5) こどもみらい住宅支援事業の対象となる新築住宅は?

こどもみらい住宅支援事業で、大丸建設では分譲住宅の用意はないので、対象となる新築住宅についてご説明します。年齢や施工期間のほかにも、いくつか条件があります。

  • 所有者(建築主)自らが居住すること。住民票における住所等で確認をします。
  • 土砂災害防止法に基づく、土砂災害特別警戒区域外に立地すること。
  • 未完成、または完成から1年以内であり、人の居住用に提供したことがないもの。賃貸等に出していない、ということになります。
  • 住戸の床面積が50平米以上であること。
  • 証明書等によって、いずれかの省エネ性能を確認できること。
    これについては次回、より詳しく説明します。
  • 交付申請時に、一定以上の工事完了が確認できること。
    交付を申請する際には、着工していることが条件になります。基礎工事が完了しているか、一定の出来高分の工事が完了していること。

 

 

8) 止まっていた本社1Fリノベを今年こそ!

大丸建設の本社1Fを、地域にひらかれたスペースにしたい。

そう掲げ、3年ほど前から少しずつ1Fの清掃や、社員とリノベプランを話し合ってきたのですが、気づいたらコロナ禍や代替わりなどで、あっという間に時が過ぎてしまいました。現場が忙しい、大工さんが足りないなど、お客様優先の嬉しい悲鳴のなかで、どうしても「自分のこと」は後回しになってしまう傾向があります。

本社リノベはこれまでにもURA(地域主義建築家連合)とのコラボイベントの中で建築家の皆さんに相談していた案件でもありました。ウィズコロナ時代に本格的に突入するなかで、地域に根ざした工務店の存在は今後ますます必要になってくると考えられ、地域の方が家の相談にふらりと訪れられるような、そんな場をつくっていきたいと考えます。

本社1Fリノベが2022年の大丸建設のトップニュースを飾れるよう、今年こそはその目標を社長ブログで掲げたいと思います。

 

6) ウッドショックを契機に、林業を持続可能に

2021年は北米に始まった住宅DIYブームにより、建材が一気に不足し、国産材の高騰を招くといった事態に陥りました。大丸建設では長年の産地との提携関係から、なんとか材を確保できたものの、価格上昇に対する社内負担も限界に達したため、お客様への価格転嫁をお願いする状況になりました。いまだに木材の供給不足、価格の高騰は続いていますが、私からするとこのウッドショックは、木材の価値を見直すいい機会になっているとも思えます。

1本の木が建材として使えるようになるには、50年以上の年月がかかります。その間、山の手入れをして、木が強く美しく育つように、山主さんたちは100年の計で山の管理をしていきます。そんなふうに育てられた木材を大丸建設では使っており、その価値を山に還元するためには、安く買い叩くような姿勢ではいけないと感じています。

ウッドショックを契機に、日本の林業が持続可能であるために、私たち工務店ができることを考え、お客様に伝えていきたいと思います。

5) 多様なコラボを実現したい

建築家とのコラボ住宅だけでなく、仲間の工務店とのコラボも力を入れていきたいことの一つです。30年もの間加盟している協同組合「匠の会」の仲間とは、今でも強い絆で結ばれ、工務店業界での勉強会、省エネや断熱など最新技術の研鑽でお互いに切磋琢磨しています。「チルチンびと『地域主義』工務店」の仲間も同様、自然素材を活かした家づくりをともに学べる仲間です。

2003年に「チルチンびと『地域主義』工務店」の設立時に一緒に関わった長野県のデフさんは、自然素材派の工務店としてその知名度は全国区で、現在は関東でも手広く建築を手がけています。昨年、デフさんと再会する機会があり、東京や神奈川の物件の施工をお手伝いすることになりそうです。自然素材住宅ではトップランナーのデフさん。たくさんのファンをつくる秘訣などを学びながら、かつて一緒に自然素材建築を現場として切り開いていった仲間として、私もコツコツと続けてきた現場でのノウハウを提供しながら、ともに高めあえる関係を築いていきたいと感じています。

4) 建築家コラボが増えた喜び

ここ1、2年で、建築家の設計、大丸建設での施工という理想的なコラボ物件が誕生しています。ことこと設計室の小林さんは、『チルチンびと』にも掲載される若手建築家で、これまでに新築物件を手がけ、現在、マンションリノベーションでご一緒しています。

松本直子建築設計事務所の松本直子さんは、『チルチンびと』でも大人気の建築家。いつか松本さん設計の家を手がけたいという憧れを抱いていて、2019年に開催した大丸建設とURA(チルチンびと地域主義建築家連合)とのコラボイベント「本物の木の家を建てたい人のための 住まいの相談会」のゲストとしてお招きしました。このイベントを通して松本さんとたくさんお話をして、お互いのことを知ることができました。2020年から立て続けに、松本さん設計の新築住宅を任されることになり、今でもいい関係が続いています。

URAの建築家、木下治仁さん、伊藤誠康さんとのお仕事の経験も、大丸建設にとっては宝です。

大丸建設では今後も、自社設計と、建築家とのコラボと両輪があることで、美しさと機能性を両立した、本物の自然素材の家づくりを進めていきます。

2) 少ない人数で風通しのよい組織に

大丸建設は現在、主力で動いているのが私・安田佳正と、現場監督の雨宮、山崎の3人です。先代の安田昭は、代表取締役会長としてOBのお客様や経営のフォローをし、今なお現役で会社の屋台骨を支えてくれます。経理のベテラン・高野も会社の「お母さん」的存在として活躍中です。

