伝統的建築物の美 (4)屋根にも注目したい

伝統建築物において、檜は柱や梁などの構造材として優れていますが、もう一つ、屋根材にも用いられる材料でもあります。

「檜皮葺(ひわだぶき)」という屋根をご存知ですか。読んで字の如く、「檜の皮で葺いた屋根」のことです。檜皮葺は、法隆寺が建築されたころの飛鳥時代に広まった技法と言われています。神社仏閣など、格式の高い建築物に使われていたといいます。

檜皮葺の屋根をつくるには、樹齢100年以上の檜から檜の皮を採取する、採取した皮を整え、厚みをそろえて、使用する部位に合わせて形状を整えるそうです。檜の皮を立木からむいて採取する技法も、樹木自体には影響しないような技法で、皮がむかれた樹木はその後建築用材として使えるとのことです。

檜皮葺の屋根の国宝は日本全国に数多く、出雲大社や厳島神社、北野天満宮、清水寺など、日本を代表する伝統建築物に用いられています。

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