ヒートショック最前線_5 日本の家はなぜ寒い?

日本の住宅は、欧米に比べて断熱性能が低く、ヒートショックを起こしやすいと言われています。歴史的な背景があり、現在、急ピッチで断熱性の向上のための政策が進んでいます。大丸建設のお客さまの断熱に対する意識も大きく変化していると感じます。

そもそも、日本の家はなぜ寒いのでしょうか?

日本の家は、もともと「夏を快適に過ごす」ことを重視した設計が多く採用されてきました。吉田兼好が『徒然草』で「住まいは夏を旨とすべし」と書いたように、日本の高温多湿な気候に合わせて、風通しを良くするために断熱をあまり考慮しない造りが一般的だったのです。昔の家は、畳や障子などを活用して調湿性を高める一方で、冬の寒さへの対策はあまりされていませんでした。

その後、戦後の高度経済成長期には、大量の住宅を迅速に供給する必要がありました。その結果、住宅の断熱性よりも、コストを抑えて早く建てることが優先されるようになりました。その流れが長く続いたため、日本の住宅は欧米と比べて断熱性能が低いものが多いのです。日本では本格的な断熱基準が設けられたのは1999年(平成11年)で、それ以前の家には十分な断熱が施されていないことが多いのです。さらに、現在の断熱基準も欧米と比べると緩く、世界の住宅と比較して日本の家が寒く、断熱性が低いと言われるゆえんです。

 

 

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