(4) 工務店の労力にもコストがかかっている。

お見積書の内訳を細かくみていくと、材料、養生、工事の実働、各工事の解体、運搬や電気・ガス代などの費用がかかっていることがわかります(各項目は別途詳述します)。それぞれの工事に、どんな材料が必要で、それを取り付けるのにどんな職人さんがいて、取り付けのための工具に何があって、つくるだけではなく処分にもお金がかかるということが、金額で示されています。

概要内訳書にある「諸経費」が、おおまかにいえば、工務店の取り分になります。工務店は、住宅の建築工事に関わる職人さんや材料を発注し、無駄なくスケジュールを立て、お客様と打ち合わせをしたり、図面を修正するなど、すべてのコーディネートとマネジメントをしていきます。工務店の実労働分の取り分がなければ、お客様がすべて自分で材料の発注から工事材料の廃棄、職人のコーディネートまでしていかなければなりません。労力、知識、産地やメーカーとのネットワークのある専門家が必要な分野です。私たち工務店は総合的に知識や経験をたくわえていかなければならず、そのための投資にかける費用も会社として持っていなければなりません。あまりに安い金額で契約してしまうと、現場を回すだけでそれよりもよい提案をする余力がなくなり、工務店としての先行きも厳しくなります。健全な経営のためには、工務店としての利益もきちんとおさえていかなければ、成り立たなくなるのです。

 

 

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