
杉材をよく見ると、淡く明るい部分と、赤みを帯びた部分が混在しています。これは仕上げの違いでも、経年変化でもなく、杉という木が持っている本来の性質によるものです。
杉の外側に近い部分を「白身(しろみ、または白太)」、幹の中心に近い部分を「赤身(あかみ、または赤太)」と呼びます。
白身は比較的若い年輪で構成され、色味が明るく、やわらかな印象です。一方、赤身は長い時間をかけて形成された部分で、油分を多く含み、耐久性や耐水性に優れています。赤身は水をはじきやすく、腐りにくく虫に強い性質があるため、昔から土台や柱など、構造的に重要な部分に多く使われてきました。
反対に、白身は加工性がよく、明るい表情を持つため、床や壁、天井といった内装材として使われることが多くあります。
木が生きてきた時間の違いが、そのまま性能と表情の違いとして現れている。そこに、自然素材ならではの奥深さがあります。

大工は、一本の材を見たとき、「この部分は赤身が多いから構造に使おう」「この白身の表情は、室内に使うときれいだな」と、自然に判断します。これは経験だけでなく、木の性質を理解しているからこそできる判断です。
住まいの中で、白身のやさしい色合いが目に入り、目立たないところで赤身が家を支えている。そんな関係性を知ると、木の家の見え方が少し変わってくるかもしれません。

















