2024年09月05日(木)

備えあれば憂いなし_4 備蓄品の保管場所について

防災備蓄品の保管場所は、家庭の中でどこが適しているかを考える際、まず、取り出しやすい場所であることが重要です。地震や災害が発生した際に、すぐにアクセスできる場所に保管しておくと、いざという時に慌てずに済みます。例えば、玄関の近くやリビングの一角にまとめて置くのが効果的です。

次に、複数の場所に分けて保管することをおすすめします。家が倒壊したり、部屋が塞がれてしまった場合、1カ所にすべてを保管していると取り出せなくなるリスクがあります。たとえば、リビング、寝室、車のトランクなど、分散して備蓄することで、アクセスしやすいようにしましょう。

さらに、湿気や高温に注意することも大切です。食品や医薬品は湿気や温度に弱いので、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください。押し入れやクローゼット内も良いですが、湿気がこもりやすい場所では除湿剤を使用するのが効果的です。

みなさんの家庭内で最適な場所はどこでしょうか。あらためて見直してみて、非常時に備えましょう。

2024年08月29日(木)

備えあれば憂いなし_3 家族構成に合わせた防災備蓄の見直しを

防災意識の高まりを受け、備蓄品の見直しを進めている家庭も多いのではないでしょうか。その際はぜひ、家族構成に合わせた備蓄になっているか、見直してみましょう。

特に小さなお子さんがいるご家庭では、ミルクやおむつ、離乳食など、日常的に使うものを多めに準備しておくと安心です。また、子どもが成長するにつれて必要なものが変わるので、定期的に見直すことが必要です。

食料は、家族全員が食べられるものを選び、長期間保存できるものがベストです。缶詰やレトルト食品、インスタントラーメンなど、普段から食べ慣れているものを備えておくと、非常時にも安心して食べることができます。水は1人1日3リットルを目安に、少なくとも3日分、できれば1週間分を備えておくことをおすすめします。

さらに、医薬品や衛生用品も忘れずに準備しましょう。常備薬のほかに、消毒液やマスク、絆創膏など、緊急時に役立つアイテムや、女性や赤ちゃん向けのケア用品も忘れずに用意しましょう。おむつなどはいざという時に代替できるので、多めに用意しておくとよいと思います。

2024年08月26日(月)

備えあれば憂いなし_2 緊急時こそパニックにならずに情報収集を

2024年は元日に能登半島地震が発生し、夏休みの日向灘沖の地震、その直後の関東地方での地震、北海道沖での地震など、全国的に地震に対する警戒が高まっています。

2011年の東日本大震災の時には、当時のTwitterで災害情報がいち早く周知され、人々がボランティアに駆け出し、SNSを通した義援金の呼びかけや、助け合いが行われるなど、SNSがプラスに活用され始めた時期でした。

それから10数年が経ち、SNSにフェイクニュースが出回るなど、負の側面も広がってきています。特に今年の能登半島地震では、東日本大震災の時の津波の映像がSNSにあふれて、正しい避難情報が伝わらなかったり、「家族が下敷きになっている」といった救助要請の中に、嘘の情報が混じって拡散されるなど、偽情報によって行われるべき救助に支障をきたすなどの事態も起こりました。これらは、SNSでの投稿がどれだけ読まれるかといったアルゴリズムによる収益構造も絡み、日本と全く関係のない国の人が誤情報を発信し続けるというケースもあります。

災害時ほど、正しい情報は何かを精査して情報を受け取り、情報による被害者にも加害者にもならないように気をつけましょう。

2024年08月22日(木)

備えあれば憂いなし_1 大震災に備え防災備蓄の見直しを

8月8日、宮崎県日向灘沖でマグニチュード7.1の地震が観測され、宮崎県や鹿児島県などで建物に被害が出ました。この地震で衝撃的だったのが「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されたこと。一週間程度は巨大地震の発生確率が相対的に高まるとして、政府が注意喚起をしています。「一週間以内に必ず大地震が発生するわけではない」ことに注意をおき、パニックになって無用な避難や買い占めなどに走らず、普段よりも地震への警戒を怠らないように、ていねいに備えていくための臨時情報です。

