リノベーションのプロセス_2 設計プロセスの重要性

設計段階は、中古住宅のリノベーションプロセスにおいて、具体的な計画を策定する重要なステップです。まず、建築家やデザイナー(私たちが担当することがあります)がお客さまと直接対話して、ニーズや希望を詳細に把握します。これには、間取りの変更や内装のリフォーム、外観の改善など、様々な要素が含まれます。また、現在の既存住宅の特性や制約についても考慮が必要です。

続いて、作成した設計案をお客様に提示します。予算や工期の考慮も大切で、実現可能なプランをお示しすることが大切です。このプロセスで行き違いがないよう、何度も意思確認をしていき、詳細な図面や仕様書を作成します。設計段階では、建築基準法や各種規制についても十分な配慮を行います。

お客さまの希望を満たしながら、リノベーションのコストや品質を確保していくことがとても大切です。

リノベーションのプロセス_1 ニーズを把握

大丸建設は、新築住宅の設計・施工がメインの仕事ではありますが、近年増えているのは中古住宅のリノベーションの依頼です。この20年ほどで、修繕的な意味合いのリフォームから、機能刷新のリノベーションに対するお客さまの理解が高まっています。既存の骨組みを活かしながら、新築よりも安価で、かつ現代のライフスタイルに応じた機能を獲得できるリノベーションを選択する方が増えています。

リノベーションに際して、お客さまのニーズの特定と目標設定は、最も重要なステップの一つです。例えば、ファミリー向けの快適な住環境の提供、老朽化した設備のアップグレード、エネルギー効率の向上など、さまざまなニーズが考えられます。お客さまの予算や「こんなライフスタイルを送りたい」という期待も重要な要素です。目標を設定する際には、リノベーションの注力点や予定期間も考慮し、お客さまのニーズを実現するための最適なアプローチを見極めます。

物価高騰_2 かなり厳しい物価高

建築業界の物価高は、今に始まったことではありません。コロナ禍の2020年に、DIY市場のある北米でDIYブームが起こり、木材や建材が品薄になりました。その余波で2020年後半から2021年にかけて「ウッドショック」が起こり、木材が手に入らない、価格が高騰するといった状況が続いています。

続いて2021年には「アイアンショック」も起こりました。鉄筋や鉄骨といった、住宅の基礎には欠かせない鋼材の価格が高騰し、入手しにくくなったことから、工期遅れなども生じました。大丸建設は木造建築なので、アイアンショックの影響は限定的ではありましたが、それでも資材の価格上昇は如実に影響しています。

木材、鋼材だけでなく、原油価格の上昇から、クロスや断熱材、窓サッシ等のあらゆる建材が価格上昇の影響を受けています。それゆえに、工務店が資材の発注等でかかる見積もりも上昇し、お客様にもご負担をお願いするものの、あまりに価格の上昇幅が大きいため、工務店側でも利益を削っているのも事実です。

物価高騰_1 住宅業界にも物価高騰の波が

近年、家庭に物価高騰の波が押し寄せています。近年はエネルギー価格が高騰し、一時的に電気代が何倍にもふくれあがった家庭があったり、ガソリンの価格は高止まりのままです。家庭の光熱水費の影響は生活に直結し、ご苦労された家庭も多かったのではないでしょうか。

生活必需品の値上げも深刻です。円安の影響もあり、昨年は9000品目が一斉に値上げ、とか、食品でも値上げかつ袋の中に入っている量がとても少なくなったり、ニュースではスーパーマーケットでため息をつく生活者の姿がたびたび取り上げられました。原油価格、資料価格、包装資材、運送費、すべてが値上がりしたので、社会全体が物価高に苦しんでいる状態です。

建築業界も他人事ではありません。物価高騰の波が押し寄せ、会社の努力だけで吸収するのは難しい状況になってきました。今月は住宅業界の物価高についてお話しします。

2024年の抱負_5 国産材を大切にする

環境的な持続可能性を考えるときに、ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)やライフサイクル・カーボンマイナス住宅(LCCM)などが言われますが、どうしてもエネルギー効率寄りの話になり、私としてはその視点に加えて、「国産材の住まいづくり」が環境配慮型の住宅にとって、非常に大切な要素なのではないかと考えます。

国産材を使うことは、多様なメリットがあります。一つは、木を育てることは森を育てることと同義で、健康な森は温室効果ガスの一つである二酸化炭素を吸収して光合成し、酸素を作り出します。森をつくること自体が温暖化防止に役立つのです。

二つ目に、輸送のコストやエネルギーが低廉で済むことです。日本の木材自給率はようやく回復傾向にありますが、それでもまだ半分近くが外国産材に頼っている状況です。外国から木を運ぶよりも、日本の木を使う方が、環境負荷が少ないのは言うまでもありません。

大丸建設は紀州(和歌山県)の山長商店の杉材を中心に、住まいをつくっています。これからも国産材の家づくりを続けていきます。

脱炭素な住まい_8 近くの工務店を選ぶということ

今年の後半は、気候危機から脱炭素まで、環境問題と住まいを結びつけた発信をしてきました。これからの時代、持続可能性について考えることなしに、快適な住まいも、暮らしも、実現することはますます難しくなってくるでしょう。私たちが生活の中で排出するCO2が、猛暑や豪雨などの自然災害に直結している。ここまで進んでしまった異常気象は、すぐに戻ることはないけれど、取り返しのつかないことになる前に、できることはたくさんあります。

