日本の人口と住宅産業のこれから_1 新築着工棟数の変化

日本の人口減少は2008年に始まりました。少子高齢化が日本の大きな課題となり、政府は「異次元の少子化対策」を打ち出し、住宅産業界でも「こどもみらい住宅支援事業」や、自治体による子育て応援マンションや賃貸住宅、ハウスメーカー各社も「子育てしやすい住まい」の提案が盛んです。

人口が減少すると、当然ながら住宅産業も打撃を受けます。新築住宅の年間着工棟数は1990年台までは年間120〜140万戸で推移していましたが、2009年に100万戸を下回って以来、減少の一途を辿っています。民間シンクタンクの調査によると、2025年度には80万戸、2040年度には50万戸を下回ると推計されており、住宅産業としても新築偏重のビジネスモデルは今後持続可能でなくなっていく可能性があります。

今月は人口減少と住宅産業のこれからについてお話しします。

2023年の抱負(8) 会社のHPやSNSのファンを増やしたい。

大丸建設は小さな工務店ではありますが、20年以上前からホームページを開設し、当社の手がけた住まいや、私たちの思いについて発信しています。ホームページでは住宅の事例紹介や、スタッフブロブも3つ(私のこのブログ、現場監督のブログ、広報スタッフのブログ)やっており、日々どんな活動をしているのかを伝えています。SNSはFacebookを通して、日々新たな情報を発信しています。

地道な広報の積み重ねが、新たなお客様につながっているのを実感しています。九州に引っ越してもなお大丸建設を支えてくれているスタッフがブログやSNSを担当し、着実に仕事を進めてくれます。地元在住で絵が得意なスタッフが心をこめて書く会社前の看板にもファンがついています。

私一人ではできないことも、さまざまな形で支えてくれるスタッフがいるからこそ、チームとして大丸建設の強みを発信することができています。住宅建築の大切な情報や知識もお伝えしていますので、ぜひ多くの方にご覧いただきたいです。SNSのシェア、いいね!も大歓迎です。

 

 

2023年の抱負(7) お客様を増やしていきたい。

2022年、大丸建設は本当に多くのお客様に恵まれました。毎月のように新しいお問合せが入り、またOBのお客様からのご紹介があり、建築途中の建物の近くを通りがかった方からつながり、近隣に配ったチラシから大丸建設を知ってくださる方があり……。

私は、お客様が大丸建設の最大の応援団だと思っています。現場で積み重ねてきた信頼関係、自然素材の家に住む実感を周囲の方に伝えてくださるからこそ、大丸建設へのお仕事の依頼につながっています。

お客様から、今どのような住まいが望まれているのかを知り、ライフスタイルへの指向を知ることができます。この10年くらいは、特に断熱や省エネなどについての知識が深く、よく学んでいるお客様が増えているなあと感じます。私たちもお客様のご質問やご要望に的確に応えられるように務めていきたいです。

今年も、新たなお客様と出会い、お客様同士という仲間を増やしていきたいと願っています。

2023年の抱負(6) 日本の森を支える仲間を増やしていきたい。

自然素材や無垢材を使った、美しい日本の住まいを作ること。それは森林大国・日本の環境を持続可能にすることにつながり、自然と共存した伝統的な技術を未来に伝えることに直結します。日本は世界でも有数の森林大国で、木を使った住まいづくりの分野では世界でも最も古く、また最新の技術があります。

住宅で使う木を育む森林は、使うことによって維持されていきます。人工林は計画的に植樹され、維持管理され、伐採と利用を繰り返していくことで、森林の持つ公益的機能が維持されます。適切に管理された森林には水源を涵養して洪水を防ぐ機能があります。また、成長期の植物の葉は光合成して二酸化炭素を固定し、酸素を放出します。地球温暖化の原因物質の一つとされる二酸化炭素の吸収源となるため、日本の木を使うこと=日本の森林を維持し、地球温暖化防止に貢献することにつながります。

日本の木を使い、森を守るには、多くの人がその機能を知って、使っていく機運を高めていくことです。そんな仲間を日本中に増やしていきたいと思います。

 

2023年の抱負(5) 省エネを推進する仲間を増やしたい。

「一般社団法人Forward to 1985 energy life」は、賢く楽しく省エネライフを送り、家庭での消費エネルギー量を1985年レベルにすることを目指した団体です。大丸建設は設立時から関わり、私は昨年11月に「第10回全国省エネミーティングin東京」の実行委員長を務めました。

全国省エネミーティングでは、東京都を始め、埼玉県所沢市や川口市など、省エネに力を入れている自治体の取り組みを聞くことができました。特に、東京都はエネルギーを「減らす、つくる、ためる」を推進していくために、「東京ゼロエミ住宅」を発表しました。断熱性の高い窓や断熱材の推奨、省エネ性の高いエアコンや照明などを用い、「断熱性の確保」と「設備の効率化」を目指した東京都独自の基準で、今後は住宅展示場やキャンペーンなどでその名やロゴを多く目にすることになるでしょう。

大丸建設でも、仲間と一緒に最新の知見を取り入れながら、高断熱、省エネ性能の高い住宅づくりに励んでいきます。

一般社団法人Forward to 1985 energy life

https://to1985.net/

 

