おさまりの美しさ=大工の力量

現場がスムーズに進むためには、理想的には最初に図面上で仕様や設計がすべて決まっていて、図面さえみればすべて家づくりを進められる状態にあることです。材料がスムーズにそろい、図面をみればつくれる状態であれば、大工さんは気持ちよく仕事ができます。

気持ちよい仕事は、仕上がりのきれいさにもつながります。木が美しくおさまっていること(例えば、梁と柱の接合部に隙がないとか、床材の木目がきれいに揃っているのを、おさまりがいい、と言います)で、お客様は、なんとも言えない心地よさを住まいから感じることができます。

 

おさまりの美しさは、元々の素材(無垢材)がよいことが前提になります。大丸建設が使うのは主に、紀州(和歌山県)産の無垢材です。日本を代表する林業家・山長商店のもので、材の質がとても高いです。しかし、木材は一つとして同じものはなく、木目も異なりますし、節もあります。現場で大工さんが材料を見て判断し、組み合わせる力が、おさまりの美しさにつながります。

建築現場をスムーズに進めるために

大工さんが気持ちよく仕事をするためには、現場監督の手際よく、段取りをスムーズに仕事を進めることが大切です。材料の発注をスムーズにし、大工さんが現場で手を余らせないようにします。材料が届かず大工さんが現場で何もすることがない……という状況をつくらないようにします。

お客様と合意形成をしながら、ご要望に沿って進めるため、営業から適切に情報を聞き出し、大工さんに伝えていくのも現場監督の務めです。営業との連携がうまく進み、意思決定をスムーズで、気持ちよく現場が回っていく住まいは、いい家になりやすいです。

大工さんに対してもっとも気を使うポイントは、やり直しをさせないことです。大工さんは、つくったものに誇りと愛着があります。つくったものを壊すのはもっとも嫌なことで困ることでもあります。注文住宅の場合、お客様のご要望に合わせてつくるので、変更が当たり前なことは大工さんも承知済みですが、計画段階で変更するのと、すでにつくってから壊すのでは、気持ちのうえでも工期もコスト面でも、お客様、工務店、職人さんともに負担が大きいものです。

 

 

大丸建設の仕事は、大工工事の期間が長めです。

大丸建設で家を新築する時の工期は、だいたい半年間(6カ月)いただいています。そのうち、大工さんの仕事の期間は約3カ月です。比較したことがないので正確には言えませんが、おそらく大工工事の期間が長いのではないかと思います。大工さんの工期は、木材使用率によって変わります。大丸の家は、木材使用率がとても高いです。構造材はもちろん、床、壁、天井、建具なども無垢材であることがほとんどなので、大工さんが腕をふるう場面がとても多いのです。

新築工事では、最初に地盤調査をして、基礎づくり、地鎮祭で約1カ月。その後上棟式から大工工事が始まり約3カ月。設備などの仕上げ工事で約1カ月。工期は最短で5カ月くらいです。天候などの変動要素で工期が伸びる場合もあるので、新築の工期は約半年、とお客様にお伝えしています。

「匠の技」を支えるために工務店がしていること。

匠の技=大工の技術とすると、大工さんが家づくりで存分に力を発揮できるようにするのが工務店の役割です。特に大工さんと直接的に接するのが、現場監督です。木工事が始まると、現場監督はほぼ毎日現場に通い、大工さんと顔を合わせて、現場の仕様などを確認します。

大工さんが木工事をする=家のフレームや内装をつくることなしに、水道や電気工事などの設備屋さんが入ることはありません。いつごろまでにどんな作業を進めるのかを大工さんに確認し、そのうえで、設備屋さんや左官屋さん、建具屋さんなど、ほかの職人さんが工事に入る日程を調整し、スムーズに工事全体が進んでいくよう調整するのが、現場監督の役割です。

「匠の技」=「大工の技術」

大丸建設の創業者は明治初期に天才宮大工と言われた石黒善太郎です。2代目は高級木造住宅を専門とする建築家で、大正時代には名建築と言われた数々の有名邸宅を手がけました。

3代目が昭和初期に「建築業」としての会社の母体を築き、戦後に会社組織になりました。その後今に至るまで、私たち自身が大工として鑿(のみ)や鎚(つち)などの道具を使いこなすのではなく、家をつくる数々の業種をコーディネートする「工務店」という役割になりました。

