2025年の酷暑_6 1日中暑くて休む間がなかった

この夏(6〜8月)の最低気温の最小は6月1日の15.0℃でした。昼は灼熱、朝晩の涼しさは短く、体が休まる時間が少なかったことが数字にもにじみます。

夏の熱帯夜(日最低気温25℃以上)は、6月は1日、7月は20日間、8月は24日間の合計45夜。エアコンなし、扇風機だけでは眠りにくい、そんな夜がほぼ半分以上の夏の夜にやってきた計算になります。「夜が暑い」はやはり決定的で、一日中暑く、日中の疲れがとれない、体を休める時間すらなかったように思います。

日中の危険な暑さも、例年以上でした。猛暑日(35℃以上)は、6月は0日、7月は7日、8月は18日で、合計25日でした。30℃以上の真夏日は6月が13日、7月が27日、8月29日で、合計69日でした。7月と8月はほとんどが30度以上だったと言えます。

特に東京では、街なかのアスファルト舗装と建物の蓄熱が重なるため、日が傾いても温度が下がりにくく、夕方以降の熱負荷も高止まりした印象です。

2025年の酷暑_5 東京の気温の傾向

“史上いちばん暑かった”と言われる2025年の夏。気象庁の東京(東京気象台)の実測から、東京ならではの様子を振り返ってみます。

この夏、東京の最高気温が最も高かったのは、8月30日の38.5℃でした。

6月では、最高気温が30℃以上になった日は6月16日で、翌17日には34.8℃となったのをピークに8日間、真夏日が続きました。6月24日・25日を除く13日間が最高気温30℃以上の真夏日だったのです。

7月はさらに気温が高い傾向が続きます。31日間のうち、最高気温が30℃以上の日が21日、35℃以上の猛暑日が6日ありました。30℃を下回る日はわずか4日。1日の平均気温が30℃を超える日が6日あり、一日中暑いという実感がありました。

8月は猛暑の記録を塗り替えるような日々でした。最高気温が30℃以下は2日のみ。猛暑日は18日、真夏日は11日でした。日平均気温が30℃以上の日が15日あり、うだるような暑さといえる日々だったと思います。

2025年の酷暑_4 猛暑日の地点数が歴代最多

 日本で最初に最高気温が40度以上を記録したのは、実は1927年7月22日、愛媛県宇和島市で、その記録は40.2度。その後、1933年7月25日に山形県山形市で40.8度を記録し、その記録は2007年8月16日に埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で40.9度を記録するまで、74年間破られることはありませんでした。

2007年以降、猛暑日の回数は増えてきます。2013年8月には高知県四万十市で41.0度を記録、この年40度以上を記録した地点は8地点と増え、その後、2018年7月には埼玉県熊谷市で41.1度を記録しました。この年に40度以上を記録したのは17地点となりました。2018年以降、毎年40度以上の地点が全国で1〜9カ所あったのですが、2025年はそのレベルがあがり、全国30地点で40度以上を記録することになったのです。

なお、猛暑日は最高気温が35度以上のことをいうのですが、2018年に6479地点を記録して以降、「史上最高に暑い夏」が始まった2023年は6692地点、2024年には8821地点となり、2025年にはついに9385地点となりました。

これらの数字からも、今年の夏がいかに暑かったのかがわかります。

2025年の酷暑_3 早くて短い梅雨

2025年の夏の特徴は、梅雨入りと梅雨明けがとても早かったことが、猛暑の後押しをしたと考えられます。

東北地方を除いて5月には梅雨入りしたところが多く、気象庁によると「かなり早かった」と発表しています。例えば、九州では平年は5月末から6月初旬の梅雨入りですが、今年は5月16日ごろでした。東海や近畿、中国、四国でも5月16〜17日ごろに梅雨入りしており、関東甲信と北陸地方では5月22日ごろの梅雨入りでした。いずれも平年より半月は早い状況でした。

