ヒートショック最前線_6 高断熱の家がヒートショックを防ぐ

日本の住まいは欧米に比べて断熱性能において遅れをとっていましたが、近年、ヒートショックが社会問題になり、「高気密・高断熱」の住まいづくりへの関心が高まっています。

高断熱の家は、外気の影響を受けにくく、家全体の温度が均一になりやすいという特徴があります。

具体的には、壁や床、天井に高性能の断熱材を使うことで、冬でも室内の温度を一定に保つことができます。また、窓を高断熱仕様にする(Low-Eガラスなどを採用)ことで、窓から熱が逃げるのを防ぎ、室内の温度を安定させます。

最近では、「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)」のように、高断熱・高気密に加えて太陽光発電設備や蓄電池を搭載するなど、エネルギー効率の良い家が注目されています。ZEH住宅なら、光熱費をほぼゼロにおさえながらヒートショックのリスクも減らすことができ、一石二鳥どころか多大なメリットがあります。

最近、大丸建設が松本直子さんの設計によって手掛けさせていただいた住宅では、断熱性能を高め、エアコン1台で住まい全体の冷暖房を賄えるようにしました。家全体を均一に暖めることで、脱衣所やトイレなどの温度差をなくすことができ、家族が快適に過ごすことができます。近々ホームページでも事例紹介をする予定ですので、お楽しみに。

ヒートショック最前線_5 日本の家はなぜ寒い?

日本の住宅は、欧米に比べて断熱性能が低く、ヒートショックを起こしやすいと言われています。歴史的な背景があり、現在、急ピッチで断熱性の向上のための政策が進んでいます。大丸建設のお客さまの断熱に対する意識も大きく変化していると感じます。

そもそも、日本の家はなぜ寒いのでしょうか?

日本の家は、もともと「夏を快適に過ごす」ことを重視した設計が多く採用されてきました。吉田兼好が『徒然草』で「住まいは夏を旨とすべし」と書いたように、日本の高温多湿な気候に合わせて、風通しを良くするために断熱をあまり考慮しない造りが一般的だったのです。昔の家は、畳や障子などを活用して調湿性を高める一方で、冬の寒さへの対策はあまりされていませんでした。

その後、戦後の高度経済成長期には、大量の住宅を迅速に供給する必要がありました。その結果、住宅の断熱性よりも、コストを抑えて早く建てることが優先されるようになりました。その流れが長く続いたため、日本の住宅は欧米と比べて断熱性能が低いものが多いのです。日本では本格的な断熱基準が設けられたのは1999年(平成11年)で、それ以前の家には十分な断熱が施されていないことが多いのです。さらに、現在の断熱基準も欧米と比べると緩く、世界の住宅と比較して日本の家が寒く、断熱性が低いと言われるゆえんです。

 

 

ヒートショック最前線_4 ヒートショックを防ぐためにできること

ヒートショックを防ぐためには、できるだけ家の中の温度差を小さくすることが重要です。以下のポイントを意識すると、リスクを大幅に減らすことができます。

①脱衣所やトイレに暖房を設置する:
脱衣所が寒いと血圧が急上昇するため、ヒーターなどで適度に暖めておくのが効果的です。

②お風呂の温度は適度にする(38~40℃が理想):
熱すぎるお湯は血圧の急激な変動を引き起こすため、ぬるめのお湯でゆっくり入るのが安全です。

③浴室を温めてから入る:
シャワーを数分間流して浴室内を温めると、温度差を少なくできます。

④家全体の断熱性を高める:
根本的な解決策として、住宅の断熱性能を向上させ、家全体の温度差をなくすことが重要です。高断熱の家では、暖房が効率よく働き、浴室やトイレなどの温度差を少なくすることができます。

 

ヒートショックを防ぐには、一時的な対策だけでは根本的な解決にはなりません。家そのものの断熱性を高めることで、室温のバリアフリー化を実現し、家族全員が安全に暮らせる環境をつくることができます。

 

ヒートショック最前線_3 ヒートショックが起こる仕組み

ヒートショックは高齢者だけでなく若い世代にも起こるリスクがあります。では、そもそもヒートショックはどのようにして発生するのでしょうか?

