化学物質過敏症のお客様に接する時に気をつけていること

化学物質過敏症の方は、精神的なストレスを抱えることが多くあります。現代はさまざまな化学物質に囲まれ、ご自身がどんなに気をつけていても、思いがけずに化学物質にふれざるをえず、反応してしまうことがあります。例えば、ご家庭では香料のない洗剤で洗濯をしていても、ご近所の方が使った柔軟剤の香りが風にのってきてそれに反応してしまう、というように、ご本人の責任ではないのに苦しみを抱えてしまうことがあります。

大丸建設で化学物質過敏症のお客様と接する時に大切にしているのは、その方が症状に悩み苦しんできた方であるということを理解し、尊重しながらヒアリングを進めていくことです。一人ひとりが異なる症状や悩みをお持ちなので、「素直に、率直に、思ったことを言ってください」とお伝えします。建材のテストでは、ちょっとでも無理をすると後から困ったことになるので、起きた症状を素直に教えていただくようにします。「決して無理をしないこと」「ゆとりをもってテストを行っていくこと」。これを大切にし、双方ともに心にゆとりを持って向き合えるように心がけています。

 

化学物質過敏症対策のコスト

化学物質過敏症対応の住宅の場合、コストはどれくらい変わるのでしょうか。これは一概には言えず、どういう材料を使うのかによって大幅に変わります。一つ言えるのは、すべてオーダーメイドで対応しなければならない、ということです。

大丸建設の場合、杉材が大丈夫であれば、それほど金額は大きく変わらないという実績があります。例えば床材でベニヤ(合板)がダメな方でも、根太や捨て張りといった施工の対策によって、自然素材だけでも対応できますので、若干割高になってもそこまで大幅なコストアップにならずに済むこともあります。しかし一度施工した後に、やっぱりダメで、また施工をし直すとなると、コストがかさんでしまいます。

杉材やヒノキ材を使えない方の場合は、材料探しが大変になります。今まで手がけたケースでは、モミの木ならば大丈夫ということで対応したことがありますが、一般的な住宅用材ではないため高いコストがかかってしまいました。

人によっては、機械乾燥の材はダメで自然乾燥ならば大丈夫、同じ木を二つに割って片方は大丈夫で片方はダメ、ということもあり、ていねいに根気よく確認、テストしていくことが大切です。

 

 

大丸建設でおこなう建材テスト

化学物質過敏症のお客様の住まいを建てる時には、通常の建築よりも時間をかけて行います。何に時間をかけるのかというと、建材の「テスト」です。だいたい3カ月から半年くらいは建材のテストに時間をかけます。

建材のテストでは、お客様に使用部材をあらかじめお渡しして、何日か一緒に過ごしてもらう、ということをやります。大丸建設の住まいでは杉を多く使うので、杉が大丈夫かどうかのテストには時間をかけます。

まずは杉の匂いを嗅いでいただきます。その瞬間に「ダメ」と感じる場合もあれば、時間が経ってから嗅いだ時には大丈夫なこともあります。大丈夫であれば、寝室の布団の横に杉材を置いてもらい、一晩寝てもらう。翌朝何の症状も出ていないかをヒアリングします。一週間、一カ月、3カ月と、テスト期間を延ばしていって、大丈夫だったら杉材は使えると判断します。同じように、クロスやサッシ材などについてもきめ細やかにテストを行います。

杉材が使えない場合は、ヒノキや、あるいは広葉樹に材を変えてテストします。テストで出る症状はそれぞれですが、喉が痛くなる、頭が痛くなる、目がチカチカする、耳鳴りがする、ひどい場合は寝込んでしまうなど、症状にも軽重があるので、無理しないように慎重に進めていきます。

(8) 「適正」な見積もりとは何か

マンションリノベーションといっても、その価格はピンキリです。一般的な不動産価格で言うと、最低限のリフォームとして内装を安価な建材できれいにして、シンプルなシステムキッチン、洗面台、ユニットバス、トイレの設備を更新して、再販するようなケースがほとんどです。

