空き家を考える_1 深刻化する空き家問題

日本における空き家問題は深刻化しています。総務省統計局によると、2023年10月1日時点での総住宅数は6,502万戸であり、前回調査(2018年)から4.2%(261万戸)増加しました。 このうち、空き家数は899万戸で、空き家率は13.8%と過去最高を記録しています。

空き家問題の背景には、少子高齢化や人口減少、都市部への人口集中、相続問題など、複合的な要因がからみあっています。高齢者が施設や子どもの家に移ることで元の住居が空き家となり、子どもが遠方に居住しているとその家の手入れが行き届かなくなることが原因の一つとなります。またその家の持ち主が死去するなど住まい手がいなくなることで、家が空いたままの状態になります。

放置された空き家は、景観の悪化、衛生問題、防犯上のリスク、災害時の危険性など、多くの社会課題を引き起こします。老朽化した建物は倒壊の危険があり、放火や不法侵入の温床となる可能性があります。さらに、害虫の発生源となり、地域の衛生環境を悪化させる要因ともなります。

今後、空き家はますます増えると予測され、この大きな社会課題に我々建築関係者はどう向き合っていくべきかについて考えてみたいと思います。

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