住まいの電磁波(4) 電磁波にはいろいろある

目に見えない、匂いも色もない電磁波ですが、いったいどのようなものでしょうか。携帯電話やテレビ、パソコンなどから出ているものは、世の中全体からみるとごく一部でしかありません。電気が流れるところには必ず電磁波があります。電気はいわゆる発電によって生み出される電気だけではなく、紫外線や赤外線などの「光」も含まれます。

電磁波は空間を移動する「波」のようなもので、1秒間でどれだけの数の波が生じるかを周波数という言い方で表します。高周波の電磁波が放射線で、医療に用いられるX線が代表的なものと言えます。太陽光も電磁波の一種です。紫外線、可視光線、赤外線は、殺菌灯や赤外線ヒーターなどに使われます。低周波の「電波」が携帯電話の電波や家電製品から生じる電波です。FM放送やテレビ放送の電波も低周波です。送電線や家庭電化製品は超低周波と言われる電磁波です。

住まいの電磁波(3) 電磁波過敏症とは?

電磁波過敏症は、現代ならではの症状と言えます。私たちの暮らしはさまざまな電化製品に囲まれており、そこから発生する電波や磁波に囲まれているということと同義です。特にインターネットによる通信が盛んになってからは、パソコンやスマートフォンをつなぐWi-Fi、5Gなどの高速電波通信によって、家庭だけでなく社会全体で強い電波が飛び交っていることになります。

電波と磁波は異なるので、正確な違いについては次回にまわしますが、電磁波の大きな特徴としては「目には見えない」ということです。しかも、香りがあるわけではないので、今自分がどれくらいの電磁波に囲まれているのかを自分で判断することは難しいのです。化学物質過敏症を発症して、慢性的に頭痛や倦怠感、心身の不調に悩まされる方が、目に見えない電磁波に対する感受性が高くなる傾向があるとされているため、私たち大丸建設が化学物質過敏症対策の家を建てる場合には、電磁波についても注意を払うようにしています。

住まいの電磁波(2) 電化製品に囲まれた現代生活

私たちの暮らしは、今や電化製品や電波なしに暮らすことはできません。代表的なものはスマートフォンですが、今は5Gなどの高速データ通信や、家庭や公共施設等では常にWi-Fiの電波が飛び交っています。

心臓のペースメーカーに携帯電話の電磁波が悪影響を与えるとして、以前は公共交通機関の優先席付近では携帯電話の電源を切るようにアナウンスされていました(現在は、マナーモードにして通話を控えるようにしてください、という表現に切り替わっています)。

ほかにも、住まいにはさまざまな電化製品があり、その中でも特にIHクッキングヒーターや電子レンジといった調理家電が大きな電磁波を発することが知られています。

電気冷蔵庫や電気洗濯機、テレビなどの家電製品も電磁波を発生します。つまり、電磁波の量の大小に関わらず、電化製品に囲まれた現代生活では、私たちは常に電磁波を浴びているということになります。

電磁波過敏症は、現代社会において必然的に生まれてきた症状ということができます。

 

 

住まいの電磁波(1) 現代社会のさまざまな過敏症

大丸建設ではこれまで、シックハウス症候群や化学物質過敏症など、私たちの暮らしを取り巻く化学物質に対する感受性が強い方からの相談を受け、その方に合った住まいを作ってきた経験があります。現代社会では利便性を高めるために、さまざまな化学物質が使われています。

人類が長年接してこなかった新たな物質に、すぐに適応できる人もいれば、そうでない人もいて、それが頭痛や倦怠感、心身の不調といったさまざまな形で現れることがあります。シックハウス症候群は、特に住まいに使われる建材に含まれる化学物質に反応してしまう症状のことで、化学物質過敏症はさらに洗剤や香料など生活雑貨など暮らしに関わるあらゆるものに対する反応を指します。今年のブログで発信した「香害」も化学物質過敏症の一つです。

もう一つ、現代社会特有の過敏症に「電磁波過敏症」があります。今月は、住まいの電磁波についてお話しします。

省エネ最新事情(8) 省エネ診断で自分の家の健康度をはかろう

断熱性能が高い住まいは、エネルギー効率がよく、快適に暮らせて、かつ地球にもやさしい。まさに三方よしの、健康度が高い住まいと言うことができそうです。大丸建設は常日頃から「お客さまにとってハウスドクターでありたい」とお伝えしています。時には住まいの健康診断をしていただくことで、今お住まいの家の不具合や、時代に合わせて快適性を高めていくためのメンテナンスにつなげ、長寿命で健康に過ごすことができます。

大丸建設は環境省認定の「うちエコ診断士」です。また、大丸建設が加盟している一般社団法人Forward to 1985 energy life(家庭の消費電力量が今の半分程度だった1985年のライフスタイルを目指す)では、家の省エネ性能のシミュレーターで、住まいの電気代・ガス代・水道代から自分のエネルギー消費量の現在地を知る省エネ診断を実施しています。ご希望のお客様には住まいの省エネ診断に対応できますので、お問い合せください。

