を占める睡眠時間。この時に電磁波から離れることを意識すれば、1日における電磁波影響をずいぶん減らすことができるはずです。

住まいの電磁波(7) 消費電力量が多いほど電磁波も多い

実際、どのような家電が電磁波の影響が大きいのでしょうか? 単純な話ですが、消費電力量が大きいほど、電磁波を多く発生させます。例えばIHクッキングヒーター、電子レンジなどは、住まいの中でも電磁波が大きく、また使用時間も長時間になりがちです。オール電化の住宅では、電磁波量はそれなりに大きいと考えておく方がよいとでしょう。個人的には、調理には目に見える「火」を使う方がいいと感じており、大丸建設ではオール電化よりも、エネルギーはガスと電気のミックスがいいと考えています。

ドライヤーやヘアアイロンなども高出力のため、電磁波は大きい傾向があります。一定時間頭部に熱や熱風をあてるため、使用時間はなるべく短めである方がいいでしょう。

盲点なのは電気カーペットやこたつです。こちらも長時間身体に密着し、ある程度温熱を発するため電気の量も大きいです。温まったらスイッチを切るなどを意識してみるとよいです。

パソコンなどは消費電力量は小さいですが、長時間使用する傾向があり、またWi-Fiで常に電波を送受信しているので、休み休み使う対策が必要です。

住まいの電磁波(6) 家電の配置で気をつけたいこと

私たちの暮らしは電化製品に囲まれていますが、配置の仕方によっても、電磁波の被ばくを最小限にできる可能性があります。家電の電磁波対策は意外と簡単で、電化製品を身体からなるべく離す、ということに尽きます。

例えば、仕事や勉強をするデスクと、Wi-Fiのルーターはなるべく離れている方がいいでしょう。テレビの画面からなるべく離れて視聴するのは、目のためだけでなく、電磁波の軽減にもつながります。冷蔵庫は24時間365日稼働している家電です。特に裏側から電磁波がたくさん出ているので、冷蔵庫の裏側は建築時に電磁波軽減の金属板などで対策することや、冷蔵庫の裏側の壁の近くにはベッドは置かない、長時間勉強する場所にはしない、などの使い方で工夫はできそうです。

化学物質過敏症のお客様で、蛍光灯やLED照明による電磁波に反応してしまう方がいらして、その場合は極力天井を高くして電磁波影響を避ける、ペンダントライトにはせず天井埋め込み型にするなど、頭部と照明が近づかないようにする配慮もします。

住まいの電磁波(5) 住まいの電磁波対策

紫外線や赤外線など太陽光も電磁波の一つということがわかり、驚いた方もいるかもしれません。自然由来のもののほかにも、現代社会は家電製品や携帯電話、通信環境などが爆発的に広がり、暮らしのあらゆるところで電磁波が発生している状態です。電磁波の心身に対する影響については、まだ「はっきりしたことはわからない」という状況ですが、「電磁波過敏症」で苦しむ方は一定数おり、化学物質過敏症のように外的環境で心身の不調を来した方が電磁波に反応しやすい傾向も見て取れます。

大丸建設では住宅を建築する際には、電気配線の設計の時には少しでも電磁波への影響を低減できるように配慮をしています。例えば、睡眠時にはなるべく電磁波の影響を受けないよう、寝室の真上に電線を通さない、あるいは枕に近いところからなるべく離して配線するなどを検討します。電磁波に対して感受性が強い方がお住まいの場合は、壁の中にアルミのシートを張って極力電磁波をカットするようにしています。

住まいの設計時の配電で、電磁波の影響を低減することは可能ですので、気になる方は遠慮なくご相談ください。