これからも、地域のハウスドクターとして

2019年、日本は大規模な自然災害にたびたび見舞われた1年でした。気候変動による異常気象の猛威に、私たち人間はどれだけ耐えられるのか。首都圏では今後30年以内に70%以上の確率で大震災に見舞われるという予想もあります。日頃から、防災意識を持ちながら、日常生活の中で無理なく災害対策をしていく、そのための情報発信をこれからも続けていきます。

私たちは、地域の皆さんの「ハウスドクター」として、予防的な対策をお伝えしたり、いざ家が壊れたり修繕が必要な時の応急処置をすることもできます。家づくりのことを最もよく知っているのは、その家を建てた工務店です。大丸建設のOBのお客様以外の方の相談にものります。「ふらっと立ち寄れる工務店」に、いつでも気軽に相談しにいらしてください。

 

台風や水害に負けない家づくり

9月の台風15号は、どちらかといえば「風」の被害でした。強風や竜巻により、樹木が倒壊したり、屋根瓦が吹き飛ぶ、トタン屋根がめくれるなどの被害が発生しました。送電線の倒壊により停電が長引き、体調不良を起こしたり、熱中症で亡くなる方もいました。

10月の台風19号は「水」の被害が甚大でした。大雨が長時間降り続き、河川が決壊し、全国各地で甚大な浸水被害をもたらしました。土砂崩れもあり、「ハザードマップ」で立地を確認する必要性も訴えられてきました。

家づくりは、土地探しから始まります。私たちは建築の専門家として、「いざという時に命を守る」ことのできる家づくりを進めていきたいと考えています。

 

自然災害に備えるための外装メンテナンス

2019年は、9月に台風15号、10月に台風19号が猛威をふるい、首都圏でも住宅に甚大な被害が発生しました。特に千葉県の房総半島では、いまだに復旧していない住宅も多く、皆さんの越年が心配です。私は東日本大震災の復興支援ボランティアに関わってくるなかで、建築士ならではの支援も大切だと思ってきました。このブログでも、なるべく、専門家の視点で、自然災害への備えについて啓発してきたつもりです。

今年は、夏に外壁塗装や外装メンテナンスの必要性についてブログで発信してきました。単なる美観の問題ではなく、家の構造を守るためにも必要な外装メンテナンス。その後、台風が起こり、その必要性をますます強く感じました。

 

情報を収集しよう

地球温暖化や気候変動の影響により、今後、台風の大型化はますます進行すると予測されます。自分の住んでいる地域や地盤、立地が、どのような環境にあり、どの程度の災害によって避難を余儀なくされるか、事前に予測して、命を守るための適切な行動をとることが大切になってきます。

・家が河川の近くであれば、どの程度の雨量で河川氾濫の危険性があるか。

・家の立地が低地で浸水の危険性があるか。

・土砂災害に巻き込まれる可能性があるか。

・地盤が強いかどうか。

台風19号では、避難中に増水した河川の水にのまれて命を失った方もいます。避難する時にも、安全なルートを通って移動できるかどうか、事前の情報収集が大切です。

市区町村ごとに「ハザードマップ」を発表しています。自分の住んでいる地域、避難経路の安全性を確認し、大規模災害時には適切な避難行動をとれるよう、家族で話し合ってはいかがでしょうか。

ライフラインの途絶に備えて

台風15号、台風19号は、ともに大規模な停電や断水を伴う災害でした。大雨や浸水の被害によって、家で電気を使えなくなったところもあります。台風の前には、ライフラインの断絶に備えた準備も必要になります。

・数日分(1人1日3リットル必要とされる)の飲料水の確保。

・カセットコンロと、専用のガス

・トイレットペーパーやティッシュペーパー、ラップなど。

・トイレの水は、浴槽に水を貼っておくなどして確保する。

・数日ぶんの下着と衣類。

・寒い時期には毛布やカイロがあると安心

最近は空前のアウトドアブームです。アウトドアは防災力を養うことにもつながります。家族でレジャーをする時に「防災に役立つかもしれない」と意識するだけで、災害時に生かせるようになるはずです。

