耐震リフォームに効果が高い屋根の葺き替え

 耐震リフォームの具体的なプロセスとしては、まずは耐震診断後、具体的な補強を行います。効果的なのは、屋根材を軽くすること。瓦の屋根であればガルバリウム鋼板のような軽い素材に変更します。建物の重量のうち屋根が大きければ、下(構造)も丈夫にしないといけません。瓦は日本の伝統的な屋根の美観を形成し、機能性にも優れていますが、それに見合った建物の構造が必要です。
 具体的には、瓦を下ろして、野地板を残して上に構造用合板を張って補強します。その上にルーフィングを敷き、ガルバリウム鋼板やカラーベストなどの軽い屋根材で仕上げます。足場を組む必要が出てくるので、工期は10-14日くらいです。
 屋根だけを軽くすることで階下の耐力を少なくすることができるので、屋根の葺き替えは費用対効果が高いと言えます。

基礎補強は結構大がかり

 耐震リフォームだけ単体で行うというケースは少なく、だいたいは間取りと内装も一緒に行うケースが多いです。例えば基礎まで含めたリフォームの場合、工期は1カ月以上。耐震診断をしていて、押入の下に土台がなくて、大引や根太をチェックしていくと、基礎がないようなケースも稀に見受けられます。その場合、間仕切り壁の下に広めに型枠を入れ、鉄筋を組んでコンクリートを流し込みます。一部の基礎補強なら100万円から300万円程度でできます。
 500万円以上かかるケースでは、1階の床をすべてはがし、一度土を出してから砕石を入れ、鉄筋を組み、コンクリートを打ちます。耐震強度の弱い基礎は布基礎であることが多く、ベタ基礎に変え(土間も一体打ちにする)、そこから土台を入れ、壁の補強をしていきます。

お問合せの多い耐震リフォーム

 大丸建設では耐震診断の登録業者であることから、稲城市の耐震リフォームの助成金を得て施工することができます。耐震診断や耐震リフォームのお問い合わせも多くあります。
 耐震診断の後に耐震リフォームとなる場合でも、耐震補強に加えて内装リフォームを行うケースが多いです。部屋のクロスを張り替えたり、汚れを取り除くなどの場合、軽微なリフォームでも100万円から300万円くらいの予算がかかります。
 屋根材の葺き替えの場合、工期は10-14日。屋根リフォームだけで済むことはあまりなく、屋根+壁で300万円くらい、内装や間取りも含めたリフォームだと500万円から1000万円くらいかかります。

家を長く住み継ぐ楽しみ

 戸建ての新築にせよ、戸建てのフルリフォームにせよ、マンションリフォームであれ、私たち大丸建設で手がけさせていただくお客様は、皆さん住まいへの愛着と確固たるライフスタイルを築かれ、お客様の姿勢に学ぶ日々です。特にリフォームの場合は、元々ある住まいに手を加え、長く住み継ぐ姿勢こそ、日本にたくさんある住宅のストックを活用する新しい機運だと思います。
 大丸建設では、100年もつ長寿命の住まいをつくっています。長く住むからこそ周囲の景観に溶け込み、流行に左右されず、主張しすぎない、シンプルで飽きのこない家づくりです。だからこそ、手をかけ、目をかけ、心をかける、安らぎの住まいができるのだと思います。
 規模の大小に関わらず、リフォームでお声をかけていただくことは、私たちを信頼してくださっている証だと、ありがたく感じています。家を長く住み継ぎ、大切な資産を次の世代や住まい手にバトンタッチしていく、そんなリフォームの仕事をこれからも大切にしていきたいと思っています。

マンションならではの性能を確保する

 マンションリフォームの際は、工事中の近隣への配慮が最重要課題になります。戸建て住宅と異なり、廊下などの共有部分に工具等を置くことはできず、また傷には細心の注意を払い養生等を行っていきます。また、隣家、階下の住民の方への騒音は最大限の配慮が必要です。最初にご近隣の方々へのご挨拶といったコミュニケーションは欠かせません。
 リフォームをご依頼のお客様で、必ずしも皆さんがマンションの元の図面をお持ちとは限りません。コンクリートの精度も様々で、構造上は問題なくても一部クラックなどが入り水漏れの原因になるようなこともあり得ます。
 また、階下への防音は最低限の条件になります。防音性能LL45等級を満たさなければならないので、これを無垢材で担保するのはなかなか難しいのが実情です。そのため、お客様の許可を得られれば、LL45等級の防音床を張った上から無垢材の床を張るなどの処置をとることもあります。

