伝統的建築物の美 (2) なぜ「檜舞台」なのか?

福岡県福岡市の大濠公園能楽堂は、耐震工事や座席のリニューアルのため、1年をかけて大規模改修工事を行なっていました。リニューアルオープンは2022年1月。それ以前もコロナ禍において公演中止などが重なっていたそうです。大丸建設のリモートスタッフのSさんご家族も、大濠公園能楽堂の舞台にあがるまで、長い時間がかかりました。

念願叶っての舞台は、まさに「檜舞台」。大濠公園能楽堂の舞台にも、無節の檜の柱が使われています。現代の能楽堂は、安土桃山時代に完成された舞台建築様式で、元々は野外に設置されていたものです。野外の建築物に使われる建築用材は、風雨に耐え、かつ虫害などに対する耐久性が高い必要があります。檜は耐水性、耐光性にすぐれ、防虫性も高いため、昔から野外の重要な建築物には重宝されてきました。檜独特の上品な色合いや、新築材の高貴な香り、節が少なく素直な木目なども、高級建築材として認められる所以でしょう。

檜は昔から高級木材として知られていたので、幕府が公認した伝統芸能の舞台にのみ使用することが許されていたと言います。誰でも檜舞台に上がれるわけではない、一流の証なのです。

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