(7) 床暖房やソーラーシステム、太陽光発電など

床暖房やソーラーシステムといった、独自の空調設備を入れる場合は、追加費用がかかります。床暖房は温水式床暖房、電気式床暖房があり、設置コストとランニングコストの両方を検討しながら、お客様のライフスタイルに合った形でご提案します。

近年では太陽光発電設備や蓄電池の設置なども、オプションで承ることができます。近年ではソーラーパネルの価格が下がってきており、新築住宅で採用するところも増えてきました。いずれもイニシャルコスト(設置時のコスト)と、ランニングコスト(使用時のコスト)を比較して、新築時に設置が可能な場合は環境対応からもおすすめします。

工務店によってはソーラーシステム(空気循環式、太陽光発電との併用型など)を採用するところもありますが、大丸建設は特にソーラーシステム会社との提携はしていないため、独自システムを採用したい場合は取り扱い工務店にご相談ください。

 

[写真:大丸「施工レポートブログ」より]

(6) 免震・制振工事、地盤改良工事

大丸建設では耐震の専門家として、構造計算をしっかり行い、耐震基準の順守は当然のこと、それ以上に安心してお住まいいただけるように安全な住まいを提案しています。基礎・土台・柱・梁など、それぞれに強度の高い構造材を使っています。東日本大震災の時に私は工事現場にいましたが、不安を感じることはなく、お客様のお住まいでも構造上の不具合はありませんでした。

一方で、より強固な備えを求められるお客様によっては、免震や制振装置を追加する場合もあります。制振ダンパーを基礎に組み込む場合は、おおよそ50万円ほどの追加費用がかかります。

大丸建設では、選択肢としてさまざまな免震・制振のメニューをご提示できます。必要性を感じられるお客様はお問い合わせください。

 

[写真:大丸「施工レポートブログ」より]

(5) 外構工事

外構工事は、家の建築工事の最後に行われることが多いです。竣工して引き渡し後に、残工事として行われることもあります。

駐車場や駐輪場の土間コンクリート、敷石、砂利敷き、門扉やアプローチの設計、ウッドデッキ、隣家との垣根づくりなどが項目に入ります。

門扉を頑丈にする、塀を高くする、生垣にするなど、近隣環境によっても変化の幅が大きいのが外構工事です。

お庭を芝生にするのか、土にして家庭菜園やガーデニングなど植栽を楽しむのかなど、あるいは手間をかけずに石を敷いて雑草などが生えないようにするのかなど、外構工事はお客様のライフスタイルによって、やることや程度、そして予算はさまざまです。

植栽は、長い時間をかけて育んでいくもので、お客様ご自身でお世話していただくことになるので、工務店側ではあまりつくりこまずにお引き渡しをすることもあります。

 

[写真:大丸建設「施工レポートブログ」より]

(4) 電気工事図面と電気工事

電気工事はまさに配線がキモになります。家の配電盤、ブレーカーから、どの部屋でどのような電化製品を使うのか、照明器具をどのように配置するのかなどを設計し、幹線と配線設備を設計していきます。

スイッチ、コンセントの設置や、インターネットの配線、それからエアコンや冷蔵庫、食器洗浄機、給湯器など大型の家電製品専用の配線、換気設備など、家のどこに何をつけるのかを検討していきます。これらの情報は、部屋の間取り図の上に専用の配電図を設けて、見積もりと合わせていきます。

内訳としては、幹線配線設備、分電盤、電灯、コンセント、弱電設備、LAN配線、専用電源、換気設備、換気扇や照明器具の取り付け費、エアコン用のスリーブ、シーリングファン、配線工事に伴う消耗品などです。

エアコンについては、入居後にお客様がご自身で家電量販店などから購入して取り付ける場合もありますし、工務店が手配して総工費の中に含める場合もあります。見積もり総額の調整をしやすい部分です。

 

[写真:大丸建設「施工レポートブログ」より]

(3) 給排水設備工事は設計時から細かくチェック

給排水設備工事は神経を使うところです。水漏れを起こしてしまうと、住宅の構造や壁体内、床下の腐食につながり、安全・安心を脅かすことになりかねません。信頼できる配管・給排水設備工事業者にお願いし、立会い検査やチェックをしっかりやっていきます。

給排水設備工事では、屋内給排水・給湯設備の工事、屋外給水工事、屋外排水工事があります。屋内では、キッチン・洗面所・洗濯槽・トイレ・風呂や、ベランダのシンクなどの給水と排水をそれぞれ設計していきます。特に排水については水を流すための勾配が必要になるので、床下高さとの調整があります。

屋外は外構の掃除や植栽の水やりのために必要で、また家の外周部の道路排水との連携も必要になります。給排水設備とガス配管は連動しているため、ガス会社との連絡もこの見積もり内訳に入ってきます。

いずれも、水道局に水道を新設するための手続きや、下水道局への申請手続きなど、神経を使うところで、これらの立ち会い検査費用についても見積もりに計上しています。

 

[写真:大丸建設「施工レポートブログ」より]

(2) 住宅設備工事は器具選びがポイント

住宅設備工事は、職人の手間というよりも、設備メーカーのカタログや内見から素材を選び、取り付ける、という類の工事になります。その数も種類も多様で、住宅によって異なります。

