台風の事前対策(1)

内閣府の「政府広報オンライン」のツイッターでは、一戸建ての住まいの事前対策について、図解付きで次のような内容が発信されました。

・物干し竿:飛ばされないようにおろしておく。

・庭木:飛ばされたり倒されないように固定する。

・植木鉢:強風で飛ばされそうなものは家の中へ。

・雨戸やシャッターのない窓:割れたガラスの飛散防止のために、カーテンを閉めたり、窓に飛散防止フィルムを貼る。

・雨戸やシャッター:ちゃんと閉まるか点検補修を。

・窓:ひび割れやがたつきはないか。

・テレビアンテナ:錆びたりゆるんだりしていないか。

・屋根瓦やトタン:めくれたり壊れていないか。

・雨どい:枯れ葉や枝が詰まっていないか。

・プロパンガス:固定されているか。

(出典:内閣府「政府広報オンライン」ツイッター)

内閣府の政府広報オンラインを参考に

大規模災害に際して、インターネット、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)ではさまざまな情報が発信されますが、情報の信憑性について迷った場合は、できるだけ公的な情報にふれるようにしましょう。

内閣府の「政府広報オンライン」は、暮らし・安全、子育て・教育、健康・医療、災害・国民保護、社会保障・税など、生活に関するさまざまな情報をわかりやすく伝えています。

その中でも、「防災・減災」についての情報は、政府のもつ様々な施策に基づき、専門家の知見も得たうえで発信されているので、信頼して読むのに値します。

今回の台風19号の前によく読まれた記事のリンクを貼りますので、ぜひ参考にしてください。

 

<内閣府「政府広報オンライン」>

大雨や台風の気象情報に注意して

早めに防災対策・避難行動を行いましょう

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201206/1.html

台風は「事前対策」ができる災害

10月12日に日本列島を襲った台風19号は、前月の台風15号の記憶が新しかったこともあり、日本政府も異例の事前対策をうったえ、首都圏の鉄道路線の運休や公共交通機関、道路の安全確保、会社・商業施設の臨時休業など、「日本全体が台風に備える」ことになりました。

台風の3日前くらいから、ガソリンスタンドで給油する車が目立ち始め、スーパーマーケットやホームセンターでは防災備品を買い求める人であふれました。コンビニエンスストアからはペットボトル水が消え、台風の前日には窓に養生テープを貼り付ける家も出てきました。

政府も「内閣府広報オンライン」で家屋の台風対策を呼びかけ、専門家もメディア等でさまざまなアドバイスをしたので、事前対策を実行する家庭が多かったのではないかと思います。

2019年10月、台風19号の被害

2019年10月12日、台風19号が日本列島を横断しました。9月9日の台風15号の爪痕が残るなか、再三にわたる台風、その後も10月25日に大雨が続き、たいへん大きな被害を日本にもたらしました。

台風15号は強風や竜巻による被害が大きかったのですが、台風19号は長時間にわたる大雨による浸水や土砂災害、河川の氾濫が相継ぎました。死者・行方不明者数は95人、浸水被害は300もの河川の流域に及んだといいます。

近年、台風の大型化と被害の深刻度が高まり、どのように防災対策をしていくべきか考えさせられます。

建築の専門家として、台風被害対策についてまとめてみました。

サッシの強化は防音・省エネにも効果あり

「以前、窓をリフォームしたんですが、今回の台風に効果的でした」

このように語ってくださったお客様がいました。以前大丸建設でリフォームさせていただいたお客様は、集合住宅にお住まいで、窓のサッシを断熱性の高いものにリフォームしました。台風15号の時には、窓が揺れて眠れない思いをしたという方も多かったなかで、そのお客様の家では全員、朝までぐっすりと眠れたそうです。お聞きすると、サッシを変えたことで、窓が揺れず、外の音も防いでくれたので、睡眠を妨げるほどではなかった、とのこと。

窓リフォームは、家の断熱性を高めることにつながり、夏の日射と熱の侵入、冬には冷気が入ることを防いでくれます。省エネにもつながる防災対策として、ぜひ検討してください。

