2015年08月18日(火)

工務店の利益率は20%以上が理想的だが……

ここまで、住まいに関わるお金のお話をしてきましたが、新築住宅を1棟建てるとなると、工務店の取り分はどのくらいになるか……理想的には1棟あたりにつき25%はいただきたいところです。しかし、現実的には、2割をきることがほとんどです。
 例えば、4000万円の総工費の2割だと、800万円です。新築住宅を建てる際は約半年、打ち合わせからするともっと長い時間を要します。営業、打ち合わせ、設計図をつくる、確認申請、大工さんや職人さんの手配、材料の発注、現場監理、すべてに関わるスケジュールの調整、そして会社を維持するための家賃や総務・経理費用など……工務店の仕事は多岐に渡ります。
 これらの仕事は人が動くわけですから、800万円の中に人件費が含まれるため、粗利でしかなく、実質的に純利益は出ないのが実情です。

2015年08月14日(金)

大工さんへの支払いは毎月おこなう

住宅を新築する場合、基礎屋さん、屋根屋さん、水道屋さん、左官屋さん、設備屋さん、建具屋さん、電気屋さんなど、それぞれ専門的な職人さんが入り、それぞれに材料・工事費用の支払いを工務店がおこないます。
 大工さんだけは上棟から完成までずっと現場に関わり続けますので、大工さんには毎月、日当×日数で支払いをします。棟梁クラスと、新人の大工さんでは、日当が異なります。職人さんのキャリア、経験、技術で、金額が変わってきます。
 大工さんに限らず、施工業者さんは日当が決まっていて、動いたぶんだけ決まった報酬を得られます。

2015年08月11日(火)

竣工時で最後の支払い

大工仕事、内装仕事がどんどん進んできて、いよいよ家も完成間近までに仕上がってきます。大丸建設では、お風呂、トイレ、キッチンなどの設備関係の発注をして、設備屋さんが材工込みで施工をしていきます。
 内装では、左官屋さんが壁の仕上げをしたり、壁に和紙を張ったりする施工が入ります。また、襖やドアなどの建具などが入る。
 最後の仕上げで、エアコンなど設備関係を取り付けます。照明器具、スイッチ、コンセントは電気屋さんが施工します。
 これでほぼ、工事は完了です。庭の植栽などの外構工事が最終的に入ります。すべての工事が完了したら、クリーニング屋さんが入って、工事現場をきれいに清掃します。
 工事完了時に、総工費の3割、4000万円だとしたら1200万円をご入金いただき、お客様のお支払いは終わりになります。

2015年08月07日(金)

中間期に発生する工事とお金

家の骨組みを組み上げる上棟式を終えたあとは、いよいよ内部工事に入ります。屋根を葺き、サッシを入れて、あとはどんどん家の中身ができてきます。
 工務店はこのお金で、水道の配管を水道屋さんに依頼し、続いて防蟻業者さんに床下の防蟻施工をお願いします。水道の配管が終わると、大工作業が進みます。室内の造作材、つまりドア枠、窓枠をつくり、床材を張り、木の壁の場合も大工さんが施工します。ます。木を使った造作については、工務店が材木屋さんに材料を発注します。
 また、同時期に電気屋さんの配線工事が入り、外壁屋さんによる外壁塗装工事、左官屋さんによる内壁の工事が入ります。大丸建設は徹底的に吟味した自然素材を使っているので、大丸で素材を支給して、左官屋さんが施工をおこないます。
 このような工事をおこなう中間期に、総工費が4000万円だとしたら3割の1200万円をお支払いいただきます。

2015年08月04日(火)

上棟式が家づくりの大きな区切り

6月から続く「建築とお金」のシリーズ、8月も続けていきます。
 大丸建設では、建築費のお支払いを4回に分けています。建物の総工費を4000万円とすると、契約時に1割の400万円、上棟時に3割の1200万円、中間期に3割の1200万円、竣工時に3割の1200万円をお支払いいただきます。
 上棟時にお預かりする1200万円は、材木代、サッシ代、屋根屋さんの工費として支払います。また、大工さんへの支払いもそこからです。
 大工さんが上棟式をおこなって骨組みが立ったら、屋根屋さんが屋根を葺く。屋根の素材により、ガルバリウムだったら板金屋さん、瓦だったら瓦屋さんに材料を発注し、工務店は屋根屋さんに材工(材料費・工賃)込みで支払います。
 また、上棟をするころに、サッシ(窓枠と窓ガラス)も工務店が発注し、上棟後一週間くらいで現場にサッシが届くようになります。

2015年07月31日(金)

