2012年09月20日(木)

まずは目視で耐震性をチェック!

 最初に耐震診断のご相談を受ける際は、まず外回りから目視して、屋根材の状態や傾きがないか、雨漏りがないか、壁や基礎にクラック(割れ)がないか、サッシがきちんと嵌っているかなどを確認します。その建物が大地震の際に倒壊する可能性があるかないか、数値としては明確に出せないけれども、目視である程度の予想はつきます。
 例えば、屋根が瓦材などの重い素材の場合は建物全体の重量が増すので、地震の際に重みでつぶれるなどの可能性は否定できません。ただ、瓦に応じた太い柱や梁で支えられており、壁の量が確保されているのであれば、その可能性は低くなります。
 壁の割れなどは判断材料の一つになりますが、その家が建てられた後もどれだけ細やかに手入れがなされているかどうかも判断の基準になります。また、そもそもの建築時の大工さんの技量や、木構造の組み方など、建築士と大工のレベルで耐震性能は変わってきます。耐震性能の判断基準になる耐力壁の量が同じでも、手の入れ方で耐震診断の結果には差が出てきます。

2012年09月18日(火)

「この家、大丈夫なんですか?」

 耐震診断のお申し込みを受けたら、まず、お客様の家を訪ね、お話をうかがいます。その時、必ず聞かれるのが「この家は大丈夫なんですか?」「直すといくらかかるの?」ということ。そうしたら私は、「診断しないと回答は難しいですよ」とお返事します。
 大丸建設は「ハウスドクター」として、住まいの診断や細かいメンテナンスなどを手がけています。時に大きなリフォームに及ぶこともあります。お医者さんが「具合が悪いかもしれないからクスリをください」と言われても、診断をしないと処方箋を出せないように、私たちも「この家大丈夫なんですか?」と聞かれても、実際に診断しないと大丈夫なのか倒壊する危険性があるのかは判断できません。
 とはいえ、長年の経験とカンで、住宅の外観を目視するだけでも、ある程度の判断はできます。ただ、私のポリシーでは、きちんとしたことをお伝えするには、しっかりとした診断をして根拠となる数字を出してから、と考えておりますので、お客様にもそのようにお伝えしています。

2012年09月14日(金)

住宅の耐震診断を申し込みたい時

「我が家の耐震性能、大丈夫?」
 1981年の新耐震基準以前に建てられた木造住宅の場合、地方自治体の耐震診断助成制度で、耐震診断にかかる金額の補助を受けられます。お気軽にお問い合わせください。
 耐震診断をご希望される方で、大丸建設をご存知の方は直接お問い合わせいただいても構いませんが、稲城市の助成を受けられるのは稲城市に木造住宅を所有されている方が対象となります。稲城市以外の方は、立地自治体に直接お問い合わせください。
 大丸建設にも直接お問い合わせをいただくこともあれば、稲城市の消防本部を介してご紹介いただくこともあります。1981年以前の木造建築物は、いわゆる「耐力壁」と呼ばれる耐震性能のある壁面や筋交いなどが少なく、また基礎に入る鉄筋の量も少ないことが多いので、大地震の際に住宅が「倒壊する危険性がある」とされています。
 ご不安な方は、一度ご相談ください。

2012年09月12日(水)

住宅の耐震診断について

 9月は防災月間です。首都圏で直下型地震が起こる可能性が高いと言われており、昨年は東日本大震災を経験したことから、住宅の耐震診断に対する関心が高まっているのを感じます。
 各自治体では耐震診断に対する助成制度があります。大丸建設の所在する東京都稲城市では、「木造住宅耐震診断助成制度」があります。市内にある木造住宅で新耐震基準(昭和56年-1981年6月1日)以前に施工した個人が所有する住宅に対し、耐震診断費用が5万円まで助成されます。
 大丸建設は東京都木造住宅耐震診断事務所に登録してあり、実際に地震が起こった際の建築物の被災度区分判定実施事務所でもあります。私自身もこれまで、稲城市災害防止協会・稲城市消防本部の防災講演会で講師を務めさせていただくなど、建築物の防災と耐震診断に対して強い想いがあります。
 今月は、住宅の耐震診断について、いったいどんなことをするのか、新耐震基準以前の住宅でも大丈夫なのかなどについてお伝えします。

2012年09月03日(月)

最後の仕上げは玄関、そして建具

 基礎、構造材、屋根材、窓枠、断熱材、内壁、外壁ときて、家の基本的な仕上げはこれでほとんど完成ですが、最後の仕上げとして、玄関の三和土(たたき)をつくります。
 三和土はモルタルの中に仕上げの石を混ぜて塗り、乾き出した時に水で流して磨くことで、とても美しく出来上がります。混ぜ込む石は、大磯、さび砂利、那智石などで、使う石によって和風にも洋風にも、古風にもモダンにもなります。ビー玉などを入れてカラフルに仕上げるのもいいですね。
 玄関の扉や間仕切りドア、押し入れのふすまなどの建具も最後です。建具はまた深い世界ですので、改めてご紹介する機会があればよいなと思っています。
 
