2025年10月09日(木)

気候危機時代の建築現場_4 未来への適応の大切さ

気候危機によって、建築現場を取り巻く環境は大きく変化しています。酷暑や豪雨、暴風といった自然の猛威に対し、現場監理の方法も家づくりの基準も、日々進化を求められています。それに応じて建築基準法や地方自治体の条例等もアップデートして、断熱の重要性や耐風耐候と連動する耐震性の明示化なども進んでいます。断熱性能や耐風性、耐水性は、かつて以上に暮らしの安心に直結する性能になっているのです。

大丸建設は昔から一徹に変わらず、お客様の住まいの安心・安全にこだわり、それに時代が追いついてきたと言えるのかもしれません。私たちが大切にしている家づくりの姿勢は、私がこの仕事に就いてから30年来まったく変わりません。制度や環境が変化しても、「お客様の暮らしを守る」「自然素材の強みを活かす」ことにこだわりを持っています。

現場では大工や職人たちが工夫を凝らし、技術と知恵を重ねています。完成した家は、その努力と素材の力が融合したかけがえのない空間です。未来世代に残す家づくりとして、心つながる自然素材の家を誠実に建て続ける──これが、これからも大丸建設の変わらぬお客様との約束なのです。

2025年10月06日(月)

気候危機時代の建築現場_3 自然素材の柔軟さ

住宅建築の現場では、外構ができあがるまでは屋外での作業になり、暑さ寒さの影響を大きく受けます。大丸建設では骨組みは無垢材(主に杉、檜)、床材や壁の一部も木材を使い、壁は漆喰系の塗り壁材や自然素材のクロスを使うことが多いです。これは、創業以来大切に守り抜いている方針として、日本の気候に合わせた素材を使うべきだという考えのもと行っています。

気候危機による高温多湿や急激な天候変化は、建材に大きな影響を与えます。新建材の中には、熱や湿気で劣化が早まるものもあります。一方で、木や漆喰、土壁といった自然素材は、調湿性にすぐれ、外部環境の変化に柔軟に対応できます。木は湿度が高いときには水分を吸収し、乾燥すれば吐き出します。漆喰や土壁はカビの発生を抑え、室内環境を安定させます。

また、自然素材の家は修復のしやすさも魅力です。新建材のようにパーツ全体を取り替える必要がなく、部分的に補修することで長寿命を実現できます。気候危機の時代にこそ、自然素材を選ぶことが、環境に配慮しながら安心して住み続けられる道だと私たちは考えています。

2025年10月02日(木)

気候危機時代の建築現場_2 暴風リスクと建築現場の安全管理

気候危機時代に限らずですが、夏から秋にかけては台風や突風のリスクも高まります。最近も竜巻や突風によって住宅が倒壊するといったニュースが報じられ、風対策の重要性も高まっていますね。現場に設置している足場が強風で揺れたり、資材や養生シートが飛ばされる危険は常につきまといます。暴風による被害は、人命にも関わる重大な事故につながりかねません。

私たちは現場での安全管理を最優先に、天候に応じた作業スケジュールの調整や、シート・ネットの固定強化を徹底し、暴風が予想される時には資材を現場の中に入れるなど、適宜判断して対応しています。特に近年の台風は勢力が強く、従来以上の養生が必要とされています。現場ごとの判断力がますます問われる時代になりました。

以前私はこのブログで、「これからは縦の重力の備え(=耐震)とともに、横の力の備え(暴風)も大切になる」と述べてきました。住宅そのものについても、耐風性は重要な性能であることが近年ますます注目されています。屋根の形状や外壁の仕上げ、窓の取り付け方一つで、暴風への強さは変わります。自然素材の木造住宅は、構造材そのものがしなやかさを持ち、力を分散する特性があります。暴風リスクの増大する今だからこそ、伝統的な木造建築の強さが見直される必要があると思います。

2025年09月29日(月)

