断熱と確認申請_5 工事現場は変わるのか?

今回の制度改正で確認申請の書類は大幅に増えましたが、少なくとも大丸建設の実際の工事現場では大きな変化はありません。
なぜなら、断熱材の施工や気密の確保といった基本的な工程は、法律が変わる前から私たちが丁寧に取り組んできたことだからです。

断熱材をどの厚みで入れるか、サッシをどの性能のものにするかは、もともとお客様の快適な暮らしやランニングコストを考えて提案し、お客さまの納得のもと、必要な水準を満たした状態で工事をしています。そのため、計画段階で十分な性能を確保するのが当たり前になっているため、工事の進め方自体はこれまでと変わりません。

断熱や気密の性能は、書類上だけでなく実際にきちんと施工できて初めて意味があります。
私たちにとってはそれも当たり前のことですが、より一層丁寧に工事を進め、お客様が心地よく過ごせる住まいを仕上げていきたいと思っています。

断熱と確認申請_4 書類上、どこが大変になったの?

今回の改正で、多くの木造戸建てを手がける工務店が特に大変だと感じているのは、確認申請に添付する書類が増えたことです。これまでは、一級建築士が設計を担当していれば、断熱性能の詳しい表記は一部省略できました。しかし今は、すべての住宅で断熱等性能等級や一次エネルギー消費量の計算結果を、計画書に明記して提出する必要があります。

具体的には、断熱材の種類と厚みや、窓やサッシの性能(熱貫流率など)、一次エネルギー消費量といった数値を計算し、根拠となる資料をそろえたうえで審査機関に提出します。審査機関はこれらの数値が省エネ基準を満たしているかどうかを一つずつチェックし、間違いや不足があれば差し戻しとなります。
これらは大手建築会社だけでなく、私たちのような小さな地域工務店にも適用されています。慣れない工務店にとっては「書類をそろえるだけで何日もかかる」という声もあります。

大丸建設でも、もちろん丁寧に準備をしていますが、これまでの経験があったからこそ、比較的スムーズに対応できています。ただ、全体として確認申請が複雑になったのは確かで、業界全体の負担は大きいのは事実です。

断熱と確認申請_3 断熱性能の重視傾向が明らかに

近年、家づくりでは「断熱性能」がこれまで以上に重視されています。
大丸建設のブログでは、幾度となく断熱についてお話ししていますが、近年の猛暑で断熱性能の大切さはみなさんきっと実感しておられることでしょう。

断熱性能が高まると、住まいは外気の影響を受けにくくなり、室内の温度を一定に保つことができます。冬の寒さや夏の暑さをやわらげ、住む人が快適に過ごせるだけでなく、冷暖房の効率が上がり光熱費の削減にもつながります。

断熱性能が重視されるようになった背景には、地球温暖化対策があります。建物から排出されるCO2を減らすことが国全体の目標となり、住宅の省エネルギー化が急速に進んできました。2025年にはすべての新築住宅で省エネ基準への適合が完全に義務化されることが決まり、断熱等級4以上が最低基準となりました。

「きちんと断熱できる家を選ぶ」ということが、これからの住まいづくりの当たり前の基準になろうとしています。そして、私たち工務店にとっても、断熱性能を高めることは、お客様の暮らしを守るために大切なポイントだと感じています。

断熱と確認申請_2 確認申請ってそもそも何?

私たちがお客さまとお話しする時に、家を建てるときには、まず“確認申請”という手続きが必要であることをお伝えしています。建物の計画が法律に適合しているかどうかを、第三者にきちんと確認してもらう仕組みのことで、具体的には、建築主や設計者が「建築確認申請書」を作成し、各自治体や、指定確認検査機関に提出します。

この確認申請は、建築基準法に基づいています。建築基準法は「安全で衛生的な建物をつくるための最低基準」を定めた法律で、敷地・構造・防火・採光など、さまざまな項目が規定されています。

今回の改正では、これに加えて「建築物省エネ法」による断熱性能などの審査が一層厳しくなりました。つまり、設計図だけでなく、省エネ性能を証明する書類も一緒に審査されるようになったのです。

確認申請は、家づくりの最初の関門のようなものです。法律に沿った計画がきちんと認められることで、建てる側も住む側も安心して工事を進めることができます。

断熱と確認申請_ 1 春から何が変わったの?