土砂災害から身を守るために

がけ崩れや地滑りなどの土砂災害は、一瞬にして土地や家屋をのみこんでしまい、命を奪うおそろしい災害です。急傾斜の山あいや崖地などに立地している住まいは、大雨や地震などの影響で、土砂災害に巻き込まれる危険性があると認識しておく方がいいでしょう。

住んでいる場所が「土砂災害警戒区域」であるかどうかを確認し、事前に予測ができる台風や大雨の際は「土砂災害警戒情報」を確認して早めの避難をしていくことが大切です。

土砂災害に巻き込まれてしまうと、九死に一生を得たとしても、家財が被害に遭うことも多く、生活の再建に困難を伴います。

土砂災害は小さな前兆で気付くことができます。例えば小石がパラパラと落ちてきたり、湧水や井戸水が濁るなどの変化、地鳴りなど、危険を感じたら、命を守るための行動、避難をする必要があります。

台風の事前対策(2)

台風は事前に予測できる災害です。家の外の対策が済んだら、室内の対策も必要になります。

室内対策で最も重要になるのは窓です。外からの飛来物によって窓ガラスが破損し、風や雨が吹き込んでくると、室内も危険な場所になってきます。ガラスがひび割れていたり、窓枠のガタつきがないか調べ、早急に対策をすること。もし業者による補修が間に合わない場合は、飛散防止フィルムを貼る、養生テープを「米」の字にガラスに貼ってガラスを割れにくくする、割れても飛散を最小限にする、カーテンを閉めておくなどの対策が必要です。

床上浸水が心配されるエリアでは早めの避難が大切ですが、事前に、家財や家電などの被害を最小限にするために、高所や2階に移動する。電気はショートの危険性があるので、コンセントを抜いておくなどの対策も必要です。

 

台風の事前対策(1)

内閣府の「政府広報オンライン」のツイッターでは、一戸建ての住まいの事前対策について、図解付きで次のような内容が発信されました。

・物干し竿:飛ばされないようにおろしておく。

・庭木:飛ばされたり倒されないように固定する。

・植木鉢:強風で飛ばされそうなものは家の中へ。

・雨戸やシャッターのない窓:割れたガラスの飛散防止のために、カーテンを閉めたり、窓に飛散防止フィルムを貼る。

・雨戸やシャッター:ちゃんと閉まるか点検補修を。

・窓:ひび割れやがたつきはないか。

・テレビアンテナ:錆びたりゆるんだりしていないか。

・屋根瓦やトタン:めくれたり壊れていないか。

・雨どい:枯れ葉や枝が詰まっていないか。

・プロパンガス:固定されているか。

(出典:内閣府「政府広報オンライン」ツイッター)

内閣府の政府広報オンラインを参考に

大規模災害に際して、インターネット、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)ではさまざまな情報が発信されますが、情報の信憑性について迷った場合は、できるだけ公的な情報にふれるようにしましょう。

内閣府の「政府広報オンライン」は、暮らし・安全、子育て・教育、健康・医療、災害・国民保護、社会保障・税など、生活に関するさまざまな情報をわかりやすく伝えています。

その中でも、「防災・減災」についての情報は、政府のもつ様々な施策に基づき、専門家の知見も得たうえで発信されているので、信頼して読むのに値します。

今回の台風19号の前によく読まれた記事のリンクを貼りますので、ぜひ参考にしてください。

 

<内閣府「政府広報オンライン」>

大雨や台風の気象情報に注意して

早めに防災対策・避難行動を行いましょう

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201206/1.html

台風は「事前対策」ができる災害

10月12日に日本列島を襲った台風19号は、前月の台風15号の記憶が新しかったこともあり、日本政府も異例の事前対策をうったえ、首都圏の鉄道路線の運休や公共交通機関、道路の安全確保、会社・商業施設の臨時休業など、「日本全体が台風に備える」ことになりました。

台風の3日前くらいから、ガソリンスタンドで給油する車が目立ち始め、スーパーマーケットやホームセンターでは防災備品を買い求める人であふれました。コンビニエンスストアからはペットボトル水が消え、台風の前日には窓に養生テープを貼り付ける家も出てきました。

政府も「内閣府広報オンライン」で家屋の台風対策を呼びかけ、専門家もメディア等でさまざまなアドバイスをしたので、事前対策を実行する家庭が多かったのではないかと思います。