耐震グレーゾーン住宅を解消したい_1 関東大震災から100年

2011年3月11日に起きた東日本大震災から12年が経とうとしています。2023年は関東大震災からちょうど100年にあたる年でもあり、あらためて木造住宅の耐震性について考えてみたいと思います。

関東大震災は1923年9月1日、11時58分に起こりました。マグニチュード7.9の巨大地震で、津波や土砂災害なども発生。死者は10万5000人以上、30万棟以上の建物が全壊、消失し、近代日本で最大の被害をもたらしました。

特に住宅地が密集している東京での被害が甚大だったため、東京での地震と思われがちですが、震源は神奈川県西部で、静岡県熱海市で最大高さ12mの津波を観測、神奈川県や千葉県にも大きな被害がありました。

関東大震災の教訓をもとに、毎年9月1日を「防災の日」と定めています。この100年で、阪神・淡路大震災や中越地震、東日本大震災など、日本では数多くの震災を経験しています。今後30年以内に首都圏直下地震のリスクが予測されている東京で、どのような耐震対策が進んでいるのか、ひもときます。

2023年の抱負(6) 日本の森を支える仲間を増やしていきたい。

自然素材や無垢材を使った、美しい日本の住まいを作ること。それは森林大国・日本の環境を持続可能にすることにつながり、自然と共存した伝統的な技術を未来に伝えることに直結します。日本は世界でも有数の森林大国で、木を使った住まいづくりの分野では世界でも最も古く、また最新の技術があります。

住宅で使う木を育む森林は、使うことによって維持されていきます。人工林は計画的に植樹され、維持管理され、伐採と利用を繰り返していくことで、森林の持つ公益的機能が維持されます。適切に管理された森林には水源を涵養して洪水を防ぐ機能があります。また、成長期の植物の葉は光合成して二酸化炭素を固定し、酸素を放出します。地球温暖化の原因物質の一つとされる二酸化炭素の吸収源となるため、日本の木を使うこと=日本の森林を維持し、地球温暖化防止に貢献することにつながります。

日本の木を使い、森を守るには、多くの人がその機能を知って、使っていく機運を高めていくことです。そんな仲間を日本中に増やしていきたいと思います。

 

2023年の抱負(5) 省エネを推進する仲間を増やしたい。

「一般社団法人Forward to 1985 energy life」は、賢く楽しく省エネライフを送り、家庭での消費エネルギー量を1985年レベルにすることを目指した団体です。大丸建設は設立時から関わり、私は昨年11月に「第10回全国省エネミーティングin東京」の実行委員長を務めました。

全国省エネミーティングでは、東京都を始め、埼玉県所沢市や川口市など、省エネに力を入れている自治体の取り組みを聞くことができました。特に、東京都はエネルギーを「減らす、つくる、ためる」を推進していくために、「東京ゼロエミ住宅」を発表しました。断熱性の高い窓や断熱材の推奨、省エネ性の高いエアコンや照明などを用い、「断熱性の確保」と「設備の効率化」を目指した東京都独自の基準で、今後は住宅展示場やキャンペーンなどでその名やロゴを多く目にすることになるでしょう。

大丸建設でも、仲間と一緒に最新の知見を取り入れながら、高断熱、省エネ性能の高い住宅づくりに励んでいきます。

一般社団法人Forward to 1985 energy life

https://to1985.net/

 

東京ゼロエミ住宅

https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/climate/home/tokyo_zeroemission_house/index.html

気候危機の時代(8) 気象情報を正しく読み解く

集中的に大量の雨が降る線状降水帯や、毎年巨大化する台風など、水の災害が増加、激化している昨今、私たちは自分や家族の命を守るために、的確な情報を得て判断していく必要があります。

ニュースサイトや気象情報アプリでは、わかりやすく情報を伝えてくれます。気象庁が発表している「キキクル(大雨・洪水警報の危険度分布)」は、お住まいの地域で雨による災害リスクが高まる場合、危険度の高まりをプッシュ型で通知するサービスです。アプリや通知によって、危険が身に迫った場合に適切に対応できるよう、常日頃から気象情報に関心を持っておきましょう。

災害時は、まずは自分で自分の身を守る「自助」、近隣の方々と助け合う「共助」、そして最後に自治体などの助けを得られる「公助」という順番です。自分の命が助かってこその、支え合いです。災害が多い時代、備えを万全にしておきましょう。

 

気候危機の時代(7) 河川の氾濫が身に迫る時

気象情報のウェブサイトでは、河川水位情報を調べることができます。河川洪水では、注意、警戒、危険、氾濫発生の5段階が表示されます。河川の氾濫や高潮などから身を守るための防災を「水防」といいます。

自分が住む地域でどのような水害のリスクがあるのかを事前に知っておくには、自治体が発行している「水害ハザードマップ」を入手しておくとよいでしょう。河川の近くでは早期の避難が必要になる場合や、木造住宅の倒壊が危険視される地域もあります。大雨の際は土砂崩れも心配です。高台に住んでいるから一概に安心とは言えず、排水溝から水があふれて周辺が浸水するようなリスクすらある時代です。

何度も書きますが、台風は事前に備えることができる災害です。特に、排水溝や雨樋などを清掃して水の流れをよくしていくことは、地域防災の観点からも重要です。

家庭でできることは、氾濫の危険が身に迫る時には、浴槽にためた水を流さないこと。家庭の排水も河川に流れるので、豪雨の際には雨水以外の水で川をあふれさせないことが大切です。