気候危機時代の建築現場_1 工事現場に迫る突然の豪雨

近年は線状降水帯やゲリラ豪雨といった言葉をよく耳にします。最近はマンホールから水があがって道路が水浸しになるようなニュースの映像もよく見るようになりました。昔なら数年に一度の水害が、年に何回も起こっている。そんな状況に心を痛めています。

地球温暖化や気候変動という言葉はすでに時代遅れなほどの「気候危機」によって、短時間に大量の雨が降ることが増えています。それは、建築現場にとっても大きなリスクとなっています。幸い、大丸建設ではまだ大きな被害は出ていませんが、基礎工事中に土台部分が冠水してしまう、仮設足場や養生資材が雨で流されるなど、豪雨の直撃によって建築現場での工程全体に影響が及ぶため、我々は日々、天気予報を詳細にチェックするようにしています。

それでも突発的な豪雨に対応するのは容易ではありません。工事を安全に進めるためには、計画段階から「雨に強い養生」を意識することが不可欠です。

一方で、完成した住宅においても同じことが言えます。雨仕舞いや防水の工夫がしっかりしているかどうかが、家の寿命を左右します。雨に強い家づくりは住まい手の暮らしを守る最前線であると、私たちは考えています。

 

2025年09月09日(火)

酷暑の現場_4  夏の相棒──虫よけと涼感グッズの進化

夏の現場では、蚊や虫との闘いも欠かせません。特に屋外作業が多い大工さんにとっては、安全靴や道具と同じくらい重要な“装備”です。
現場では、虫よけスプレーや蚊取り線香など、職人さんの好みによって虫除け対策は異なりますが、日差し対策のように、涼感のある長袖を着て肌を露出しないことが最大の対策かもしれません。

休憩所や作業エリアには、吊り下げ式虫よけや、超音波を出すリング型デバイスを設置したり、最近は「オニヤンマくん」という天敵の模型を腰道具に付ける職人さんもいるようです。蚊の発生源となる水たまりを定期的に確認・除去するのも、地味ですが効果的です。

こうした対策を徹底しながら、首元を冷やすリングやバッテリー式小型冷蔵庫で涼をとり、暑さと虫の両方から身を守ります。蚊は風に弱いので、送風機も有効な対策です。

そして、私たちが建てる自然素材の家も、こうした“快適な環境づくり”に通じています。木の香りや漆喰の調湿性や、風通しのよい間取りは、湿気を減らし、虫を寄せつきにくくします。夏場でも爽やかな空気を保てる家は、暮らし手にとっても快適です。

現場での虫除けの工夫と素材の力が、快適な住まいを支えているのです。

2025年09月05日(金)

酷暑の現場_3  スケジューリングも重要

夏の建築現場では、暑さだけでなく、突然の豪雨にも悩まされます。
テントやシートで養生しながら作業することもありますが、工程や敷地条件によっては難しい場合もあります。まずは建て方が終わり、屋根が架かれば日差しを遮り、豪雨から身を守ることができるので、現場が真夏に差し掛かる際には、スケジュールを工夫して、職人さんの作業環境の影響を最小限にする工夫をしています。
以前も大型の台風で現場が影響を受けることがありました。天気予報を見ながら、職人さんの安全を確保し、またお客さまの住まいが豪雨に影響を受けないよう、しっかり養生して、素材等が飛ばされないよう、屋内に退避するようにしています。

とにかく、猛暑、酷暑に豪雨と、気候変動の影響は、建築現場にも大きな変化をもたらしています。そこでの対策が、ひいてはお客さまの住まいの快適性と安全性につながっていくので、私たちは現場をしっかり見て、この先の対策に進めていきたいと思います。

2025年09月02日(火)

酷暑の現場_2  自然素材の柔軟性

猛暑が続くと、建材への影響が心配になりますが、大丸建設では幸い、扱う建材は自然素材ばかりなので、熱による変形や融解といった、深刻な被害はありません。
屋根塗装では遮熱塗料を使うことがありますが、木材や漆喰は極端な温度変化にも強く、熱による割れや変形は少ないのです。木は熱をやわらかく受け止める性質があり、夏の厳しさにも安定して耐えることができます。無垢材は多孔質で表面積が大きいので、表面温度が高くなりにくいのです。