私は今秋実施する「全国省エネミーティング」の実行委員長を拝命し、全国の住まいづくりの仲間と省エネに向けた機運を盛り上げていきます。

省エネ最新事情(7) 家電だけでなく家全体で見ていく

今月は家電の省エネについてお話していますが、家の省エネは家電だけ見るのではなく、住まい全体で考えることが最も賢い方法と言えます。工務店は住まいづくりに関わる仕事なので、お客様と直接お話しするなかで、ここ10年ほど、省エネについての意識が大きく変わっているのを感じます。昔は「断熱」の重要性を認識しているお客様はそれほど多くはありませんでした。しかし今は断熱についての知識を得て、積極的に断熱性能の高い住まいを求める方が増えているように思います。

いくらエアコンのエネルギー効率がよくても、家の断熱性が不十分で、室内を暖めるそばから隙間風が入ってしまうような家だと、いくら暖房をしても「空焚き」の状態になってしまいます。暖めた(冷やした)室内の空気は逃さない、保温・保冷効果が高い家は、省エネ性能が高い家、と言えます。さらに、快適かつエネルギーコストも低い。省エネ、断熱、快適性は連動しています。

省エネ最新事情(6) 使用時間が長いものから省エネ型に切り替える

家電の中で省エネ対策をすると効果が高いのは、「冷蔵庫」「エアコン」「照明」です。冷蔵庫は24時間365日使うものなので、消費電力量が少ないものを選ぶと、家の電気代が目に見えて変わってきます。今から15年前に製造されたものを使い続けるよりも、最新の冷蔵庫に買い換える方が、かかる電気代は半額ぐらいで済むからです。

エアコンは猛暑を乗り切るには欠かせないアイテムで、これを省エネ性能の高いものに買い換えることで、真夏や真冬の電力需給のひっ迫を回避することに直結するほど省エネのインパクトが大きくなります。

照明器具も家庭には必須、かつLEDに買い換えることで消費電力量が大幅に減るため、いち早く買い換える必要がある家電の一つと言えます。

ほかにもテレビや温水暖房便座なども一年中通電しているものなので、エネルギー消費効率がよいものを選んでいくと、省エネ効果が高まります。

省エネ最新事情(5) 家電の省エネ性能は進化している

日本の家電は、新しいほど省エネ性能に優れています。省エネ法によって、家電製品や自動車などエネルギーを使用する機器に対して、省エネ性能を向上させるために、製造時点で国内トップレベルの省エネ性能を持つ機器をさらに上回るように決められているからです。これを「トップランナー制度」といいます。

家電量販店にいくと、「e」のマークとともに、省エネ基準の達成率と、エネルギー消費効率や年間消費電力量が表示されたラベルが貼られています。これを「省エネルギーラベル」といいます。

年間消費電力量が少ないほど、その家電は省エネに優れていると言え、それだけ電気代が安くて済みます。電気代が少ない=家計にもやさしい、地球環境への負荷も減らすことができると、いいことづくめ。買い替えのコストはかかりますが、長い目で見るとむしろお得で、健康にもよい(我慢の省エネをしなくて済む)というわけです。

省エネ最新事情(4) 我慢の省エネは限界

今夏に限らず、今後の日本はずっと、夏になれば猛暑。しかも最高気温を記録する地域は広がり、猛暑日も増えると予想されています。夏になると電力の余力が足りなくなるのは、猛暑の時期にエアコンで冷房を使うタイミングが全国的に重なるからです。1日の最高気温はだいたい12〜14時ごろに記録します。その時に全国で一斉にエアコンを使うため、電力量のピークを迎えます。このピークをいかに下げていくかが、電力の需給調整に必要です。

しかし、猛暑の時期にエアコンを使えないのは、命に関わる危険性があります。近年は熱中症での緊急搬送や、命を落とす人が急増しています。我慢の省エネで命を落とすことがないようにするには、我慢しない賢い省エネに切り替えていく必要があります。

「エアコンを使わずに我慢する」、という選択肢ではなく、「電力消費量の少ないエアコンに買い換える」という発想の転換が、これからの省エネに必要です。

省エネ最新事情(3) 電気の計画停電を防ぐために

電力ひっ迫注意報/警報の発令は、今夏に限ったことではなく、今冬も続くことが予想されています。エネルギー源の化石燃料の輸入は世界情勢に左右され、エネルギー資源の枯渇といった問題が身に迫っているのと同時に、日本での電力需要はますます高まり、「電力の余裕がない」状態が続いています。3.11の時に起こったような「計画停電」を防ぐために私たちがやるべきことは、ただ一つ。省エネしかありません。

省エネというと、暑い時にもエアコンをつけない、家の照明を消して暗くして過ごす……といった、「我慢」のイメージがつきまとっていましたが、この猛暑の中で「我慢」してしまうことは命取りになりかねません。我慢ではなく、賢く、スマートに省エネに取り組む。そのためには、電気を使う製品や住まいとの関わりについて、総合的に理解していくのが得策です。