窓からの雨漏りもある

台風などの横風と強雨の対策には、サッシの補強も効果があります。日本の住宅では、サッシを取り替えないまま、アルミのフレームでシングルガラスの家もまだ見受けられます。大型の台風などで、周辺からの飛来物や倒木などで、窓ガラスを割ってしまう可能性もあります。シングルガラスだと、こうした影響を受けやすいです。

また、古いアルミサッシは気密性が弱く、共有の場合にサッシ自体が大きく揺れてしまいます。隙間風や、窓からの雨漏りの事例もあります。窓からの雨漏りとは、サッシの隙間から雨が入り、それがたまって、階下に水が漏れてしまう、という現象です。老朽化した団地などで、このような事例がたくさんあったようです。

外装メンテナンスの重要性

私が7-8月のブログで再三申し上げていた、外装メンテナンスの重要性を、台風15号の影響で再確認しました。台風15号は、千葉県や神奈川県の一部に大きな被害をもたらしましたが、進路が少しずれていたら、どこで同じようなことが起こっても不思議ではありません。我がこととして考え、そこから何を学び、どのような対策をしておくべきか、検討する必要があります。

特に、戸建て住宅で、築年数の古い家については、台風15号レベルの大型台風が直撃した場合、それなりの影響があることが考えられます。特に屋根については、金属板がめくれたり、瓦が飛んだりする可能性があるので、早めの対策が必要です。

屋根の損壊の影響とは

ちょうどこの夏のブログで、外装メンテナンスについて語っていました。外装は主に屋根、外壁を指しますが、台風では外装に大きな影響があることが、今回の実体験として大きな教訓になったのではないかと思います。

屋根瓦が飛んでしまったり、スレート屋根がめくれてしまうと、風雨から家財を守ることができなくなります。雨漏りがひどいと、暮らしが成り立たなくなります。家が傷み、湿気やカビなどで環境が悪化し、家財道具も水濡れしてしまうので、早急な修理が必要ですが、現状ではその手がまわらないようです。いったんはブルーシートで屋根を覆って、土嚢で止めている状態ですが、次の台風が接近すると、二次的な被害の心配があります。被災された方のお気持ちを思うと、心からお見舞いを申し上げるとともに、私自身も建築士として、何をすべきか考えさせられます。

古い家ほど被害が大きい

台風15号の復興支援ボランティアに行った友人によると、損壊した家のほとんどは、古い家だったそうです。屋根瓦が飛び、屋根の一部をブルーシートで覆う家が多く、ほかにも古いスレート(金属製)の屋根が飛んで、構造体がむき出しになっている家もあったそうです。電柱が倒れたり、商店の看板が折れ曲がって窓ガラスに直撃したり、飛散物があちこちに散らばっている家も多かったそうです。木造住宅だけでなく、商店や大型店舗のガラスが割れたり、看板が倒れたり、RC(鉄筋コンクリート)造の建物も鉄骨がむき出しになって壁がはがれるようなケースもあり、その被害の大きさに私も絶句しました。

一方で友人は、「新しい家にはあまり被害がないように見受けられた。瓦屋根の家でも瓦はしっかりと止まっており、窓ガラス自体も強化されているので、割れているケースは少ない」とも言っていました。

房総半島の住宅被害の特徴

台風15号は千葉県南部に上陸し、住宅に甚大な被害をもたらしました。特に、南房総市、館山市、鋸南町の被害が著しく、復興支援ボランティアの受け入れが進んでいます。県南部の被害が激しいため、あまり報道はされていませんが、千葉市や成田市などでも住宅の損壊や停電などで、日常生活に大きな影響を受けた方が多かったそうです。

館山市にボランティアに行った友人の話を聞きました。

「ブルーシートで覆われた家がとても多い。特に屋根瓦の被害が大きくて、瓦が飛んでしまったり、窓や壁が割れたりして、風雨にさられている家が多い。雨漏り防止のためにブルーシートで屋根や壁を覆って、土嚢で止めるしかない状態。屋根瓦を修理できる専門の職人が足りない。家財道具を守るすべのない高齢者が困っている状況。ボランティアの力でなんとか瓦礫の整理や、家財道具の移動などをおこなっているが、追いついていないようだ」とのことです。