自然素材が持つ調湿性と断熱性によって、建築現場はいくぶんか楽になっていると考えられます。強い日差しを受けても、木は内部に熱をため込みすぎず、ゆるやかに室内へ伝えるため、急激な温度変化を防ぎます。自然素材がデフォルトであることは、こうした予期せぬメリットがあると実感しています。
酷暑でも安定する家は、暮らし手の体への負担を減らします。大丸建設では、現場での暑さ対策と同じように、素材選びでも「長く快適に暮らせる工夫」を積み重ねています。

2025年08月29日(金)

酷暑の現場_1  今年の暑さと職人さんの工夫

今年の夏は、連日40度を超える日もあり、現場で働く職人さんたちにとって過酷な季節でした。8月1週目は関東地方で軒並み40度を超える酷暑となり、私たちも建設現場の安全確保に頭を悩ませています。
大丸建設の現場では、1時間ごとに休憩をとり、小まめな水分補給を欠かさないように呼びかけています。空調服は今や現場での標準装備。直射日光を避けるため長袖を着用し、首元には冷却リング、人によっては小型冷蔵庫を持ち込んで、冷たい飲み物を常備しています。

こうした工夫は、熱中症のリスクを減らす命綱と言えます。炎天下での作業は体力を奪いますが、一つひとつの対策が現場の安全を守っています。

そして、完成した自然素材の家は、この「暑さ対策」を日常の暮らしでも支えます。無垢の木や漆喰は断熱・調湿に優れ、室内の温度変化をやわらげます。エアコン効率も高まり、外気が厳しい夏でも心地よい空間を保てます。現場で守った安全と、素材がもたらす快適さ──その両方が、長く安心できる住まいをつくります。

2025年08月26日(火)

リフォームと確認申請_4  制度が変わっても変わらない、心つながるリフォーム

法律や制度は、これからも少しずつ変わっていきます。
今回の改正でリフォームの確認申請が厳格になったのも、その流れのひとつです。家を建てる方にとって新築もリフォームも、断熱性能を明示して、その基準を引き上げて、よりよい住まいをつくっていくという目的があるからこそ、我々も法律を遵守して、書類を整えていきます。
けれど、どんなにルールが変わっても、私たちの家づくりの軸は変わりません。

自然素材を使った住まいは、数字では測れない心地よさがあります。夏の蒸し暑さをやわらげる木の調湿性、冬の冷え込みを防ぐしっかりした断熱。そして何より、大切に手をかけた空間がもたらす安心感。

制度の波に左右されることなく、お客様の暮らしに寄り添い、その家がますます好きになるようなリフォームを続けていきたい。
6代続く工務店として、その姿勢はこれからも変わりません。

2025年08月22日(金)

リフォームと確認申請_3 変わるのは書類だけ、工事は変わらない

今回の制度改正で、設計や確認申請にかかる手間は確かに増えました。
断熱仕様や構造計算の書類を整え、審査機関に提出し、細かくチェックを受けるといった一連のプロセスによって、施工をスタートするまでの書類仕事は実際に増えていると言わざるを得ません。

しかし、現場での施工内容そのものは大きく変わりません。
無垢材や自然素材を扱う私たちは、これまでも家の性能を高めるための施工を当たり前のように行ってきました。法律が変わったからといって、使う木材や職人の手間を省くようなことはありません。ましてや、耐震性や断熱性といった、お客さまの安全性や快適性を担保することの徹底は、法改正の有無にかかわらず大切にしているところです。

むしろ、書類で性能を示すことが義務になったことで、これまでの取り組みを数字として裏付けられるようになりました。
「変わったのは書類だけ」。私たちはそう言い切ります。
でも、その書類がきちんと審査機関を通るのは、日々の丁寧な施工の積み重ねがあるからこそだと思っています。