夏の「蚊」対策_8 実は恐ろしい蚊

夏はほぼ誰もが虫刺されを経験すると言ってもいいほど、蚊は日本人にとって馴染みの深い生物です。しかし、油断は禁物です。蚊は感染症を媒介する性質があるからです。

ヤブ蚊として知られる「ヒトスジシマカ」はデング熱やウエストナイル熱の媒介蚊です。ほかにも、黄熱病、日本脳炎、マラリヤ、ジカウイルス感染症なども蚊によって感染します。

蚊によって媒介される感染症の多くは、熱帯地域やアフリカなどで流行しますが、アジアでは日本脳炎とジカウイルス感染症の発生が認められています。また、日本でも2014年にデング熱の感染例が確認されました。デング熱はジカウイルス感染症はワクチンがないので、蚊に刺されないこと以外の予防法がないのが現実です。

「蚊は世界で最も人間の命を奪う動物である」という言葉がありますが、これはデング熱やマラリヤなど、蚊が媒介する感染症での死者が世界全体を見てとても多いことに由来しています。気候変動や人の移動領域の拡大によって、感染症が世界的に蔓延する状況をこの数年のわたしたちは知っています。「たかが蚊」と侮ることなく、その危険性をしっかりと認識し、対策をしていくことが大切です。

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