それでも私たちがマンションリフォームを手がける理由

 大丸建設のような木造の注文住宅を得意とする工務店は、マンションリフォームに関しては決して安くも、早くもないという、あまりぱっとしない話を続けてきましたが(笑)、それでもお客様のご要望があれば、私たちは喜んでマンションリフォームを行います。
 やはり、既存の建材を選んではめるだけではなく、自分の好きなデザインや造作をつくる楽しみは、無垢材・自然素材だからこそ可能という側面もあるのです。例えばキッチンであれば、システムキッチンを選ぶのも楽しいけれど、料理をする人の作業のしやすさ、こだわりの水栓や金具、調理器具を組み合わせることのできるオーダーメイドだって可能ですし、無垢材の床の表面質感は戸建て・マンションを問わず気持ちのよいものです。大工がつくる棚であれば、棚板の高さ、幅、一つひとつ、お客様のご要望に応えることができます。漆喰の壁は表情豊かで調湿性にもすぐれ、何より目にやさしい。
 大丸だからこそできるマンションリフォーム、ぜひ、お問い合わせください。

木造工務店がマンションリフォームで不利な点

 大丸建設のような個別注文住宅の木造に特化した工務店は、構造、内装、配管、電気工事、設備、外構など、私たちが設計した図面にのっとり、すべてを現場監督が把握して手配に、大工が現場で専門業者と調整をして家をつくります。
 マンションリフォームの専門会社の場合は、住まいに合わせて個別に対応するというよりも、床、天井、ボード、解体などの専門業者に委託をしてコーディネートするのが主流。今のマンションは建材等も規格化されていることが多いので、私たちのような木造専門の業者が個別に造作するよりも、寸法に合う建材を当てはめる方が、工期も短く、コストも安く上がります。
 マンションリフォームの場合は、施工時間も限られます。近隣住民の方のご迷惑にならないよう、9-17時が基本で、撤収なども急がなければなりません。時間厳守なのは戸建て新築も同じですが、工期が迫っている場合は音をうるさくしない範囲で残業をして追いつかせることもできるので……。
 水回りの交換など、設備の入れ替えだけであれば、私たち大丸建設より早い、安い業者はいくらでもあるので、トータルで考えて施工業者を選んでいただくのも一つの手です。

マンションのフルリフォームは価格的にもおすすめ

 首都圏で新規に土地を取得し、さらに住宅を新築するとなると、多大なコストが必要になります。相続などでご両親の土地に建てるようなケースでもない限り、希望の広さ、利便性、交通の便など、すべてを兼ね備えることはなかなか難しいように思います。
 しかし、中古マンションを「建物の中の土地」ととらえ、フルリフォームすることで自分らしいデザインや間取りを実現できれば、駅近などの好立地で、かつ集合住宅ならではの利便性を兼ね備え、さらに新築戸建てよりも安価で理想の住宅を取得できる、と考えることもできます。
 戸建てのフルリフォームの場合、構造を残して壊す費用もかかるので、だいたい新築の8割くらいの費用となりますが、マンションの場合はほぼRC(鉄筋コンクリート)造で、基礎や構造部分はそのまま使えますので、かなり割安と言えます。
 配管なども、水が流れる勾配と径の直径さえ確保できれば、水回りも自由に変更ができます。

大丸が手がけるマンションリフォーム

 大丸建設では新築同様のフルリフォームから、内装リフォーム、耐震リフォーム、カギの付け替えといった小規模な営繕まで、住まいのことならどのようなことでも対応しています。
 マンションリフォームも手がけていますが、実は、マンション専門のリフォーム業者に比べると、どうしても価格が高くなり、大工の本領を発揮しにくいという面もあります。
 大丸建設が得意とするのは、木造の造作、いわゆる「匠の技」が発揮できる場面です。マンションの場合はそもそも防音性の担保や共有部分でもある外観の統一等で、建材の仕様が決められている場合も多く、個別のマンションに出入りの業者が一括で大量に建材を仕入れるなどして、個別対応せざるを得ない私たちにはコスト面で不利な面があります。
 それでも、お客様の個別のニーズに対応する無垢の木の自然素材リフォームは得意とするところなので、ぜひお問い合わせください。

間仕切りは入れるよりも外す方が難しい

 大きな空間に間仕切りを入れて2つの部屋に分けることは、出入口の確保さえできればそれほど難しいことではありませんが、逆に二つの部屋の一つに広げる方が難しいのが本音です。壁をはがしてみたら耐震壁だった、筋交いが入っていた……ということが往々にしてあるからです。建物にとっては、たとえそれが間仕切り壁であっても(耐震壁でなくても)、壁が増える方が強度は増すので、安全面では強化されると言えます。
 リビングを広くしたいから……とのご要望で、壁を外したこともあります。とはいえ、構造上の強度を落とすことはぜったいにできません。壁を抜いても柱だけは残す、筋交いや火打ちなどを入れて見通しは確保しつつ強度は保つ、というような形で、お客様と一つひとつ確認をとりながらご要望に近づけるようにしています。