一方で、工務店と一からつくるマンションリノベーションは、外壁や構造、窓、主要配管部はそのままにしなければなりませんが、逆に言えばそれ以外はすべて自分の好きな形でデザインすることができます。スイッチ、照明、建具など、一つひとつこだわり抜いて選ぶことで、全体が調和した心地よい住まいができます。言うまでもなく、スイッチプレートも市販の最安価なものよりも、おしゃれにデザインされたものは高価になります。しかし、それこそが「価値」「ブランド」なので、一概に価格だけでは比較できるものではありません。

見積もりを細かくみていくと、一つひとつの材料があり、工事の手間・人工があり、その積み重ねが見積もりに反映されていきます。

ただ値段が高い、安いだけではない、お客様が目指したい「価値」そのものが、適正な見積もりといえます。

 

[写真:大丸建設が手掛けたマンションのリノベーション]

↓ Before

↓ After

 

(7) フルリノベーションは若い世代にいい選択

大丸建設がある東京都は、23区外であっても土地の値段が非常に高く、駅に近い立地で新築住宅を建てるのには、かなりのコストがかかります。若い世帯ほどお金には余裕がない一方、電車を使って通勤をするため、駅から近い利便性の高い土地が必要になる場合があります。駅近の新築住宅は現実的でない場合は、マンションも一つの選択肢になります。

ライフスタイルにこだわりのある人も増えてきており、自分らしいセンスや趣味を反映させた住まいづくりの選択肢として、マンションリノベーションはとても有効だと思います。マンションであれば、駅に近い築古の物件をあえて選び、フルリノベーションで自分らしい住まいをつくることができます。リフォーム済み物件として、新建材とユニットバス、システムキッチンでピカピカな内装の物件も出回っていますが、せっかくだから家づくりの楽しみをマンションでも味わえるといいですよね。キッチンやトイレ、水回り、照明など、思い通りの設計で、自分たちらしい住まいづくりができます。

 

[写真:大丸建設が手掛けたマンションのリノベーション]

*ブログ(1)にリノベーションのBefore/Afterを掲載しているので、ご覧くださいませ。

(6) 配管・給湯・電気工事には気を使う

マンションのリノベーションで最も気を使うのは、水回りの工事です。水回りとは、キッチン、トイレ、風呂、洗面所、洗濯機のパンのことで、特に注意しなければいけないのは「排水」です。

マンションで最も恐いトラブルは、水漏れ事故です。排水管の結節部がゆるんでいたり、コンクリートやモルタルのひび割れから階下に水が漏れた場合、階下の住宅の家財の補償や、改修工事が必要になることもあります。その場合は上階の責任となるので、施工工務店としては、細心の注意を払って施工する部分です。

電気工事については、今は漏電等のトラブルはほとんどないですが、一度配線してしまうと、その後分岐したりコンセントやスイッチの増設には、壁に穴を開けなければいけないので、設計時点でしっかりと配線計画をしていく必要があります。お客様がどの部屋で、どういうライフスタイルで過ごすのか、具体的な生活のイメージまでして、配線図を設計図に落とし込んでいきます。

 

(5) マンションの性能向上には断熱対策

マンションは基本的に構造は丈夫という前提でつくられています(かつて耐震偽装事件もありましたが……)。また、リノベーションによって耐震性能をアップすることは難しいので、できることといえば家具の転倒防止や、家具を建具にしたり、ドアのラッチをしっかりしたものにすることくらいです。

断熱性能も基本的には躯体の性能に頼ることが多いのですが、実は、壁や天井に断熱材を付加する、性能のよい断熱材に変える、床暖房にするなどして、暑さ寒さを軽減することができます。

最も有効なのは窓のリフォームです。断熱性の高い窓(Low-Eガラスや真空断熱ガラスなど)に変えるだけで、窓周辺からの熱貫入や放出を大幅に軽減することができます。エネルギーコストが低減できることよりも、寒さ暑さの体感が大きく変わってくるので、価格以上のメリットを感じられるはずです。

