2014年08月15日(金)

「外断熱」か「内断熱」か。

断熱の工法は大きくわけて「外」か「内」かです。
 一般的に「外断熱」と言われる工法は、建物の外周に板状の断熱材を張り巡らせて、外側からの熱をシャットダウンします。
 大丸建設では「内断熱」で施工しています。内断熱とは、柱と柱の間、あるいは壁材の間に断熱材を充填します。自然素材系の住まいの場合、木質ボードなどの板状のもので外断熱という施工もありますが、実際は充填断熱がほとんどです。
 施工方法としては、ウール系(羊毛)は充填、袋をつくってシートの中に断熱材を吹き込む施工、また壁に断熱材を吹き付ける施工法など様々です。
 大丸建設では、ウールでの充填断熱、あるいはセルロースの吹き付けを行なうことが多いです。

2014年08月08日(金)

住宅に使われる断熱材の主な種類

 戸建の木造住宅に使われる断熱材は、大きくわけて「石油系」「自然系」にわかれます。
 最も多く使われているのは【グラスウール】です。グラスウールは短いガラス繊維からできており、弾力性がある、均一で施工しやすいといったメリットがありますが、シックハウス対策から大丸建設では使用していません。鉱物からできている【ロックウール】も同様の性質があります。
 また、石油系の【ポリスチレンフォーム】、ウレタン樹脂からできた【ウレタンフォーム】などもよく使われる素材です。
 大丸建設では自然素材を使った木の家づくりがコンセプトなので、古紙からできた【セルロース】、または羊毛からできている【ウール】を使っています。自然系には木の繊維を固めた木質ボードなどもあります。

2014年08月05日(火)

大丸の断熱施工

大丸建設の住まいは木造の軸組工法です。
 柱と柱(あるいは間は白)の間に断熱材を充填し、その外側に透湿シートを張ります。その外側には通気胴縁を設け、通気層をとります。この通気層をしっかり取ることで空気による保温効果が見込めます。さらに外側にラス下という無垢の壁材(木摺・きずり)が入ります。その外に防水透湿シートを張り、ラス網を張り、網にモルタルを塗って仕上げをします。
 住まいの内装側は、断熱材の内側にプラスターボード(石膏ボード)、そして仕上げ材(無垢材、漆喰、珪藻土など)となります。
 使う断熱材の性能を知り、適切な厚みを入れて隙間なく施工するのが断熱工事の基本です。

2014年08月01日(金)

省エネを極める!には断熱を知ろう

住まいの温熱環境を考えるうえで、断熱は最重要項目と言えます。断熱は季節によって役割が異なり、これまでは冬場の寒さをいかにしのぐかが重要視されていました。住まいに日射を取り入れ部屋を温め、それを逃がさない魔法瓶のような効果が求められます。しかし近年の温暖化から夏の断熱も大切と見なされ、夏場はいかに日射を遮蔽し熱を住まいに取り入れない、適切に風を通して熱を逃がすような設計が求められます。
 住まいの断熱は大きく二つが挙げられます。屋根、壁、床といった住まいの外周部に断熱材を施すこと。そして住まいの熱損失の約7割を持つとも言われる窓の断熱性能を強化すること。
 今月は断熱材についてお話しします。

2014年06月27日(金)

見積もりのバリエーションも大切

 住宅建築の場合、それが新築であれリフォームであれ、予算の擦り合わせと納得は最重要事項です。リフォームがわかりにくいのは、何を、どの程度変えたらどのくらいのお金がかかるのか。部品交換型ならば、このパーツを変えれば幾ら、という話なのでカンタンです。しかし、本質改善型の場合、既存住宅ありきで、全体の状態を把握しながら優先順位を決めていくので、一概に幾らとは言いにくいのです。
 リフォームの場合、新たに工事を行う部分と、既存のまま残る部分が出てきます。その調和も大切です。部屋ごと、階ごと、パーツごとのリフォームの積み上げか、ある程度全体をいじる場合でも変わってきます。住みながらのリフォームの場合、工期もかかるし、部分部分を改善しながら最終的に全体を調和していくリフォーム手法が求められます。
 最初の提案のなかで、今改善したいすべてを変えればどのくらいの金額がかかるかの総額を提示し、本質改善のために外せない要素は何か、部品交換だから今急がなくても大丈夫なところはどこか、など、一つひとつ線引きできるような明確な基準を用意できれば、と思っています。

2014年06月23日(月)