一方で東北地方では6月23日ごろの梅雨入りとなり、平年の6月中旬にくらえて10日以上遅く、関東甲信地方から比べても1カ月も遅い梅雨入りとなりました。

また、梅雨明けは九州から関東甲信越地方にかけて6月27〜29日ごろとなり、平年の7月15〜20日ごろに比べると「かなり早い」梅雨明けだったと言えます。

結果的に、梅雨の期間が「早くて短い」状況となり、降水量も全国的に「少ない」、または「かなり少ない」状況になり、長く暑い夏に影響したと考えられます。

2025年の酷暑_2 平年より2.36度高い気温が意味するところ

2025年の6〜8月の平均気温は、平年より2.36度高く、史上最高に暑い夏だったというこの記録が意味するのは、どんなことでしょうか。平年とは過去30年間の平均値のことで、その年の「平年値」に比べて、どれだけ気温が高いか低いのかについての比較になります。

さて、私はこの数字を見て思い出すのは、今から10年前に発表されたIPCCの第5次評価報告書のことです。地球の持続可能性の指標として「2100年の世界の平均気温を産業革命前に比べて2度未満に抑えることで、気候変動に適応できる可能性がある」というものです。ところが、現時点でそれは達成不可能な目標に近づいているようにも思われ、「2100年には2.8度以上上昇する」という報道もあります。

産業革命前よりも平均気温が上昇している今、日本では1990年代以降の平年値より2.36度平均気温があがった今夏の状況を考えると、気候変動の影響はすでに回避できないものとなり、今後はどのように危機を乗り切っていくのか、私たちは真剣に検討していかなければなりません。

工務店の建築現場でも然り、できあがった家に暮らすお客様のライフスタイル然り。このブログでも積極的に発信していきたいと思います。

2025年の酷暑_1 史上最高に暑い夏を更新

近年の夏の暑さはレベルが変わったと感じるほどで、建築現場で作業をしていると、命の危険を感じるほどです。大丸建設では社員・現場の安全を守るために、さまざまな対策をしていることは以前もこのブログでお話ししていますが、もはや人智では追いつかないほどの状況だとも言えます。

実際に2025年の日本の夏は、「歴代最高気温」を更新しました。8月5日群馬県伊勢崎市で41.8度を記録。静岡県、埼玉県、兵庫県、栃木県、岐阜県、高知県の12カ所で41度超を記録しました。特に8月5〜6日ごろの関東地方の気象予報を見ていますと、埼玉県や群馬県の各地点で「41度」と目を疑いたくなるような数字が並び、日本の気象は大きく変化したのだと実感しました。

 

実際に、2025年6〜8月の国内の平均気温が平年より2.36度高く過去最高となりました。前年の2024年も「史上最高に暑い夏」だったのですが、それをはるかに凌駕する記録となり、あまりうれしくないのが実態です。

気候危機時代の建築現場_4 未来への適応の大切さ

気候危機によって、建築現場を取り巻く環境は大きく変化しています。酷暑や豪雨、暴風といった自然の猛威に対し、現場監理の方法も家づくりの基準も、日々進化を求められています。それに応じて建築基準法や地方自治体の条例等もアップデートして、断熱の重要性や耐風耐候と連動する耐震性の明示化なども進んでいます。断熱性能や耐風性、耐水性は、かつて以上に暮らしの安心に直結する性能になっているのです。

大丸建設は昔から一徹に変わらず、お客様の住まいの安心・安全にこだわり、それに時代が追いついてきたと言えるのかもしれません。私たちが大切にしている家づくりの姿勢は、私がこの仕事に就いてから30年来まったく変わりません。制度や環境が変化しても、「お客様の暮らしを守る」「自然素材の強みを活かす」ことにこだわりを持っています。

現場では大工や職人たちが工夫を凝らし、技術と知恵を重ねています。完成した家は、その努力と素材の力が融合したかけがえのない空間です。未来世代に残す家づくりとして、心つながる自然素材の家を誠実に建て続ける──これが、これからも大丸建設の変わらぬお客様との約束なのです。