 8月は大丸で使う建材をご紹介してきましたが、意外と多くなくて、シンプルで驚かれたことと思います。有害化学物質を含まないものを吟味していくと、使える建材は限られていて、自ずとシンプルに行き着くのだと思います。

2012年08月31日(金)

お客様も参加できる壁塗り

 室内で最も面積が広い、壁。大丸建設では、内壁は、無垢材と左官材の組み合わせを重視しています。
 無垢材を全面に張った内装も可能です。ただ木目が気になる方や、木の重みをどうしても感じやすいので、例えば腰壁は無垢材にして、そこから上は左官材を使うのもよいですね。
 大丸で使っている左官材は、生石灰クリーム、漆喰、中霧島壁、珪藻土が主です。 
 生石灰クリームは水を混ぜるだけでカンタンに塗ることができます。お客様の施工も可能です。漆喰はより本格的な端正さを求める方に。中霧島壁は外壁のそとん壁と同じく火山灰シラスから出来ており、土っぽさを感じる仕上げです。珪藻土は藻類の一種の化石が原料で、調湿性にすぐれ、施工のしやすさから人気の内壁材です。
 ほかにも、和紙を壁に貼るなどもできますし、お客様のお好みとご要望に合わせて、さまざまなアイデアを実現できる、住まいづくりの楽しみどころでもあります。

2012年08月29日(水) 2012年08月27日(月)

壁の内側と断熱材

 大丸建設のホームページ内では、木構造や壁の内部構造などをわかりやすくイラスト図解しています。
http://www.kk-daimaru.co.jp/tech.html
 壁は、柱と柱の間に間柱を立て、外側に透湿防水シートを張ります。シートの内側には断熱材を入れます。大丸建設が標準で使っているのは、サーモウールという羊毛断熱材です。空気をたっぷり含み、天然の吸放湿性があり、断熱性もとても高く、施工もしやすいです。化学物質の吸着性能も高く、空気清浄効果があります。
 また、お客様からご要望があった場合は、セルローズファイバーといって古新聞や古紙を綿状にして、重力による沈下を防ぐために麻を添加したリサイクル断熱材を使うこともあります。セルローズファイバーは断熱性の高さに加えて、防音効果が高いのが特徴です。
 間柱の間に断熱材を充填したら、室内側にプラスターボードを張ります。これは石膏を固めたボードで防火性能が高く、内壁材の下地としても使います。

2012年08月24日(金)

窓枠はいろいろな種類が選べます

 屋根を張り終わったら、雨風に当たりにくくなるので、内装工事がどんどん進んでいきます。
 窓枠(サッシ)については、大丸建設ではアルミサッシのペアガラスを標準採用しています。家の熱損失の係数は、実は窓ガラスが最も高いと言われています。ペアガラスにすることで、内部に空気層をつくり、熱が逃げにくく、逆に暑さも軽減することができます。
 サッシについては、いまは選択肢が広がってきています。木製サッシとは、窓枠が木製でできているもので、国産のサッシもあります。価格は高めですが断熱性が高く、美観にも優れています。樹脂のサッシもあり、こちらは断熱性や機密性能がとても高いと言われています。ただやはり価格がまだ高いのが難点です。
 ガラスの種類もいろいろあり、ガラスの間に特殊金属膜を配し、断熱・遮熱性能を高めたLow-Eペアガラスや、ペアガラスの間に特別な空気層を用いたもの、防犯性能を高めたものなど、バリエーションが選べます。
 ただ、いずれにしても機能を足すほどにお値段が上がりますので、基本性能としてのペアガラス+アルミサッシと、その他の部分の断熱性や耐震性など、トータルで家の性能を考えるのが大切です。

2012年08月23日(木)

屋根に使う瓦・ガルバリウム鋼板

 基礎コンクリートを打ち、土台を敷いたら、1日で建物の柱、梁、屋根の垂木までを組み上げる上棟式をおこないます。家づくりの一番の見せ場と言ってもよいでしょう。
 上棟式が終わったら、いよいよ本格的な内装工事に入ります。最初に手がけるのは屋根工事です。
 屋根の垂木は無垢材で、野地板も杉の無垢材を使っています。野地板の上には雨がかりなどを防ぐための透湿防水シートを貼ります。ポリエチレンの不織布で、湿度は透すが水は漏らさないという機能性が高いものです。
 屋根断熱と防音性を高めるために、屋根材と野地板の間にフォレストボードという断熱材を敷いています。これは秋田の杉材の間伐材や集成材から出る端材をチップ状にして固めたもので、ボード状になっていることから加工しやすく、大丸では屋根断熱に使っています。
 その上に、屋根材を張ります。いま大丸の家では、ガルバリウム鋼板が主流です。アルミニウムと亜鉛と少量のシリコンでできており、軽量で耐久性が高いことから、屋根材としてよく使われています。特に最近は地震対策という観点から、屋根材を軽い材料にする傾向があります。
 一方で、昔ながらの屋根瓦へのニーズもあります。屋根瓦は土に釉薬をかけ焼き締めたもので、日本各地に瓦の文化が残っています。