ただし、マンションの窓をリフォームできるかどうかは、管理組合によって異なります。多くの場合は、窓は共有部とされているからです。その際は内窓という選択肢があります。内側に窓を設置するだけなので、共有部のルールに抵触せず、安価に効果が高い断熱工事となります。

 

[参照:会社HPブログ(全8回シリーズ)より]

(4) 本体工事は新築工事と共通

一からつくり直すマンションリノベーションの場合は、新築の戸建て住宅同様、家の間仕切りや電気配線などもお客様の要望に合わせて設計し直します。壁式構造のマンションの場合は、どうしても抜けない壁や梁がありますが、柱がないので家の中のでっこみ引っ込みはありません。ラーメン構造のマンションは、柱と床で構造を支えるので、抜けない壁というのは外周部以外には少なく、間仕切りの可変性が高いのが特徴です。しかし、部屋の角に柱の存在感があり、凹凸によって家具の置き場に困ることもあります。近年、柱をバルコニー側に出すアウトフレームの場合は、室内空間の凹凸がなく、窓も高く広々ととることができます。

本体工事は、基礎工事がないのは戸建て住宅とは異なる点ですが、床を張るときには根太を置き、下地を敷いて、床を張り……と、基本的には新築工事と似たプロセスをたどります。建具やキッチンをオリジナルにすることで、その家の個性をつくることができますね。他にも、本棚やカウンターなどの造作家具を取り付けることもできます。また、一般的にマンションの壁はクロスであることがほとんどですが、大丸建設では左官工事もお勧めしています。塗壁は表情が豊かで、気持ちよく快適に過ごすことができます。

 

[図:「ライフルホームズのHPより]

(3) 大きくは「本体工事」と「設備工事」に分けられる

マンションのリノベーションは、基本的に「すべて(あるいは一部分)を一からつくり直す」ことを意味します。フルリノベーションの場合は、マンションの共有部である柱・梁、雑排水管などは動かせませんが、それ以外はすべて解体して、マンションという土地に一から家を建てるようなイメージで設計していきます。極端な話、風呂やトイレの位置を変えることもできるのです(しかし、水を流すためには排水管の勾配が必要になるので、あまり遠い位置にするのは現実的ではないです)。また、マンションはベランダや窓、玄関扉は共有部であることが多いので、回収できないのが通常です。

本体工事は、床、壁、天井の内装や間仕切り、断熱工事、建具や塗装、左官などです。施工の順序もだいたい、新築戸建て住宅と一緒です。

設備工事は、ユニットバスやシステムキッチン、給湯器、トイレ、火災報知器などの取り付け工事になります。

 

[写真:ブログ(1)の施工中の現場]

(2) 解体や運搬、共用部の養生が特徴

マンションのリノベーションでは、設計図を作って見積もりを積算し、細かい調整のうえ工事が始まっていくことは、新築戸建て住宅の建築とほぼ同じ工程です。リノベーションで特徴的なのは、既存の建物の「解体」が入ることです。

風呂、トイレ、キッチンといった大型の設備から、床、壁、天井や、備え付けの建具に至るまで、ありとあらゆるものを解体してそれを運び出すことから工事が始まります。

解体費用については、設備がいくら、という計算ではなく、床面積あたりの費用として概算で出されることが多いです。さらに、解体したものの処分費用が解体費用以上にかかることがほとんどで、床面積にもよりますが、都内のマンションでフルリノベーションする場合は、1000万円以上の費用がかかります。

解体の時には大きな音がするので、近隣の許可と同意を得る必要があります。解体したものを運び出す際に、マンションの共用部を傷つけないよう、マンション廊下やエレベーターの床や壁を養生します。エレベーターがないマンションの場合は、重いものの荷上げ、運び出しの金額が見積もりに加算される場合もあります。

 

[写真:前回ブログ(1)の施工中の現場]