気候危機の時代(6) 避難場所や経路を確認しておく

土砂災害や浸水などの大水害が発生する恐れがある時には、気象庁から警戒レベルに応じた避難情報が発表されます。現在の警戒レベルは5段階。警戒レベル1〜2の段階から注意を払い、警戒レベル3以上の時にはいつでも避難できるように準備をしておきましょう。特にご家庭に乳幼児や高齢者がいる場合は早めの準備が必要です。

警戒レベル1:早期注意報

警戒レベル2:大雨・洪水・高潮注意報

警戒レベル3:高齢者等避難

警戒レベル4:避難指示

警戒レベル5:緊急安全確保

このうち、避難指示は、高齢や障害の有無に関わらず、全員が安全な場所に避難する必要があります。いざという時に慌てないよう、自分の居住地の避難場所や避難経路について、事前に確認しておきましょう。

警戒レベル5の緊急安全確保は、命を脅かすおそれのある災害が既に発生しているか、身近に迫っている緊迫した状況を指します。この段階ではすでに避難には間に合わないと判断されるため、避難ではなく自宅の中で少しでも高いところに身柄を移すなどして、命を守ることを優先します。

気候危機の時代(4) 台風は豪雨に加えて暴風対策も必要

今年の夏は「豪雨」の印象が強いですが、これからは「台風」に対する備えも大切です。我々も記憶に新しいのが、2019年の台風15号と台風19号です。

台風15号は房総半島を中心に、暴風で長時間の停電が発生し、住宅の屋根瓦が飛んだり、暴風によって家が傾くなど、局所的に甚大な被害をもたらしました。台風19号は東日本の広大な範囲で河川が氾濫し、100人以上の死者と行方不明者を出し、さらに住宅の全壊・半壊をあわせると3万を優に越す、史上稀に見る大災害となりました。

台風の場合は、豪雨だけでなく、暴風を伴うこともあります。豪雨災害がもたらす影響は、床下浸水・床上浸水といった深刻なものから、雨漏りなどがありますが、暴風が伴う場合はさらに、屋根や窓ガラスの破損が加わり、そこから水の被害につながります。

台風が迫っている時には、建築途中の現場の対策は非常に慎重を要し、かつ緊急性高いものとなります。足場の安全確保や建築資材の飛散防止、現場の浸水対策など、念には念をおして、台風の被害から建築現場と、近隣の環境を守る必要があります。

気候危機の時代(3) 激甚豪雨が日常になる夏

「100年に一回の大雨」は、日降水量にして「おおよそ北日本で100~200mm、西日本太平洋側で200~400mm」というのが気象庁の定義ですが、2022年8月の日降水量最高地点のデータを見ると、8月3日には新潟県で395.5ミリ、8月4日には石川県で392.0ミリ、8月9日には青森県で312.0ミリ、8月13日は静岡県で349.0ミリと、300ミリを超える日が4日もあったことがわかります。200ミリ以上となるとその数は大幅に増え、8月のうちに10日間は全国各所で「100年に一回の大雨」が降っていたことになる、と言えます。

気候危機の時代、雨の降り方や量は、我々が子どもの頃とは全く変わり、「これまでの常識」での降雨対策では、住まいや家財、そして命を守れなくなる可能性があります。これからの工務店は、こうした気候危機に備えた具体的な提案を住まいに織り込むことが必要になってきていると言えます。

気候危機の時代(2) 「100年に一回の大雨」が毎年やってくる

気象庁が発表したように、2022年夏(6〜8月)の降雨量は、「北日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多くなった」とのことでした。特に、8月3日から全国各地に甚大な被害をもたらした「令和4年8月豪雨」では、青森県、山形県、新潟県、石川県、福井県の5県35市町村に災害救助法が適用され、住宅の損壊も数多くありました。

「100年に一回の大雨」という表現が、気象予報でも頻繁に言われるようになり、何を基準に100年に一回と言うんだろうと疑問に思う方もいるかもしれません。実は、気象庁では「100年に一回の大雨」について定義を持っています。

気象庁HPより

気象庁のHPによると、「◯年に一回の大雨」は、「全国51地点における1901~2006年の年最大日降水量のデータから推定した、再現期間30年・50年・100年・200年に1回降る可能性のある日降水量の分布図」をもとに、たとえば1日あたりの降水量では、「100年の1回の確率降水量は、おおよそ北日本で100~200mm、西日本太平洋側で200~400mmなどとなっています」とされています。

気候危機の時代(1) 気候変動から気候危機へ

地球温暖化が原因の一つとされる猛暑や大雨などの異常気象は、2000年代から顕著に現れるようになりました。「気候変動」という言葉は1980年代からあったとされますが、地球温暖化の影響が叫ばれるようになった2000年代からは認知が広がりました。

しかし最近は「気候変動」から「気候危機」に言葉を変えて語られるようになりました。日本では2020年、環境省が発行する『環境白書』で政府として初めてこの言葉を定義しました。気候変動の影響と見られる自然災害が激甚化し、また人間を含めた生物の生存基盤が脅かされている状況から、当時の環境大臣が「環境省として気候危機宣言をする」と発表するに至ったのです。

気象庁が9月1日に発表した「夏(6〜8月)の天候」によると、夏の平均気温は東日本・西日本・沖縄・奄美でかなり高くなり、夏の降水量は北日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多くなったとのことです。また、東北北部・南部と北陸地方では梅雨明けが特定できなかったのも2022年の特徴と言えそうです。

気象庁HPより