会長 安田昭

本社2Fは大丸建設の主戦場。常に動く現場の状況を3人で把握し、声を掛け合いながら、お客様との打ち合わせや、現場の職人さんのスケジュール調整や進捗管理、見積もりと積算、設計士の先生方との打ち合わせ、材料の手配等々、忙しく動いています。昨年、大丸建設で長く勤めてくれていた設計・営業の田上が定年を超えて退職し、当時は不安もありましたが、1年ほどが経って3人でフットワーク軽く動けるようになったのも大きな収穫でした。

社長 安田佳正

今年も現場監督の2人を中心に建築現場を回し、私はもう少し大きな目で俯瞰をして会社と社会を見渡し、大丸建設の過去、現在、未来を見据えて経営戦略を立て社員を引っ張っていけるような存在でありたいと思っています。

現場監督 雨宮
現場監督 山崎

1) 2022年、新年の抱負

 あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

20214月に、私、安田佳正が株式会社大丸建設の代表取締役社長に就任して、初めてのお正月を迎えます。6代目を受け継ぐにあたり、専務取締役として会社の実務一切を取り仕切るなかで、ここ数年かけて社長就任に向けて準備をしてきましたが、実際に社長になってみると、会社としても大きな変化を遂げていることを実感しています。

昨年5月ごろから、新規のお客様の問い合わせが毎月コンスタントに来るようになり、設計事務所との仕事も増えてきました。大丸建設は9月が期首で、すでに今期は、私が入社以来の最高の成績でお正月を迎えられる状態になっています。これまでの数年間で準備してきた、設計事務所とのコラボイベント、イベント出店等を通しての地域との関係構築、地道な広報がようやく身を結んでいることを感じます。

今年はいい波にのれてきています。勝って兜の緒を締めよ、ではありませんが、こういう時こそますます地道に、ていねいに、仕事を進めていきたいと思います。

日常生活でも化学物質対策を

ここまで見てきたように、化学物質過敏症と言っても反応も軽度なものから寝込んでしまうくらいのもの、精神的にも不安や不調をきたしてしまう場合など、本当に人それぞれです。私にも花粉症がありますし、ヒバの香りをかぐと喉が痛くなります。誰がなってもおかしくないし、今は平気でもある時突然かかってしまう可能性もあります。

建材だけでなく、例えばホームセンターの家具売り場や、車のディーラーでの新車の匂いなども、人によっては反応が出やすい場所の一つです。何か違和感を覚えたら、なるべくその場から立ち去る方がいいと言えます。現在社会問題にもなっている「香害」では、洗濯用の柔軟剤への反応が多いです。近隣の洗濯物の香りや、学校で使い回す給食着、あるいは電車で隣に座った人の香料でも、人によっては反応が出ることもあるんだ、という認識を持つことが大切です。

誰もが異なる「化学物質を許容するコップ」を持っていて、その水があふれた瞬間につらい症状に悩まされる可能性がある、ということに想像力を持つことで、思いやりをもった選択ができるようになることが望まれます。

 

化学物質過敏症のお客様に接する時に気をつけていること

化学物質過敏症の方は、精神的なストレスを抱えることが多くあります。現代はさまざまな化学物質に囲まれ、ご自身がどんなに気をつけていても、思いがけずに化学物質にふれざるをえず、反応してしまうことがあります。例えば、ご家庭では香料のない洗剤で洗濯をしていても、ご近所の方が使った柔軟剤の香りが風にのってきてそれに反応してしまう、というように、ご本人の責任ではないのに苦しみを抱えてしまうことがあります。

大丸建設で化学物質過敏症のお客様と接する時に大切にしているのは、その方が症状に悩み苦しんできた方であるということを理解し、尊重しながらヒアリングを進めていくことです。一人ひとりが異なる症状や悩みをお持ちなので、「素直に、率直に、思ったことを言ってください」とお伝えします。建材のテストでは、ちょっとでも無理をすると後から困ったことになるので、起きた症状を素直に教えていただくようにします。「決して無理をしないこと」「ゆとりをもってテストを行っていくこと」。これを大切にし、双方ともに心にゆとりを持って向き合えるように心がけています。

 

化学物質過敏症対策のコスト

化学物質過敏症対応の住宅の場合、コストはどれくらい変わるのでしょうか。これは一概には言えず、どういう材料を使うのかによって大幅に変わります。一つ言えるのは、すべてオーダーメイドで対応しなければならない、ということです。

大丸建設の場合、杉材が大丈夫であれば、それほど金額は大きく変わらないという実績があります。例えば床材でベニヤ(合板)がダメな方でも、根太や捨て張りといった施工の対策によって、自然素材だけでも対応できますので、若干割高になってもそこまで大幅なコストアップにならずに済むこともあります。しかし一度施工した後に、やっぱりダメで、また施工をし直すとなると、コストがかさんでしまいます。

杉材やヒノキ材を使えない方の場合は、材料探しが大変になります。今まで手がけたケースでは、モミの木ならば大丈夫ということで対応したことがありますが、一般的な住宅用材ではないため高いコストがかかってしまいました。

人によっては、機械乾燥の材はダメで自然乾燥ならば大丈夫、同じ木を二つに割って片方は大丈夫で片方はダメ、ということもあり、ていねいに根気よく確認、テストしていくことが大切です。