基礎をつくっている際に準備しておくこと。

基礎工事をしているのと同時並行で、上棟式に向けた構造の打ち合わせと材料発注が進みます。
上棟式までに、柱、梁、土台などの「骨組み」がすべで揃っていなければなりません。大丸建設では、紀州・和歌山の山長商店から、無垢の杉材・檜材を取り寄せています。建築図面にのっとって、プレカット(事前に材木を切ってもらうこと)材を用意してもらい、それを大丸建設のストックヤードに置いておきます。
大工さんは、基礎工事が終わったら、基礎の上に土台を引きます。ここから大工さんの仕事がスタートします。上棟式までにプレカット材を間に合わせて、請求書をもらいます。プレカット材の費用も、設計契約時の1割の中から支払います。

2015年07月28日(火)

基礎工事の工費の内訳

基礎屋が入ったら、遣り方といって、土地の中でどこに建物が建つのか、建物の位置を出し、配置を決めて、根切り(土を掘ること)を始めます。
昔は、鳶職が基礎や足場組みをおこなっていましたが、今は、鳶職は基礎専門になっている人が多いです。足場は足場屋さんが組むことが多いです。
基礎の仕事は、根切り、採石、捨てコン、墨出し、鉄筋を組む、型枠をつくる、地面と接地するベタのコンクリートを打ち、その後、立ち上がり部分の枠を組み、立ち上がりのコンクリートを打つまでの一連の作業になります。
基礎屋さんに対しては、材料費(コンクリートや鉄筋など)と工賃(基礎屋さんの人件費。日当で請求される)を合わせた形で請求をもらい、工事請負契約の時にお支払いいただいた1割の中から支払っていきます。

2015年07月24日(金)

工事請負契約には総工費の1割をお支払いいただきます。

実際に住宅の新築工事を行うことが決まったら、「工事請負契約」を結びます。住宅の総工費を4000万円とすると、工事請負契約では1割の400万円をお支払いいただきます。実際に工事が始まると、後戻りができないので、私たちも気持ちが引き締まります。
工事請負契約時の1割のお金は、主に、次の支払いに用いられます。
まずは、仮設現場を組む前に、地鎮祭をおこないます。工事の無事と安全を祈り、神主さんをお呼びします(神主さんへの謝礼発生)。
次に、工事現場用の電気と水道、トイレの仮設現場を組む費用に充てます(水道業者、電気屋さん、仮設トイレ業者さん)。
続いて、基礎工事が入ります。基礎工事については次にお話しします。

2015年07月21日(火)

設計契約時のお支払いに含まれるもの

大丸建設では、設計契約時に50万円+消費税をいただきます。この50万円の中には、設計図面を描く費用と、確認申請の費用が含まれています。
まず、お客様との打ち合わせを重ね、お客様が求める住まいを当社スタッフが設計図面に起こします。
実際にお客様に納得していただける設計図面が出来上がったら、今度は実際に住まいを建てるための確認申請を建築住所のある自治体に対して行います。建主さんのお名前、住所、建物の規模、構造の種類(木造かRCかなど)、防火地域の情報、平面図、立面図、断面図(矩計図)、換気計画など、建築基準法と都市計画に即した、必要な情報をすべて網羅しなければなりません。
確認申請は本来、建て主さんがおこなうものですが、用意しなければならない資料が膨大で、専門性が求められるため、実質的にはほぼ工務店やハウスメーカーがおこなうことになります。確認申請には建物の床面積に応じて、17,000円〜33,000円の費用がかかり、それは設計契約時の50万円の範囲内で支払います。

2015年07月17日(金)

大丸建設での請求パターン

大丸建設では、最初に設計契約をおこないます。住宅の設計図面を出す際には、それなりの仕事量があるからです。だいたい50万円くらいです。その後、工事請負契約の際には総工費の10%の契約金をいただきます。建築の確認申請などの費用もそこに入ります。その後、残りの90%を3回に分け、30%ずつを上棟時、中間時、完了・引き渡し時にお支払いいただきます。
 具体的に言うと、建物の総工費が4000万円だとしたら、次のようなタイミングでのお支払いが発生します。
・設計契約時 50万円
・ 工事請負契約時 400万円(10%)
・ 上棟時 1200万円(30%)
・ 中間時 1200万円(30%)
・ 完了・引渡時 1200万円(30%)
 銀行の融資が完了時にしかおりない場合だと、大丸建設での資材費や職人さんの工賃を立て替えているため、それが負債となり、契約そのものが厳しくなってしまいます。全回、「つなぎ融資がないと難しい」と書いたのは、その前ためです。