
間取りの工夫によっても、温度のバリアフリー化は可能です。特に、家全体の空気の流れを意識した設計をすると、冷暖房の効率が大幅にアップします。
まずは、家全体がすっぽりと断熱されていることが大切です。特に窓や玄関などの開口部から熱が進入したり逃げたりするので、外気にふれる開口部断熱をしっかりすることが大切なポイントです。
そのうえで、家全体が大きなワンルームになるような設計が、温度のバリアフリーを実現する肝になります。リビング+ダイニングと個室、廊下を区切らず、1階と2階も吹き抜けや高窓を活用することでひとつなぎにするような住まいの設計です。

リビングとダイニング、キッチンが一体化した住宅は増えていますが、浴室や脱衣所は廊下で区切られているのが一般的な中で、あえて廊下を設けずにリビングから直接脱衣所や浴室に行けるような設計にすると、温度差を限りなく減らすことができます。また、玄関近くに断熱ドアや風除室を設け、外気の影響を受けにくくすることができるので、玄関の断熱性を高めていくことがとても重要になります。
また、個室が必要な時にも、引き戸にすることで区切る必要がない時には大空間にできますし、断熱性が高い住まいであれば一度部屋を温めた後でも引き戸で区切ることで快適な室温が逃げずに済みます。高窓をスライドすることで暖かい空気を循環させることもできます。