大丸建設でも、スタッフ自身が地震への備えを見直し、防災備蓄や普段の持ち物などを確認しました。南海トラフ地震に限らずとも、首都圏でも直下型の地震の発生確率は高く、普段から防災を意識しておくことは大切です。今回の臨時情報は、多くの方にとって改めて気を引き締めるきっかけになったのではないでしょうか。

2024年08月19日(月)

林業の未来_8 林業の明るい未来を期待したい

若い世代の林業への就業に向けて、林業を学ぶための教育プログラムや訓練施設の充実も、近年は目を見張ります。例えば、全国の農業大学校や専門学校では、スマート林業に関するカリキュラムが導入され、最新技術を学べる環境が整っています。また、林業に特化したインターンシッププログラムも増加しており、実地経験を通じて林業の魅力を実感する機会が提供されています。

加えて、政府や自治体の支援策も充実しており、林業就業者支援金や若手林業者向けの研修プログラムなどが展開されています。これにより、経済的な不安を抱えずに林業に参入できる環境が整いつつあります。

日本の林業が持続可能でなければ、私たち大丸建設も持続可能ではありません。若い世代の林業の担い手が育つことで、国産材を使った家づくりを続けていくことができます。一方で、大工などの職人や工務店の現場監督も若い担い手育成が急務ですので、私たちも業界として一丸となって人材育成を進めていかなければなりません。

2024年08月15日(木)

林業の未来_7 若者の林業従事につながるか

スマート林業の普及によって、実際に林業に若者が参入するようになってきているのでしょうか。

2022年の林野庁の報告によれば、2020年における林業従事者数は43,710人で、全産業の平均年齢48.0歳に対して、林業従事者は52.1歳となります。高齢化率は高いと言えるでしょう。ただ、1990年にはわずか6%の若年者率は2020年に17%まで回復しており、特に伐木・造材・集材従事者数の年齢階層別にみると、40~44歳が最も多くなっており、若返りが顕著であることがわかります。

林業のデジタル化や自動化が進むことで、従来の3K(きつい、汚い、危険)イメージが改善され、若者が興味を持ちやすくなった結果です。

林野庁では、林業に関心のある都市部の若者に向けて、就業相談等を行うイベントの開催や、就業希望者の現地訪問の実施などの「緑の雇用」事業を始めています。2021年度はこの緑の雇用によって720人が新規に就業しており、今後定着化に向けてのサポート体制も整っています。

2024年08月12日(月)

林業の未来_6 3K林業からの脱却へ

林業が「3K」と言われてきた理由は、主に「きつい」「汚い」「危険」という労働環境の厳しさからです。これにより、若い世代が林業に興味を持たず、後継者不足が深刻な問題となっていました。

まず、「きつい」という点については、林業の仕事は肉体的に非常にハードです。山中での伐採作業や重い木材の運搬は、体力と持久力が求められます。長時間の作業や悪天候での作業も一般的で、心身に大きな負担がかかります。

次に、「汚い」という点では、森林作業は泥や木くず、油などで汚れることが多く、作業環境も快適とは言えません。「危険」という点も大きな問題です。高い木を伐採する際の事故や、重機の操作ミスによる怪我など、林業には多くの危険が伴います。これが安全性に対する不安を生み、さらに後継者不足を招いています。

こうしたことから、林業は慢性的な人手不足に悩まされてきました。また、後継者が少ないため、高齢化が進み、技術や知識の継承が難しくなっています。さらに、経済的な面でも林業経営は厳しい状況にあります。市場価格の変動や、輸入木材の増加による価格競争が影響し、持続可能な経営が難しい状況に陥っていました。

これらの課題を解決するためには、スマート林業の導入が重要です。技術の革新により、作業の効率化と安全性の向上が図られ、若い世代が魅力を感じる環境が整いつつあります。

