建築家との仕事_8 工務店との相乗効果

建築家との仕事は難しいのか? そう問われると、私は「難しくはない」と答えます。大丸建設に仕事を依頼してくださる建築家は、自然素材や無垢材の力を大切にし、素直でやさしい住まいを設計します。私たちはその設計意図を正しく読み解き、図面に描かれていることを形にしていきます。設計する、施工するという役割の違いであって、求めている完成図は一緒なのだと思います。

設計―施工を自社で一括してやる場合、どうしても、現場での現実(予算、スケジュール、物の置き場、職人さんの調整、納期など)をいかに調整するかということがメインの仕事になります。一方で、設計やデザインを手掛ける方が、現場の現実に引きずられてしまうと、現場寄りの考えになって、デザインのためのプラスひと手間とのせめぎ合いになってしまう可能性もあります。

設計:木下治仁氏

それぞれの専門性を持って、限界を決めずに、よりよい住まいのために力を発揮していくためには、建築家と工務店がコラボして住まいをつくることが、最適解の一つなのかもしれません。

 

建築家との仕事_7 シンプルな形に宿る本質的な美しさ

大丸建設が手掛ける住まいは、基本的に国産の無垢材を使った、自然素材の住宅です。規格品の建材を組み立てるという形ではないので、一つひとつがオーダーメイドです。木の特性を見て素材の力を引き出す施工ができるのは、技術力がある職人がいるからです。決して簡単な仕事ではありませんが、木が好きで大工や職人になっている人たちは、素材をよりよく使うことに喜びを感じます。

設計:小林敏也氏(ことこと設計室)

雑誌『チルチンびと』に掲載されるような建築家も、きっと同じ思いを持っていると思います。無垢材や自然素材を使った、周囲の環境に調和した住まいを設計する方だからこそ、私たちの素材に対する知識や技術力を求めているのではないかと思います。大丸建設とご一緒する建築家が設計する住まいは、直線の美を感じるシンプルさで、住まう人への細やかな気づかい、安心感に包まれるやさしさがあります。デザインの力や可能性を感じ、その意図を汲み取った施工を心がけたいと常に感じています。

 

住まいの電磁波(8) ライフスタイルでできる電磁波対策

今、私たちの暮らしは電化製品なしでは生きていけませんし、その便利さによる便益は計り知れないほどです。一方で、目には見えない電磁波に常にさらされている環境で、その健康影響も「はっきりしたことはわからない」ながらも、一定数の方が電磁波過敏症で苦しんでいるという事実もあります。現代社会から電磁波をなくすことはできません。そもそも、光も電磁波の一種です。化学物質も同じ考え方で、化学物質をなくすことはできないし、自然由来のものにも化学物質は含まれています。私たちに必要なのは、電磁波や化学物質がどのようなものなのかを知り、使い方によって対策をしていくことだと思います。

住まいにおいては、暮らし方、使い方で電磁波対策をすることは可能です。先にも述べたように、電磁波を発生させる電化製品からなるべく距離を置く、使う時には短時間に、長時間使用するパソコンやテレビなどは、時々休憩を入れる、などです。

何より大切なのは、睡眠時間に電磁波影響を極力受けないようにすることです。睡眠時にゆっくり休めるように、照明を消す、スマートフォンは寝室に持ち込まない、など。1日のうちの3分の1を占める睡眠時間。この時に電磁波から離れることを意識すれば、1日における電磁波影響をずいぶん減らすことができるはずです。

住まいの電磁波(7) 消費電力量が多いほど電磁波も多い

実際、どのような家電が電磁波の影響が大きいのでしょうか? 単純な話ですが、消費電力量が大きいほど、電磁波を多く発生させます。例えばIHクッキングヒーター、電子レンジなどは、住まいの中でも電磁波が大きく、また使用時間も長時間になりがちです。オール電化の住宅では、電磁波量はそれなりに大きいと考えておく方がよいとでしょう。個人的には、調理には目に見える「火」を使う方がいいと感じており、大丸建設ではオール電化よりも、エネルギーはガスと電気のミックスがいいと考えています。

ドライヤーやヘアアイロンなども高出力のため、電磁波は大きい傾向があります。一定時間頭部に熱や熱風をあてるため、使用時間はなるべく短めである方がいいでしょう。

盲点なのは電気カーペットやこたつです。こちらも長時間身体に密着し、ある程度温熱を発するため電気の量も大きいです。温まったらスイッチを切るなどを意識してみるとよいです。

パソコンなどは消費電力量は小さいですが、長時間使用する傾向があり、またWi-Fiで常に電波を送受信しているので、休み休み使う対策が必要です。

住まいの電磁波(6) 家電の配置で気をつけたいこと

私たちの暮らしは電化製品に囲まれていますが、配置の仕方によっても、電磁波の被ばくを最小限にできる可能性があります。家電の電磁波対策は意外と簡単で、電化製品を身体からなるべく離す、ということに尽きます。

例えば、仕事や勉強をするデスクと、Wi-Fiのルーターはなるべく離れている方がいいでしょう。テレビの画面からなるべく離れて視聴するのは、目のためだけでなく、電磁波の軽減にもつながります。冷蔵庫は24時間365日稼働している家電です。特に裏側から電磁波がたくさん出ているので、冷蔵庫の裏側は建築時に電磁波軽減の金属板などで対策することや、冷蔵庫の裏側の壁の近くにはベッドは置かない、長時間勉強する場所にはしない、などの使い方で工夫はできそうです。

