耐震グレーゾーン住宅を解消したい(6) 東京都建築士事務所協会の提言

私が所属している「一般社団法人東京都建築士事務所協会」では、昨年11月に「新耐震グレーゾーン木造住宅耐震化促進についての提案」を行いました。熊本地震の現地調査や、事務所協会でのこれまで行ってきた数々の調査分析をもとに、東京都内の木造住宅の耐震診断実績等を交えて、細かく検証を行っています。私も数多くの住宅の耐震診断をしてきましたが、グレーゾーン住宅では耐力壁の壁量は基準を満たしていても、開口部の大きな南側と北側での壁量のバランスが悪い、柱と梁の接合部の金物の仕様が異なるなどの課題が見つかっています。

事務所協会の調査結果から、グレーゾーン住宅の耐震性能は旧耐震と2000年基準の中間に位置しており、本来必要とされる耐震性能を下回るものが多いことがわかりました。温暖化対策やエネルギー対策から屋根への太陽光発電パネルの搭載が増え、屋根荷重が増大してさらなる耐震性の向上が求められています。こうしたことを踏まえ、事務所協会ではグレーゾーン住宅の耐震化に関わり、都内自治体での耐震化補助への提言を進めていくこととしています。

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