
高齢者が熱中症を発症しやすい理由は、年齢を重ねるごとに身体の機能が低下し、熱に対する適応力が弱まることに関係していると考えられます。
人間の体は、暑い環境に置かれると汗をかき、体表からの蒸発によって体温を下げる機能が備わっています。しかし、加齢に伴いこの機能が低下します。特に高齢者では汗をかく量が減少するため、体温を効果的に下げられなくなり、体内に熱がこもりやすくなります。
また、高齢者は若年者に比べて体内の水分量が少なく、喉の渇きを感じにくくなるため、脱水状態になりやすいと考えられます。十分な水分補給ができないことで、体温調節機能がさらに低下し、熱中症のリスクが高まります。
さらに、高齢者はエアコンの使用を避ける傾向があるのも原因の一つと考えられます。経済的な理由や健康意識からエアコンの使用を控えることで、室内でも熱中症を発症するリスクが増します。実際、熱中症で搬送される高齢者の多くが自宅で発症しているというデータもあります。
特に、高齢者ほど、こまめな水分補給やエアコンの積極的な利用が必要になります。