(5) ウッドショックで国産材価格はむしろ適正に?

林野庁の統計データを見ると、国産材の価格はそもそも安すぎたのではないか、という指摘があります。統計データをとり始めた1960年(昭和35年)はスギの丸太1流米(m2)あたり10,000円ほどで、1980年(昭和55年)までは上昇を続け、40,000円ほどになりました。その後、価格が下落を続け、2020年は13,000円ほど。結果的に、ウッドショックで国産スギ材の価格が20,000円ほどに上がったとしても、そもそもウッドショック前の値段が適正だったのかどうかを考え直さなければなりません。

もちろん、お客様にとっては、素材の価格は安いに越したことはないですし、国産材が高いから国産材を使えない、という選択になるのは、工務店として避けたいのが本音です。しかし、木材価格があまりに安いと、林業そのものが持続可能ではなくなるので、今後数十年先を見越した時に、日本の木材加工の技術や日本独自の建築工法が廃れてしまうのは残念極まりないです。

何をもって適正価格というのか、ウッドショックをきっかけに、私たち工務店も、お客様も、一緒に考えていくことができればと思います。

 

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