2024年08月08日(木)

林業の未来(5) 伐採や運搬もスムーズに

従来の林業では、伐採や運搬作業は主に人力と重機がメインでした。重機を運ぶまでが大変で、時間がかかり、林道の確保ももちろんですs、労働力の確保が課題となっていました。

伐採作業は、専門の伐採者がチェーンソーや重機を使って行い、その後、切り出した木材をトラックやトレーラーで運搬するのが一般的でした。これらの作業は熟練した技術が必要であり、特に山間部では作業の安全性確保が大きな課題でした。

スマート林業の導入により、伐採や運搬の多くの作業が自動化されました。例えば、最新の伐採ロボットは、木の種類や状態を自動的に判断し、最適な切断方法を選択して効率的に伐採します。これにより、作業の精度と安全性が大幅に向上しました。また、GPS技術を活用した自動運搬車は、指定されたルートを自動的に移動し、木材を安全かつ迅速に搬出することができます。

自動選木や自動伐採、自動集材や自動積み込みなど、現地の状況の把握と分析、判断や指示をワンオペで行うことができ、まさに「3K林業」と言われていた状況が少しずつ変化しつつあります。データを活用した計画的な伐採により、森林の持続可能な管理が促進され、環境への影響も最小限に抑えられます。自動化技術の導入により、スマート林業はこれまでの課題を克服し、効率的かつ持続可能な森林経営を実現できる可能性があるのです。

2024年08月05日(月)

林業の未来_4 スマートセンサーによるモニタリング

スマート林業では、IoT技術を利用したスマートセンサーも林業に大きな技術革新をもたらしました。この技術は、森林管理の効率化と精度向上に大きく貢献しています。

スマートセンサーは、森林内のさまざまな場所に設置され、土壌の湿度、気温、降水量などの環境データを継続的にモニタリングします。これにより、森林の状態をリアルタイムで把握することが可能となり、迅速な対応が求められる状況にも適切に対処できるようになります。

過去の林業では、人手による定期的な測定が必要であり、広範囲にわたるデータ収集は困難でした。しかし、スマートセンサーの導入により、広い範囲の森林を同時に監視できるようになり、データの取得頻度も飛躍的に向上しました。さらに、これらのデータはクラウドに蓄積され、分析することで長期的な森林管理の計画にも活用されます。気候変動の影響を予測し、適切な対策を講じるための重要な情報源となります。これにより、持続可能な森林経営が実現し、森林資源の保護と利用の両立が可能となります。

スマートセンサーの導入により、過去には見逃していた細かな環境変化を捉え、迅速かつ適切な管理ができるようになったことが、スマート林業の大きなメリットです。

2024年08月01日(木)

林業の未来_3 ドローンを使えると何がいいのか

ドローンや人工衛星を用いた森林のリモートセンシング技術について、林業は大きく効率化を果たすことができました。この技術は、森林の状態を上空から撮影し、画像データを分析することで、従来の方法よりも効率的に森林管理ができるようになりました。

これまでの林業では、森林の状況を把握するために人手による調査が主流でした。これには時間と労力がかかり、広範囲のデータ収集が難しかったのです。しかし、リモートセンシング技術を使えば、ドローンや人工衛星が定期的に森林の全体像を撮影し、植生の変化や樹木の健康状態を把握することができます。

例えば、ドローンは低空から高解像度の画像を撮影し、樹木の病害虫被害や土壌の浸食など細かな変化を捉えることができます。一方、人工衛星は広範囲の森林をカバーし、季節ごとの変化や大規模な森林火災の早期発見に役立ちます。

これにより、森林の状態をリアルタイムで監視でき、異常が見つかれば迅速に対応することが可能になります。また、これらのデータを蓄積し、長期的な森林管理計画に活かすこともできます。リモートセンシング技術の導入により、スマート林業はより持続可能で効率的な形へと進化していると言えます。