部屋に間仕切りを入れる場合

 1月は年の初めということもあり、リフォームについてのコラムは1カ月お休みといたしました。今月より再開します。住みながらの中規模リフォームについての続きからです。
 新築したときは小さかったお子さんが成長して、大きめにつくっていた子ども室に間仕切りを入れて部屋を区切る。これまで大丸で何軒も手がけている事例です。元々、間仕切りを入れやすいよう、出入口分のスペースを確保したり、柱を真ん中に置いたりしているので、大丸で新築した家であればとてもやりやすいです。
 間仕切り用の壁は耐震壁とは違うので、簡易なものでも大丈夫です(極端に言えば襖やカーテンでもいいくらいです)。実際は石膏ボードを張ることが多いでしょうか。床と壁にちょっとしたフレームをつくり、下地材を置き、そこにボードを立てて釘などでしっかり留めます。耐震壁ではないですが、人間が寄りかかっても平気なくらいの強度は担保できていますので、安心してお使いいただけます(ボードであれば、壁に画鋲で絵などを張っても平気です)。

「稲城」に根ざしながら多摩全体を見る

 大丸建設の所在地は東京都稲城市大丸です(だから大丸建設です)。稲城市は多摩丘陵の南部、多摩川沿いに位置し、東京都で言えば町田市に次ぐ南部、神奈川県に隣接しています。ある意味、辺境とも言える地域です。
 私たち安田家は調布市に住居を構えています。私自身は現在、狛江市に住んでいます。地元といえば稲城も調布も同じような感覚で、活動範囲は稲城市、調布市、府中市、多摩市、町田市、川崎市、狛江市、国分寺市や三鷹市、八王子市、世田谷区、横浜市など多岐にわたります。行政区だけで区切るのは難しいと感じています。
 主要幹線道路でいえば鶴川街道や川崎街道、流域でいえば多摩川、地形で言えば多摩丘陵、そのように行政区にしばられず、「多摩に根ざして」のキャッチフレーズで事業を展開していきたいと思っています。
 私たち大丸建設の技術力を必要としてくださるお客様はたくさんいらっしゃると信じています。一つひとつの出会いを大切に、次世代につなげていきたいと考えています。

兄に期待していること。

 私の兄・常務取締役の安田博昭は、私の手の回らない情報発信や広報の分野を主に担っています。兄は調布市の小学校でPTA会長を務めてきました。PTAの仕事はボランティアにも関わらず、兄は一生懸命会合に出て、学校と保護者、地域をつなぐ活動をしてきました。
 私は建築業界のイベントや勉強会など、どちらかと言えば同業者との付き合いの方が多いのですが、兄の場合、同業はもとより、地域密着での活動ができています。異業種とのつながりは私よりも多いのではないかと思います。
 ぜひ、兄には地域での顔と信頼を生かし、営業面で私をサポートしてほしいと思っています。私にはできないことで、兄にしかできないことがたくさんあるのですから。

木工フェスタを復活します!

 近年、現場の忙しさにかまけてしまい、お客様同志の大切な交流の場でもあった木工フェスタを開催できずにいました。兄でもある常務の息子が小学校1年生、娘が就学前から始めたイベント。今では彼らもすっかり大きくなりました。学校の友達を連れてきて、子どもたちが「木のおもちゃって自分でつくれるんだ!」と体験し、お父さんやお母さんは自らが思い描いたスツールやベンチ、本棚をつくり、その方々がいつしか私たちのお客様になり……。OBのお客様と見学中のお客様が、大丸の木の家の暮らし心地について話し合ったり、大工がつくってくれた仕口や継手を見て技術力に感心してくださったり……。お客様同士の貴重な交流の場であったのと当時に、大工、職人たちと私たちのコミュニケーションの大切な機会でもあったと、いまになってその意味を感じています。
 木工フェスタは、単なる啓発やイベントではない、大丸建設にとって大切な要であると気づきました。今年はぜひ復活させて、今後継続して、地域の方々に本物の木にふれていただく機会を提供しようと思っています。

プラスを生かしてマイナスを減らす

 私の強みでもある「現場で培った感覚と技術を見抜く目」は、それ自体が大丸建設の強みと言えると思います。
 大丸建設は、施工技術で言えばどの工務店にも負けないほどの技があると自負しています。明治初期の創業以来140年続く「匠の技」という言葉を正真正銘受け継いでいると言えます。
 今、大丸建設の現場の中心になっている若き棟梁は私と同世代。熟練の棟梁の元に学び、現場感覚を身につけ、今なおたゆまぬ努力で技術の研鑽に勤しんでいます。他にも、若くて有能な大工が入ってきて、今後も長く大丸の家づくりは安泰です。
 現場監督、そして棟梁は、建築現場で多数の職人さんをまとめる親分とも言えます。職人一人ひとりの個性、持ち味、技術力を正確に把握し、現場監督との報告・連絡・相談を重ね、生きた自然素材を適材適所で生かしながら、お客様にご満足のいく素晴らしい住まいをつくってゆく。一人ではできない仕事で、仲間づくり、コミュニケーションが大切です。
 今年はそこも強化していきたいと思っています。

