
物価高の影響は、資材の輸入や調達に限らず、人的コストの上昇にも及んでいます。
日本では毎年、最低賃金の上昇し、働く側からみればよいことではあるものの、経営側からすると人的コストの上昇と資材価格の上昇から、たいへん苦しい状況にあるのが現実です。東京都の最低賃金は2024年度で1,163円。今から10年前の2014年には888円だったころからすると、実に275円、3割以上上昇しています。単純計算はできませんが、住宅価格に3割分の上昇幅を入れるならば、10年前には4000万円で建てられた家が、5200万円になってしまう……というくらいの上げ幅です。
一方、住宅産業では人材不足が慢性的に続いています。2020年ごろの東京オリンピック関連の建築ラッシュで、首都圏では特に建築業界の人材獲得に困難が生じていました。技術の高い職人の奪い合いと、それに伴い単価の上昇が続いています。
また、若手人材の確保も急務です。若手を育成するには熟練者の指導が不可欠ですが、それらを両立させていくのはまた至難であり、自社大工の育成や、多能な技術者を育てていく視点も欠かせません。
大丸建設ではこれまでの経験とネットワークから、技術力の高い大工さんの力を借りることができていますが、それに甘んじることなく、アンテナを張り巡らせて、いい職人さんとの出会いを大切にしていこうと思います。