「何年その家に暮らすのか」が大切

 リフォームをどこまでするのか、そこで大切になってくるのが「何年その家に暮らすのか」、その家で「どう暮らしたいのか」です。自分にその家に暮らさなくなった時にどうしたいのか、家族に受け継いでもらいたいのか、中古住宅としてなるべく高く売りたいのかなどで、どのようにリフォームするのかが変わってきます。
 リフォームといっても、一回限りで考えず、お客様のライフステージ全体を通して、どんなリフォームが必要になっていくのかを提案していく必要もあります。今は耐震性の向上が最優先なので限られた予算をそこに注ぎ込むが、数年後にはお子さんが独立するだろうからその時までにお金を貯めて間取りを使いやすくする、10年後には外壁や屋根が傷んでくるはず……など、優先順位を決め、着手していく目処を提示することも大切かと思います。
 私たち大丸建設のスタンスはお客様と生涯にわたり長くお付き合いしていくことです。そのため、今、目の前の仕事をとることにとらわれず、総合的な視野でリフォームの提案をすることができます。

2014年06月20日(金)

温熱環境の改善で快適性を高める

 本質改善型リフォームをしていくと得られる「安全・快適・長寿命」のうち、住まい全体の断熱性を見直し、夏場・冬場の熱損失を軽減して、省エネを実現していくことは、暮らしの快適性を高めることにつながります。北側の台所を南面にもってきて、日中住まいにいる時間の長い主婦が快適に過ごすことも可能です。内装の素材を自然素材に変えるだけでも快適性は大きく向上します。無垢材が素足にふれた時の温かさや心地よさ、調湿性能で室内の空気環境が清浄に保たれることも、快適の要因の一つです。ほかに、通風を確保し空気循環をよくする、開口部を適切に配置し明るい空間をつくるなども一つの手です。
 住まいをリフォームする動機として、中古住宅の寿命を延ばす「長寿命化」も大切です。建物の安全性を高める(耐震リフォーム)と、長寿命化してストック住宅としての価値を高めるという両側面があると思います。

2014年06月18日(水)

本質的なリフォームは「安全・快適・長寿命」に向かう。

 部品交換型のリフォームでは、本質的な意味での住まいの「安全・快適・長寿命」は得られないものです。
 安全の定義は色々ありますが、まずは耐震性です。構造が安全かどうか、耐震診断等を通して判断していきます。
 また、温熱環境の改善も一つの安心につながります。昔の家のように、居間と廊下や脱衣所の温度差が激しすぎて、特に寒い季節はヒートショックなどで突然死する例もあります。こうした寒暖の差を緩和することに加え、建材による化学物質を精査しVOCフリーにしていくことや、結露やカビなどを防ぎ細菌感染やアレルギーを防ぐなどの対策は、健康と安全を両立することにつながります。

2014年06月16日(月)

大丸の考える「本質改善型のリフォーム」とは。

 私がこれまでブログで述べてきた「大丸のリフォーム」のうち、リノベ学校でいう「本質改善型のリフォーム」は、大規模リフォームを指すと思います。最も大切なのはお客様との最初のヒアリングで、お客様がリフォームに何を求めているのか、それを聞き出すことです。お話を進めていくなかで総予算が決まり、どこまで現状を改善できるかをすりあわせることができます。
 以前は、表向きだけの「部品交換型リフォーム」を求めるお客様の方が大半でしたが、東日本大震災以降、本質的なリフォームに向かう機運が高まっているように感じています。耐震性への不安、住まいを長寿命化して大切に住み継ごうという価値観の変化、地球温暖化などの環境問題への関心の高まりから、住まいの断熱性を高めたいというお問い合わせも増えてきています。
 本質改善型リフォームとは、「暮らしの向上」と密接に結びついていると言えます。機能性や間取り、収納の多寡に集中しがちだったリフォームの関心事に、温熱環境の改善への要求が増えているような気がしています。

2014年06月13日(金)

「本質改善型リフォーム」と「部品交換型リフォーム」

「1985リノベ学校2014」の初回を終えて、常務はたいへん学びになったといいます。野池先生によると、リフォームは「本質改善型リフォーム」と「部品交換型リフォーム」の大きく2つに分けられます。お客様に対して「何のためにリフォームをするのか」を問いかけ、そのうえで「何をリフォームするのか」の全体像を提示していく、そのために必要なのが「リフォームのパンフレット」であると、目標を得て帰ってきました。
 昨今のリフォームは、キッチンやバスルームなどの水回りの設備が古くなったから入れ替える、壁紙を張り替えるなど、劣化したパーツを取り替えるばかりの「部品交換型リフォーム」が主流です。本来的には、住まいの温熱環境の改善や、空気環境を清浄にしたり、暮らしの向上など、リフォームするための動機があるはずです。そのニーズを適切に察知し、暮らしの本質を改善するための提案ができるかどうかが、工務店にとって重要なのです。