私と会社の強み、そして弱み

 会社の強みを生かしていくこと、弱みを克服していくことは、どちらも大切です。ウィークポイントから目をそらさずにきちんと見つめ、認めたうえで、得意分野を伸ばしていくような経営方針を今年は描いていきたいと思っています。
 私の強みは現場で培った技術と建築の知識、技能だと思います。
 一方で、「設計・デザイン」は苦手分野です。建築家の設計した家や、お客様がデザインに強いこだわりがありお客様主導でつくった家で素晴らしいデザインの住まいもありますが、基本的にはオーソドックスな間取り(大空間のLDK+和室、水回りと、寝室、広い子ども室)の「大丸スタイル」に落ち着いてしまいます。
 設計・デザインはセンスがものを言うのですが、私は決してその分野は得意ではありません。得意なのは、職人集団をまとめあげ、誰にも負けない施工技術で安心・安全な住まいをつくること。逆に、設計はセンスのよい方にお願いすれば、素晴らしいデザインと堅牢で美しい住まいが両立できます。今後は少しずつ協働の方向性を模索していきたいと思います。

これまでも、これからも変わらず「家業」。

 大丸建設は明治初期に天才宮大工と呼ばれた初代から140年の歴史を数える工務店です。2代目は大正時代に名建築と謳われた木造建築物を多く手がけてきました。3代目で本格的に創業、企業としての大丸建設の礎を築きました。現社長で5代目、代々、家族で受け継いできた「家業」です。
 父である現社長も古希を迎えました。まだまだ現役で活躍していますが、父を楽させてやりたい気持ちもどこかにあります。また、私には兄がいて、私が現場で忙しい分、会社の情報発信や、「チルチンびと『地域主義工務店』の会」での学びの場に出て最新のエコ住宅の知見を学んでくるなど、助けてもらっています。
 兄の子どもたちは幼いころから大丸木工フェスタで見事な木工作品を作り上げるなど、根っからの大丸魂を受け継いでいます。兄を支える兄嫁、そして父を支え私たちを育ててくれた明るく闊達な母など、家族あっての私を最近よく感じています。
 社員にも家族がいて、みんな、それぞれの生活を支えています。社員がやりがいをもって、その家族が私たちの仕事に誇りをもってくれるような、そんな会社をつくり上げていきたいと思っています。

私の強みを考えてみました。

 このブログで、私自身の建築人生について何度か語っています。元々大丸建設や家業であること、幼い頃から父に連れられ建築現場に通っていたこと、誰に言われるまでもなく自然と建築の道に進もうと決めたこと、在学中から現場監督として会社で経験を積んだこと……。すべてが私の血肉となり、今の自分を形作っていると感じています。
 そして、私は、自分自身の強みはまさにそれである、と考えています。現場で職人さんや大工さんから吸収していった、生の技術であり、感覚。住宅の安全性を担保するための構造の強度、自然素材の清々しさと調湿機能、適材適所の木の納まり、工期と工費のバランスなど、現場で得た知見が、図面、見積もり、完成した住宅とお客様の笑顔につながっているのを感じています。
 私自身の半生をかけて積み上げてきた強みを、これからの大丸建設のために生かしていきたいと感じた年初でした。

2014年の目標

 ブログを始めてから丸2年が過ぎようとしています。1年の区切りである新年に、新しい1年の目標を立てるようになり、大丸建設の次代の担い手としての自らの役割を考えるようになりました。
 2014年になって私とお会いになった方はお気づきでしょうか。実は、今年は作業着で仕事をしない、経営者としての身なりで仕事をするよう心がけています。作業着は現場で着るものです。私自身、ずっと現場監督としてキャリアを詰んできましたが、今は専務取締役としての立場を自覚し、現場で忙しくしすぎないよう自らを律することにしています。
 もちろん現場が大切なのは言うまでもありません。しかし、経営者としてはもう少し広い視野で会社全体を見渡し、社員や現場に出てくださる大工さん、職人さん、そして未来も見据えて目を養うことが必要だと思っています。
 だから、作業着を脱ぎました。今年1年、少しずつですが、大丸建設の未来に向け成長していこうと思っています。

住みながらリフォームは最大1カ月が限界

 中規模リフォームの場合、予算が限られているため、どうしても「住みながら」になります。引っ越しの費用、敷金や礼金、家賃などにお金がかかってしまうからです。ただ、これまでお話ししたように、水回りが使えない、家が狭くなるなど、生活のQOLが下がるので、1カ月以上の長期間になるようであれば、たとえお金がかかっても一度外に出る方がお互いにラクと言えます。お年寄りが住んでいるところで「日中の話し相手ができてよかった……」という話もないわけではないですが。
 普段だったら積極的に外に出かける方でも、心配だからと家に残る人もいます。当然、工事の音も大きいですし、配管を切るときなどは金属臭がします。工具も危険を伴うものがありますし、養生で家の美観も損なわれるので、お子さんがいるご家庭だとこちらもとても気を使います(特にお子さんは工事に興味津々ですから、危険が伴うほどに近寄ってきます!)。
 住みながらリフォームで、お客様も、私たちも、気持ちよく作業して、暮らせるよう、また近隣の方々にもご迷惑をおかけないように、大丸建設では様々な対応をしています。ぜひお問い合わせください。