ヒートショックが起こる主な原因は、寒暖差による血圧の急激な変動です。人の体は、外の気温に適応するために自律神経が働き、血管の収縮や拡張をコントロールしています。しかし、急な温度変化があると、体がその変化についていけず、血圧が大きく乱れるのです。

例えば、暖かいリビング(22℃)から、寒い脱衣所(10℃)へ移動し、体が急な冷気にさらされると、血管が縮まり、血圧が一気に上昇します。その後、急に熱いお風呂(42℃)に浸かると、今度は血管が広がり、血圧が急降下します。

この血圧の急激な上下動が、心臓や脳に大きな負担をかけ、失神・心筋梗塞・脳卒中などの深刻な健康被害を引き起こす原因になるのです。

特に注意が必要なのは、冬場の入浴や深夜・早朝のトイレです。

2022年の厚生労働省の調査によると、日本では年間約19,000人が入浴中に急死しており、その多くがヒートショックによるものと考えられています。

また、寒いトイレに行った際に、血圧が急上昇し、心臓や血管に負担がかかるケースもあります。特に夜間や早朝は家の中の温度が下がるため、よりリスクが高まります。

ヒートショック最前線_2 全世代が意識すべきヒートショック対策

ヒートショックは高齢者がかかるもの、「自分はまだ若いし大丈夫」と思う方もいるかもしれません。しかし、ヒートショックのリスクは年齢に関係ないのが実情。現役世代でも、運動不足やストレス、睡眠不足などで血圧が不安定になりやすい人は、特に注意が必要です。また、普段から冷え性の方や低血圧の方も、温度変化に弱いため、影響を受けやすいのです。

さらに、小さな子どもがいる家庭では、お風呂場での事故防止が重要です。温度差による急にのぼせてしまい、ふらついて転倒することもあります。家族全員の健康を守るためにも、住宅の断熱性を高めることがとても大切なのです。

ヒートショックを防ぐためには、室内の温度差をなくすことが最も有効です。高断熱の家では、家全体の温度が均一になりやすく、寒い脱衣所やトイレでも快適に過ごせるようになります。また、暖房の効率が上がるため、光熱費の節約にもつながります。

近年の住宅では、壁や床、窓に高性能の断熱材を使用し、家全体を暖かく保つ技術が発展しています。たとえば、断熱性の高い窓(Low-Eガラス)を採用したり、床下や天井にしっかりと断熱材を入れることで、冷たい空気が家の中に入るのを防ぐことができます。

ヒートショックは、年齢や体調に関係なく誰にでも起こるリスクがあります。だからこそ、「うちの家族には関係ない」と思わず、家の断熱性能を見直すことが大切です。家を建てるときに、快適さと安全性の両方を考えた住まいづくりを意識してみてください。

 

 

2025年の抱負_8 会社を未来に継承するために

物価高騰により資材価格の高騰、最低賃金の上昇の一方、景気が上がっている実感に乏しく、我々、零細企業には厳しい経済情勢が続いています。お客様の経済的負担も想像できるだけに、お見積りの際には価格を提示するのは悩ましく、一方で原価割れをしてしまうと我々は倒産してしまいますので、最低限の利益を確保することは必要です。そのせめぎ合いの中で、「見積価格には根拠がある」とご理解いただき、大丸建設を選んでくださったお客さまには感謝することしきりです。

先にも書きましたように、今後、建築業界をめぐる環境はますます厳しくなってくると思われます。職人の数が減ってきており慢性的な人手不足であること(大丸建設に限らず、全国的にどこも同じ状況です)。夏の過酷な暑さが職人に負担をかけていること。資材やエネルギー価格が高止まりな状況のなかで、企業努力を精一杯していますが、会社が持続可能であるためには、社会状況に合った価格設定も必要だと考えています。特に人材確保に関しては深刻ですので、大丸建設で働きたい、働き続けたいと思ってもらえるよう環境整備もしていきたいと考えています。

お客さまにはこのような状況をご理解いただき、末長く大丸建設のことを応援していただけると幸いです。

2025年の抱負_7 職人、監督を募集しています

大丸建設が2カ月に一度発行している「大丸ニュース」は、これまで大丸建設で家を建ててくださったお客様、これから大丸建設で家を建てることを検討してくださっている方と、我々スタッフを結ぶ情報誌です。建築業界の最新情報や、環境のこと、会社のことと、暮らしの情報、社員の横顔が見える内容を書き、お客様とのコミュニケーションの一助になればと願っています。

現在、社員は代表取締役社長である私と、現場監督の山崎、そして私の父である会長の安田昭のみ。少数で現場を動かしているのが実態です。業務の効率化や建築家とのコラボレーションでこの数年、なんとか回してきていますが、大丸建設の家づくりをより多くの方と実現していくには、もう一人、現場監督が必要な状況です。木の家が好き、オーダーメイドの家づくりが好き、建築家による優れた住宅の現場を手掛けたいという方は、ぜひ奮って応募ください。