5代目の私の父は長年「現場監督」をしていました。私も入社してから専務になるまでは現場監督です。現場監督は大工さんの身近で家づくりの指示を出し、各種職人さんのスケジュール管理や発注を手がけます。

「匠の技」の近くで、大工さんが力を発揮できるようにサポートするのが私たちの役目です。

大丸建設の強みは「匠の技」です。

大丸建設の強みは「匠の技」です。こうは書いてみたものの、では、「匠の技」とはなんなのか、技術とは目に見えて表現できるものなのか? そんなことをスタッフの間で話し合っていました。

「匠」とは、木工の分野で手仕事の技術に優れた職人を指し、特に「大工」を示すものといいます(最近では料理など、別の分野でも使われるようですね)。

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「技」とは「技術」のことですね。

そうすると、大丸建設の強みは、現代風の言葉でいうと「大工の技術」と言い換えられます。

建築家と仕事をしたい。

今月は「私の理想の住まい」について語ってきましたが、絵に描いた餅も、絵に描かなければ現実にならないな、と感じています。私たちが実際に設計する住まいも、もう少しデザイン性を高めていかなければと思いますし、今後は建築家の方とご一緒する機会を増やしていきたいと思います。

大丸建設は幸い、「チルチンびと『地域主義工務店』の会」に所属しており、そこの顧問建築家の先生方や、雑誌『チルチンびと』に紹介される建築家の方ともお付き合いしやすい環境にあります。

これまでは「自社設計」にこだわってやってきましたが、時代はデザイン性を求めていると感じます。大丸建設だけでは越えられない壁を、建築家の皆さんと一緒に越えていきたいと思っています。私たちは、技術力と木を見る力には自信があります。ぜひ、ご一緒していきましょう。

インテリアはシンプルに

私の理想の住まい、それは1Fがキッチン、ダイニング、リビングとウッドデッキが一体となったような大空間で、南側階段で吹き抜け越しに家族が集う姿をみられるような、そんなのびやかな住まいです。

そこには薪ストーブを置きたいのですが、私が暮らすことになる地域は、きっと東京都内になるので、煙の出る薪ストーブよりも、ペレットストーブになろうかと思います。

以前は、太鼓梁や、太い大黒柱が好みでした。しかしそういう構造は、大きな家だからこそ似つかわしいものなのかな、と今では思います。最近はすっきりとしたシンプルな内装が好みです。

テーブルや椅子などのインテリアは、無垢でそろえたいです。しかし、デザイナーズのものというよりは、無垢の板をボーンと置いて、その下に脚をつけるくらいの素朴なものでいいな、と思います。無垢であることが条件ではありますが。

 

自分で設計をしてみたい。

私は一級建築士でもあるので、自分の家を建てるのであれば、できれば自分自身で設計をしたいと思っています。でも、デザインには自信がないので、いろんな人の意見を聞いて、いいところをたくさん取り入れていきたいなと思います。

構造はもちろん紀州の国産材。私は杉の木目や、やわらかさが好きなので、間違いなく杉を選びます。床も杉で、裸足で歩いてもやわらかく温かいのがいいですね。壁にも一部杉板を張り、天井も杉板です。

もちろん吹き抜けを設けて、南側階段にしてみたいです。リビングの一部に階段があって、そこから2Fのオープンスペースに抜けていくイメージです。2Fの個室は寝るだけの部屋で、オープンスペースには自分のパソコンや本があって書斎的に使い、休日には吹き抜け越しに1Fを眺め下して、家族が集っている姿を見る……理想の住まいです。まずは家族をつくらねば。

もし私が家を建てるとしたら……

私は現在、親戚の家の離れで一人暮らしをしていますが、工務店の跡取りとして、また建築士として、いつかは自分の家を建ててみたい、という夢があります。

大丸建設で建てている家の多くがそうであるように、1Fにリビング、ダイニング、キッチンが集約されていて、1Fの部屋は小分けにせず、外につながるデッキと外の景色がひとつながりになるような、そんな家が理想です。

2Fは、極端にいえば寝るだけでいい、と思っています。私の家族がそうでしたが、やはり家の中心のLDKで、そこに自然と家族が集まるようなスタイルがいいですね。

私はアウトドアが好きなので、デッキでバーベキューをして楽しみたいです。それから、ペレットストーブも入れたいです。