東京ゼロエミ住宅

https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/climate/home/tokyo_zeroemission_house/index.html

2023年の抱負(4) 工務店仲間とのつながりを増やしたい。

大丸建設は「匠の会」や「チルチンびと『地域主義工務店』の会」に長く所属し、日本の伝統的な木造建築を手がける工務店仲間が全国にいます。定期的に勉強会や交流の機会があり、また仕事でもお互いを支え合う、大切な仲間です。

2023年は「チルチンびと『地域主義工務店』の会」が設立して20周年を迎えます。発足時の2003年はシックハウス法と呼ばれる改正省エネ法が施行された年です。住宅建材に含まれる有害化学物質や、シロアリ防蟻のための薬剤散布によるシックハウスが大きな社会課題になっていました。それから20年、シックハウスに対する社会の関心は高まり、住宅建材だけでなく、化粧品や洗剤・柔軟剤などに含まれる香料による「香害」にも注目が集まるようになりました。

住宅に関する社会課題を知り、工務店として先駆けて課題解決に力を注ぐことも、私たちの大切な使命です。ただ、大丸建設一社の力には限界があります。志を共にする工務店仲間と手を携えることで、住宅建築を通じた社会貢献をしていきたいと思います。

 

チルチンびと『地域主義工務店』の会

https://www.chilchinbito-hiroba.jp/koumutennokai/

 

協同組合「匠の会」

https://takumi.or.jp/

2023年の抱負(3) 建築家との仕事を増やしたい。

大丸建設はこの数年、建築家との仕事が増えてきました。チルチンびと地域主義建築家連合(URA)の建築家の方々とのオープンカフェを通して、松本直子さんの設計する住宅の施工が多くなりました。シンプルでありながらも斬新なデザインをする松本さんの設計図面を形にするためには、図面を読み込む力、確実な施工力が必要です。私たちにとっても技術を伸ばす機会になり、たいへん大きな刺激を得ています。

ことこと設計室の小林敏也さんともこの数年、いくつかの物件でお仕事をご一緒させていただいています。建築家のこだわりとお施主さんの夢を確実に形にしていく仕事は、工務店としてもたいへんやりがいのあるものです。

この経験をもとに、今年はさらに多くの建築家にご用命いただけるよう、技術の研鑽に努めていきたいと思います。

 

松本直子建築設計事務所

https://n-matsumoto1997.com/

 

ことこと設計室

https://www.atelier-cotocoto.com/

2023年の抱負(2) 働く仲間を増やしたい。

今年の大丸建設は、ともに働き、いい家をつくる仲間を増やしていきたいです。

新築着工棟数、大規模リフォームを手掛けた数が順調に伸びて、営業成績は上がり調子だった昨年。長年大丸建設の現場監督を担っていたメンバーが退職したのが重なり、現場がかなり忙しくなってしまいました。私自身が現場監督としての経験が長く、私が現場に入ることでなんとか回すことができたものの、経営者としては大丸建設の発信や営業、外部ネットワークとの連携などがおろそかにならないよう、現場を強化したいと考えています。

昨年11〜12月のブログでは、大丸建設の現場監督として働く魅力ややりがいについてまとめました。引き続き、ともに働く仲間を募集しています。私の持っている知識や経験は全てお伝えするつもりです。我こそは!と思う方は、ぜひご応募ください。

 

https://www.kk-daimaru.co.jp/blog01/2022/11/

首都圏の建築事情(8) リノベも選択肢の一つ

土地の価格が高く、小さな土地を選ばざるを得ない首都圏での住宅建築時には、新築ではなくリノベーションというのも選択肢の一つです。大丸建設でも大規模リフォームやリノベーションを手掛けることがあります。フルリノベーションの場合は従来の住宅の骨組みだけ残して、あとは内装もプランも設備も一から作るため、新築同様になります。骨組みを生かすため建築費用は1〜2割は安くなります。

もともと自分が住んでいた住宅をリノベーションする場合は別ですが、中古物件を取得してのリノベを検討する際は、その住宅がどのような状態であるかを取得前に確認しておく必要があります。新築時の図面通りの場合は問題ありませんが、時々増築によって建築違反のことがあるケースがあります。敷地に対して延べ床面積が大きい、増築の届出をしておらず建築確認済証がないこともあります。

取得前に私たちにご相談いただければ、的確に判断できますので、遠慮なくお問合せください。

首都圏の建築事情(7) 道が細い住宅地

昔ながらの路地裏、裏道、遊歩道。下町ならではの風情ある街並みは、私も大好きです。人と人の距離が近く、和やかな関係性が生まれやすいのが魅力です。

しかし、新しく家を建てる場合は、その土地で住宅を建築できるかどうか、そのものの判断が必要になります。具体的には建築基準法上の「接道義務」というもので、「幅4メートル以上の道路に2メートル以上の間口で接していること」という条件を満たさなければ、「再建築不可」になってしまいます。

制限がある物件でも、制限の範囲内でなんとか建築できることもありますが、建築時に車を横付けできずに資材を運べないと、手で運搬することになり、その分の人的コストが上乗せされます。

接道についてはプランによって調整できることもあります。いずれにせよ、敷地に制限がある場合は設計者の個性や力量が問われます。