
1995年の阪神・淡路大震災は、日本の住宅の耐震に対する考え方を大きく変えた出来事でした。それまでにも耐震基準はありましたが、実際の被害の分析を通じて、どこがどう弱かったのかについて、多くの知見が積み重ねられていきました。
その後の震災、たとえば新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震などにおいても、木造住宅の被害の傾向は、少しずつ明らかになってきています。倒壊した建物の多くは、旧耐震基準で建てられた古い住宅、あるいは新耐震と現行基準のあいだの過渡期に建てられた、いわゆるグレーゾーン住宅です。2000年の改正以降に建てられた木造住宅で、大規模な被害を受けた事例は、相対的に少ないという分析もあります。

地震そのものによる建物の被害は、阪神・淡路大震災以降、着実に減ってきていると言えます。もちろん例外はあります。断層の直上や、極端に地盤の弱い地域では、想定を超える揺れが生じることがあります。都市部では、地震そのものよりも、地震に伴う火災による延焼が大きな被害を生む場合もあります。津波や液状化、あるいは土砂災害のように、地震に付随する二次災害の影響も無視できません。
先の7月28日の地震についても、これから被害の傾向と、建物の年代や仕様との関係が丁寧に分析されていくことになります。私たち建築の現場にいる人間も、そこから得られる知見を注意深く受け取っていきたいと考えています。