気候危機時代の建築現場_3 自然素材の柔軟さ

住宅建築の現場では、外構ができあがるまでは屋外での作業になり、暑さ寒さの影響を大きく受けます。大丸建設では骨組みは無垢材(主に杉、檜)、床材や壁の一部も木材を使い、壁は漆喰系の塗り壁材や自然素材のクロスを使うことが多いです。これは、創業以来大切に守り抜いている方針として、日本の気候に合わせた素材を使うべきだという考えのもと行っています。

気候危機による高温多湿や急激な天候変化は、建材に大きな影響を与えます。新建材の中には、熱や湿気で劣化が早まるものもあります。一方で、木や漆喰、土壁といった自然素材は、調湿性にすぐれ、外部環境の変化に柔軟に対応できます。木は湿度が高いときには水分を吸収し、乾燥すれば吐き出します。漆喰や土壁はカビの発生を抑え、室内環境を安定させます。

また、自然素材の家は修復のしやすさも魅力です。新建材のようにパーツ全体を取り替える必要がなく、部分的に補修することで長寿命を実現できます。気候危機の時代にこそ、自然素材を選ぶことが、環境に配慮しながら安心して住み続けられる道だと私たちは考えています。

気候危機時代の建築現場_2 暴風リスクと建築現場の安全管理

気候危機時代に限らずですが、夏から秋にかけては台風や突風のリスクも高まります。最近も竜巻や突風によって住宅が倒壊するといったニュースが報じられ、風対策の重要性も高まっていますね。現場に設置している足場が強風で揺れたり、資材や養生シートが飛ばされる危険は常につきまといます。暴風による被害は、人命にも関わる重大な事故につながりかねません。

私たちは現場での安全管理を最優先に、天候に応じた作業スケジュールの調整や、シート・ネットの固定強化を徹底し、暴風が予想される時には資材を現場の中に入れるなど、適宜判断して対応しています。特に近年の台風は勢力が強く、従来以上の養生が必要とされています。現場ごとの判断力がますます問われる時代になりました。

以前私はこのブログで、「これからは縦の重力の備え(=耐震)とともに、横の力の備え(暴風)も大切になる」と述べてきました。住宅そのものについても、耐風性は重要な性能であることが近年ますます注目されています。屋根の形状や外壁の仕上げ、窓の取り付け方一つで、暴風への強さは変わります。自然素材の木造住宅は、構造材そのものがしなやかさを持ち、力を分散する特性があります。暴風リスクの増大する今だからこそ、伝統的な木造建築の強さが見直される必要があると思います。

気候危機時代の建築現場_1 工事現場に迫る突然の豪雨

近年は線状降水帯やゲリラ豪雨といった言葉をよく耳にします。最近はマンホールから水があがって道路が水浸しになるようなニュースの映像もよく見るようになりました。昔なら数年に一度の水害が、年に何回も起こっている。そんな状況に心を痛めています。

地球温暖化や気候変動という言葉はすでに時代遅れなほどの「気候危機」によって、短時間に大量の雨が降ることが増えています。それは、建築現場にとっても大きなリスクとなっています。幸い、大丸建設ではまだ大きな被害は出ていませんが、基礎工事中に土台部分が冠水してしまう、仮設足場や養生資材が雨で流されるなど、豪雨の直撃によって建築現場での工程全体に影響が及ぶため、我々は日々、天気予報を詳細にチェックするようにしています。

それでも突発的な豪雨に対応するのは容易ではありません。工事を安全に進めるためには、計画段階から「雨に強い養生」を意識することが不可欠です。

一方で、完成した住宅においても同じことが言えます。雨仕舞いや防水の工夫がしっかりしているかどうかが、家の寿命を左右します。雨に強い家づくりは住まい手の暮らしを守る最前線であると、私たちは考えています。