日本で木材自給率が向上し、住宅建築で国産材を使うことが再び一般的になってきたのには、消費者の意識が変わってきたことにもあるのではないか、と思います。『チルチンびと』のような雑誌が、木の家づくり、木のあるライフスタイルをリードしてきたことには間違いありませんが、お客様自身が「無垢材の家をつくりたい」という要望を持っていなければ、いくら工務店側がそう思っていたところで、実現できません。
昔は「柱は檜でなくてはならない」という意識が根強く、杉を構造材に使うことに、建て主も工務店も抵抗があったことも否めません。しかし、今では杉が構造強度に優れていることが科学的に明らかになり、また乾燥の仕方によってより強度が高まるなど、技術面が向上して、杉を構造材に使うことが当たり前になってきました。
こうした社会的な状況と消費者ニーズが、国産材を使うことを後押ししてくれるようになったと言えましょう。