建築業界は引く手あまたで、職人さんも足りていません。大丸建設の大工は、国産の無垢材を手で刻むことができ、大工の技術を高められる現場環境です。我こそは、という方をお待ちしています。

 

採用情報はこちら↓

https://www.kk-daimaru.co.jp/%e4%bc%9a%e7%a4%be%e6%a6%82%e8%a6%81/%e6%8e%a1%e7%94%a8%e6%83%85%e5%a0%b1/

2025年の抱負_6 建築家とのコラボレーション

この5年ほど、建築家にご指名を受けて、デザインされた住宅を施工することが増えてきました。特に、住宅雑誌『チルチンびと』でも名高い松本直子建築設計事務所の松本直子さん、グッドデザイン賞などを受賞し注目株の若手・ことこと設計室の小林敏也さんとは、年間数件の住宅をご一緒します。お二人とも、大丸建設の技術力を信頼してくださって、ご依頼いただけるのは、ありがたいことです。

コロナ前の2019年に、URA-チルチンびと地域主義建築家連合-の建築家の方々と、大丸建設とでコラボイベントを行いました。住宅をデザインし、施工することについて、建築家の立場と工務店の立場で語り合う時間を経て、信頼関係が醸成されていきました。いつか大丸建設の社屋1階を、地域の方がふらりと立ち寄れるようなスペースにできないか、という夢も語り合いました。

建築家とのお仕事によって、私たちだけでは思いつかないような空間設計や素材の提案を学びます。一方で、高い要望を予算内で形にしていくのは難しいことでもあり、技術力の研鑽が求められます。緊張感のある仕事ですが、確実に私たちを高めてくれるのは間違いありません。

こうした経験を重ね、これからも建築家の多様なニーズに応えられるように務めてまいりますので、どのようなことでも遠慮なくお問合せください。

2025年の抱負_5 会社の持続力を高める専門性

大丸建設は社員3人の小さな会社です。多摩に根ざして150年余、歴史を長く刻んでこられたのは、会社に息づく「匠の技」を未来に伝えていきたいという思いから。

私は、幼少のころから父に連れられて建築の現場に出向き、建物を素材から形にしていく職人さんの格好いい姿に憧れ、また現場で的確に指示を出していく父の後ろ姿を見て、いつか私も工務店で働くんだという意識がありました。

大学時代も建築や土木を専攻し、その後専門学校では建築士の資格試験の勉強をして、一級建築士に合格。建築資格取得の講師も務めています。木造耐震診断の資格や、省エネ建築の資格など、時代に合わせてさまざまな専門性を身につけてきました。これも、工務店は「住まい」をトータルで考え、建てて終わりではなく、「建ててからこそがお客様との本当のお付き合いの始まり」という社是を受け継いできたからで、お客様の住まいの長い一生に寄り添っていくためには各種の専門性が必要だからです。

住まいも人と同じように、年数を重ねればなんらかのトラブルが発生します。そんな時にはまず、私たち大丸建設にご相談ください。ハウスドクターとして、何が最もその住まいに必要な処方なのかを提案させていただきます。

2025年の抱負_4 東京一極集中時代に工務店はどうあるべきか

口減少が止まりません。2023年10月1日現在の人口動態を見ていくと、総人口は1億2435万2千人で、前年に比べ59万5千人(-0.48%)の減少となり、13年連続で減少しています。特に若者(15歳未満)の割合は11.4%と過去最低になり、一方で高齢者(65歳以上)の割合は29.1%となり過去最高を更新し続けています。今後少子高齢化の傾向はますます顕著になり、若者が高齢者を社会的に支えていく構造もいずれ立ち行かなくなる可能性があります。

ただ、この人口減少のトレンドは、東京だけで言うと状況が異なっており、全国47都道府県のうち、東京都のみ2年連続で人口の増加となっています。東京への一極集中の状況は明らかで、地方都市と東京の課題は同じ尺度で考えるのは難しいと思います。

ただ、東京でもさらに都心に近い方と、大丸建設がある多摩地方では、暮らし方や働き方は多少異なります。郊外では土地を取得して家を建てることはまだ可能ですし、若い世帯でも一戸建てを新築できる価格帯の土地はあると言えます。

大丸建設では、建物を建てるだけではなく、お客様の暮らしを提案できる会社でありたいと思っています。隣近所と仲良くなれるような暮らし方を大丸ニュースやこのブログでも折にふれ発信していきます。