化学物質過敏症のお客様で、蛍光灯やLED照明による電磁波に反応してしまう方がいらして、その場合は極力天井を高くして電磁波影響を避ける、ペンダントライトにはせず天井埋め込み型にするなど、頭部と照明が近づかないようにする配慮もします。

住まいの電磁波(5) 住まいの電磁波対策

紫外線や赤外線など太陽光も電磁波の一つということがわかり、驚いた方もいるかもしれません。自然由来のもののほかにも、現代社会は家電製品や携帯電話、通信環境などが爆発的に広がり、暮らしのあらゆるところで電磁波が発生している状態です。電磁波の心身に対する影響については、まだ「はっきりしたことはわからない」という状況ですが、「電磁波過敏症」で苦しむ方は一定数おり、化学物質過敏症のように外的環境で心身の不調を来した方が電磁波に反応しやすい傾向も見て取れます。

大丸建設では住宅を建築する際には、電気配線の設計の時には少しでも電磁波への影響を低減できるように配慮をしています。例えば、睡眠時にはなるべく電磁波の影響を受けないよう、寝室の真上に電線を通さない、あるいは枕に近いところからなるべく離して配線するなどを検討します。電磁波に対して感受性が強い方がお住まいの場合は、壁の中にアルミのシートを張って極力電磁波をカットするようにしています。

住まいの設計時の配電で、電磁波の影響を低減することは可能ですので、気になる方は遠慮なくご相談ください。

住まいの電磁波(4) 電磁波にはいろいろある

目に見えない、匂いも色もない電磁波ですが、いったいどのようなものでしょうか。携帯電話やテレビ、パソコンなどから出ているものは、世の中全体からみるとごく一部でしかありません。電気が流れるところには必ず電磁波があります。電気はいわゆる発電によって生み出される電気だけではなく、紫外線や赤外線などの「光」も含まれます。

電磁波は空間を移動する「波」のようなもので、1秒間でどれだけの数の波が生じるかを周波数という言い方で表します。高周波の電磁波が放射線で、医療に用いられるX線が代表的なものと言えます。太陽光も電磁波の一種です。紫外線、可視光線、赤外線は、殺菌灯や赤外線ヒーターなどに使われます。低周波の「電波」が携帯電話の電波や家電製品から生じる電波です。FM放送やテレビ放送の電波も低周波です。送電線や家庭電化製品は超低周波と言われる電磁波です。

住まいの電磁波(3) 電磁波過敏症とは?

電磁波過敏症は、現代ならではの症状と言えます。私たちの暮らしはさまざまな電化製品に囲まれており、そこから発生する電波や磁波に囲まれているということと同義です。特にインターネットによる通信が盛んになってからは、パソコンやスマートフォンをつなぐWi-Fi、5Gなどの高速電波通信によって、家庭だけでなく社会全体で強い電波が飛び交っていることになります。

電波と磁波は異なるので、正確な違いについては次回にまわしますが、電磁波の大きな特徴としては「目には見えない」ということです。しかも、香りがあるわけではないので、今自分がどれくらいの電磁波に囲まれているのかを自分で判断することは難しいのです。化学物質過敏症を発症して、慢性的に頭痛や倦怠感、心身の不調に悩まされる方が、目に見えない電磁波に対する感受性が高くなる傾向があるとされているため、私たち大丸建設が化学物質過敏症対策の家を建てる場合には、電磁波についても注意を払うようにしています。

住まいの電磁波(2) 電化製品に囲まれた現代生活

私たちの暮らしは、今や電化製品や電波なしに暮らすことはできません。代表的なものはスマートフォンですが、今は5Gなどの高速データ通信や、家庭や公共施設等では常にWi-Fiの電波が飛び交っています。

心臓のペースメーカーに携帯電話の電磁波が悪影響を与えるとして、以前は公共交通機関の優先席付近では携帯電話の電源を切るようにアナウンスされていました(現在は、マナーモードにして通話を控えるようにしてください、という表現に切り替わっています)。

ほかにも、住まいにはさまざまな電化製品があり、その中でも特にIHクッキングヒーターや電子レンジといった調理家電が大きな電磁波を発することが知られています。

電気冷蔵庫や電気洗濯機、テレビなどの家電製品も電磁波を発生します。つまり、電磁波の量の大小に関わらず、電化製品に囲まれた現代生活では、私たちは常に電磁波を浴びているということになります。

電磁波過敏症は、現代社会において必然的に生まれてきた症状ということができます。

 

 

住まいの電磁波(1) 現代社会のさまざまな過敏症

大丸建設ではこれまで、シックハウス症候群や化学物質過敏症など、私たちの暮らしを取り巻く化学物質に対する感受性が強い方からの相談を受け、その方に合った住まいを作ってきた経験があります。現代社会では利便性を高めるために、さまざまな化学物質が使われています。

人類が長年接してこなかった新たな物質に、すぐに適応できる人もいれば、そうでない人もいて、それが頭痛や倦怠感、心身の不調といったさまざまな形で現れることがあります。シックハウス症候群は、特に住まいに使われる建材に含まれる化学物質に反応してしまう症状のことで、化学物質過敏症はさらに洗剤や香料など生活雑貨など暮らしに関わるあらゆるものに対する反応を指します。今年のブログで発信した「香害」も化学物質過敏症の一つです。

もう一つ、現代社会特有の過敏症に「電磁波過敏症」があります。今月は、住まいの電磁波についてお話しします。