必ずここに入ってくるのが、給湯器、ユニットバス、トイレ、洗面台、洗濯パン、照明器具、住宅用火災報知器などで、さらにそれに伴う細々とした部材がついてきます。

給湯器であれば設置台、排気カバー、リモコンなど。トイレであれば便器、タンク、温水洗浄便座、ペーパーホルダー、タオルかけなど。ユニットバスならば浴槽、水洗、排水網、シャワー、シャワーかけ、照明器具、タオルかけなど。例えばシャワーヘッドの形や節水型にするかどうかなど、何を選ぶかで値段は相当変わります。

キッチンについては、システムキッチンでも造作キッチンでも、使用する器具の一つひとつで価格は変わるのは同様です。水栓も浄水機能付きかどうか、食器洗浄機のメーカーや大きさ、レンジフードの形やデザイン、選択肢は本当に多様なので、工務店側からある程度しぼってご提案することもあります。

お客様がデザインにこだわりのある場合は、お客様が自分で部材メーカーに直接発注する「施主支給」というやり方もあります。

 

↑UBの追い焚き配管

[上記写真:大丸建設HP「施工レポートブログ」より]

[洗面所写真:大丸建設HP(上記の完成レポートブログより)]

(1) システムキッチンか造作キッチンか

地域工務店に家づくりを頼むと、システムキッチンか造作キッチンを選ぶことができます。今はキッチンといえばシステムキッチンしか選択肢がないと思っている方も多いので、工務店ならば大工手作りのオリジナルキッチンもつくれますよ、というと驚かれることもあります。雑誌等でおしゃれなキッチンを見て、このようなキッチンを作りたい、と要望されることもあります。

システムキッチンとは、キッチンメーカーによるセット売りのキッチンのことで、調理台とコンロ、シンク、レンジフードと戸棚が一体化したもの。上下に引き出しや棚がセットでついており、メーカーに発注して工務店側は「設置」するのが仕事になります。

一方で、造作キッチンの場合は、キッチンの部材である水栓、コンロ、ガスレンジなどの設備はお客様に選んでいただき、天板やカウンター、シンク、引き出しなどの大きさや形についてはお客様の要望に合わせて設計し、大工が一つひとつ手作りします。引き出しの取っ手やタオルかけなどもご自由に選ぶことができるのが利点です。

 

[写真:大丸建設ホームページ「事例紹介!」より]

日本の住まいづくりの単位

造作家具から少し話は脱線します。前回、「押入れ」の寸法についてお話ししましたが、そもそも日本独自の家づくりの単位として「寸」「尺」「間」というものがあります。日本古来の寸法でもある「尺貫法(しゃっかんほう)」という単位で、例えば押入れの幅を「一間(けん)」というように、「寸(すん)」「尺(しゃく)」「間(けん)」と呼ぶ単位が今なお住まいづくりでは残っています。

「寸」は3.03cm(約3cm)で、柱は3寸5分(約10.5cm)とか4寸(約12cm)という言い方をよくします。ちなみに昔話に出てくる一寸法師は、身長が3cmほどの小さな男の子、ということでした。

一尺は一寸の10倍で約30.3cmです。そして、押入れや建具の幅でよく見聞きするのが一間(けん)という単位です。一間は一尺の6倍で、約181.8cmですが、現代ではだいたい180cmくらい、半間は90cm程度で、押入れは一間、半間、という言い方をされます。畳の大きさも、だいたい半間×2枚で、長幅が一間、短幅が半間と覚えておくと、だいたい合っています。

押入れからクローゼットに。

昔ながらの日本家屋の収納といえば「押入れ」で、どの家でもだいたい寸法は決まっています。1間(けん)は幅が約180cm。奥行きは80cm前後で、柱なども含めると90cmくらいの深さになっています。上下2段に分かれていることが多く、それを2枚引き戸で開け閉めします。押入れの高さは180cmくらいで、そのうえに高さ30cmほどの天袋があることも多いです。押入れは奥行きが深いので収納量が多く、布団もすっぽり入るのが魅力です。洋服をバーにかけるならば、2本バーを並べて奥にも洋服を架けることもできます。一方、奥行きが深すぎるため、奥のものを取り出しづらかったり、湿気がたまってカビやダニなどが発生する懸念もあります。

押入れからクローゼットに変わったのは、ライフスタイルの変化と、「寸」「間」や「尺」の単位を基本とした日本家屋のあり方が変わってきたからです。日本独自の間合いや寸法を使わなくなり、収納のサイズ感や発想も自由になってきたことから、クローゼットのあり方も自由に変化してきました。

工務店は収納も「造作」に対応しています!

今、空前の「お片付け」ブームで、自分らしい収納がほしい、と憧れている方も多いのではないでしょうか。今は組み立て式の家具や、拡張性の高いものなどがたくさん市販されており、センチ単位でオーダーできるものもあるため、インテリア本や雑誌などで情報を集めては、あれこれ思いをめぐらせるのも楽しいものですね。

私たち大工工務店の強みは、「造作家具」をつくれることです。造作とは、柱や梁など、主要な構造物以外の内装を「つくる」ことで、その範囲は天井、床、階段、建具、鴨居、手すりから、建具のレールに至るまで幅広く、最近ではキッチンや洗面所の水回り、家具、時にはテーブルなども造作でつくることがあります。

家の内装に関わるものはほぼつくれるのが大工工務店の魅力。今月は、造作家具についてお話しします。

[写真:当社HP「大丸の事例紹介」より]