なるべく近くで採れたものを食べる。近くの材木で家を建てる。そうした選択の一つひとつが、持続可能なライフスタイルにつながります。

そして、近くの工務店を選ぶということも、実は脱炭素な住まいづくりで重要なポイントになると思います。経済圏をなるべく身近なところで回していく。工務店のスタッフだけでなく、職人の技術も、地産地消であることで、未来に受け継いでいくことができます。脱炭素な住まいは、人から始まるのです。

今年も私のブログをお読みくださいまして、ありがとうございました。この先も、地域の方々に有益な情報をお届けできるように精進していきます。よいお年をお迎えください。

脱炭素な住まい_7 国産材利用の意味

LCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)は、国産材を使った住まいづくりで優位になります。国産材を使うことは、材木そのものがCO2を吸収した結果炭素を固定しているものであるので、CO2の削減に寄与しています。また、外国産材を使うよりも木材を輸送するコストや運搬時のCO2を大幅に削減することができます。日本の木材自給率は40%程度ですので、まだ半分以上を外国産材の輸入でまかなっている現状から、国産材を使う家づくりは脱炭素な建築と言えるでしょう。

LCCMという考え方は、住まいだけでなく、ライフスタイル全般に有益です。例えば料理のために野菜を買う時。自宅の近くで採れた地産地消の野菜であれば、新鮮でみずみずしく、一方で運搬コストや冷蔵コストも最小限で済むという両方のメリットがあります。洋服を買うときも、環境配慮だけでなく児童労働がないなど人権問題にも配慮したフェアトレードのものを選ぶという選択もできます。今なら大手衣料品メーカーでは、店頭に古着の回収ボックスを設置し、リサイクルやリユースを進めています。

脱炭素な住まいを選ぶということは、生活も脱炭素に近づいていくことになるのではないでしょうか。

脱炭素な住まい_6 LCCM住宅とは

LCCM住宅とは、ライフサイクルカーボンマイナス住宅を意味します。国交相の定義では、「建設時、運用時、廃棄時において出来るだけ省CO2に取り組み、さらに太陽光発電などを利用した再生可能エネルギーの創出により、住宅建設時のCO2排出量も含めライフサイクルを通じてのCO2の収支をマイナスにする住宅」となっています。

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)をさらに高性能にしたもので、省エネ+創エネでエネルギー収支がゼロの住宅より、さらにCO2排出量の収支をマイナスにした住宅のことを指します。ここでポイントなのは、ZEHがその住宅に暮らしている時のゼロエネルギーであるのに対し、LCCM住宅は建築時+住んでいる時+住宅を解体して廃棄する時のライフサイクル全体でカーボンをマイナスにする、という考え方のことです。

そのため、たとえば建材を製造する時の工場で創エネしているとか、国産の木材を使うことでCO2を吸収しているなどの要素も加味されることになります。住宅がつくられ、廃棄されるまでのライフサイクル全体でカーボンを減らしていくという考え方が採用されています。

脱炭素な住まい_5 ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)=ゼッチとは

ライフサイクルコストの低い住宅として、2010年ごろからZEH(ゼッチ)=ゼロエネルギーハウスが提唱されるようになりました。これは、読んで字の如く、エネルギーがゼロの住宅を指しますが、ここに「ネット」とつくのは、エネルギー消費量がゼロなのではなく、太陽光発電等によってエネルギーを生産することで、年間のエネルギー収支がゼロになることです。ネットには「正味」という意味があります。エネルギーが正味ゼロということは、エネルギーの消費量と生産量を差し引いてゼロになる、という意味です。

国交相のZEHの定義は、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。つまり、ZEHには断熱が欠かせず、室内環境の向上と省エネ、そして創エネがセットになった住宅のことを指します。

脱炭素な住まい_4 住宅を長寿命にしていくには

住宅を新築するときには、建築時の費用(イニシャルコスト)だけでなく、住んでいる時の光熱費(ランニングコスト)や、メンテナンス・リフォームなどにかかる費用(メンテナンスコスト)を考慮した住まいづくりが大切です。住宅が建築されてから解体・廃棄されるまでのライフサイクルコストをシミュレーションし、トータルでコストが下がる住宅の方が、地球環境への負荷も少ない住まいと言えるでしょう。

断熱性能が高い住宅は光熱費をメインとしたランニングコストを低減することができます。住宅のメンテナンスで最も頻度が高いのは外壁の塗り直しや屋根の修繕といった、屋外空間に関わる部分です。この資材を堅牢なものにすることで、メンテナンスコストを抑えることができます。堅牢で耐震性の高い住宅は、地震や豪雨災害などによる住宅の破損リスクを減らすことができます。

ライフサイクルコストの低い住宅は、結果的に温室効果ガスの排出量が低い住宅ということができます。ライフサイクルカーボンゼロ、カーボンマイナス住宅の補助制度もあります。