今年の春から、「建築物省エネ法」に基づく制度改正により、家づくりに関わる「建築確認申請」のルールが一部変更されました。特に大きな変化として、住宅の断熱性能について、これまで以上に詳しく書類で示すことが求められるようになっています。

これまで一級建築士が設計する場合、断熱に関する細かな性能表記は免除されてきました。しかし今回の改正で、すべての建築計画において、断熱等級やその計算根拠を申請書類にきちんと記載し、提出する必要が出てきました。

この変更によって、審査機関が確認する書類の分量やチェック項目が増え、現場を支える設計事務所や工務店では、準備に時間と手間がかかるようになっています。テレビのニュースなどでも報道されるほど、現場の混乱も生じているようです。

ただ、この改正は「お客様にとってわかりにくい断熱性能を、より透明に提示し、確認できるようにする」という目的があります。家づくりに携わる私たちにとっても、性能を正しく伝え、より納得のいく住まいを届けるための大切な一歩だと感じています。

 

物価高の波_8 地元工務店だからこそできる柔軟な対応

私たち大丸建設のように地域に根ざす工務店は、これからの家づくりにおいて、見た目や広さだけではなく「暮らしの豊かさ」を真ん中に据えた提案をしていきたいと考えています。

家は広いほど、豪華であるほどいい、という価値観は、今ではすっかり変わってしまいました。毎日の心地よさや、家族の安心が積み重なっていくことこそ、何よりの価値になるのだと思います。

だからこそ、大手との価格競争ではなく、地域密着ならではの「顔が見える安心感」を大切にしています。お客様と同じまちで暮らし、同じ景色を見てきた私たちだからこそ、どんな小さな相談にも応え、ともに考えることができます。

 

設計変更や工程調整も、柔軟にフットワーク軽く対応できるのが、地域工務店ならではの強みです。お客さまの人生が唯一無二であるように、私たちが関わる一つひとつの家づくりが特別なものであるよう、決まりきった型ではなく、それぞれのご家族に合わせた最適な方法を一緒に探していきます。

物価高の時代だからこそ、地域とのつながりを活かした提案を重ね、安心して未来を託していただける家づくりを目指していきます。大丸建設は、どんな時代も、暮らしの真ん中に寄り添う工務店であり続けたいと願っています。

 

物価高の波_7 物価高を逆手に取った「価値の提案」

物価高の時代だからこそ、建物の本質的な価値を追い求めていかないと、コストに見合わない買い物をしてしまうリスクがあります。適正なコストにはそれだけの理由があり、その時のイニシャルコストだけを考えての選択は、生涯を通じたランニングコストで不利に働く可能性もあります。

シンプルな間取りや動線、使いやすい収納計画、そして断熱や耐久性に優れた素材を選ぶこと。こうした積み重ねが、住んだ後の光熱費や修繕費の差となって表れます。安価に見える選択が、10年、20年先に思わぬ負担を生むことは少なくありません。だからこそ、私たちは「目先の価格だけでなく、暮らしの総合コストを一緒に考える」姿勢を大切にしています。

また、家は単なる箱ではなく、家族が安心して日々を紡ぐ場所です。快適さや省エネ性能、将来のライフステージの変化にも対応できる柔軟性を備えることは、住宅の資産価値を守ることにつながります。物価高が続く今だからこそ、一つひとつの選択にしっかりと意味を持たせ、家づくりのプロとして正直に伝えていくことが、地域工務店の責任だと考えています。

 

 

物価高の波_6 リフォーム需要と新築のバランス

今から20年ほど前までは、住宅ニーズは新築偏重傾向でしたが、この20年は中古住宅を取得してリフォームや、用途改善までを含めたリノベーションへの志向が高まってきています。特に若い世代を中心に、住宅の古さも味に変えるおしゃれなリノベーション需要が高まり、雑誌やウェブメディアでも特集が組まれるなど、「あるものを生かして暮らす」ライフスタイル自体に注目が集まっています。

全国的に空き家も増加しており、必ずしも新築でなくても、断熱や内装の機能を高めることで、十分に便利で快適な暮らしは可能です。コスト面でも新築よりも安く済むことから、初めての住宅を取得する30代、40代にとっては、中古住宅のリノベーションは十分に選択肢になりうるのではないでしょうか。