林業の未来_8 林業の明るい未来を期待したい

若い世代の林業への就業に向けて、林業を学ぶための教育プログラムや訓練施設の充実も、近年は目を見張ります。例えば、全国の農業大学校や専門学校では、スマート林業に関するカリキュラムが導入され、最新技術を学べる環境が整っています。また、林業に特化したインターンシッププログラムも増加しており、実地経験を通じて林業の魅力を実感する機会が提供されています。

加えて、政府や自治体の支援策も充実しており、林業就業者支援金や若手林業者向けの研修プログラムなどが展開されています。これにより、経済的な不安を抱えずに林業に参入できる環境が整いつつあります。

日本の林業が持続可能でなければ、私たち大丸建設も持続可能ではありません。若い世代の林業の担い手が育つことで、国産材を使った家づくりを続けていくことができます。一方で、大工などの職人や工務店の現場監督も若い担い手育成が急務ですので、私たちも業界として一丸となって人材育成を進めていかなければなりません。

林業の未来_7 若者の林業従事につながるか

スマート林業の普及によって、実際に林業に若者が参入するようになってきているのでしょうか。

2022年の林野庁の報告によれば、2020年における林業従事者数は43,710人で、全産業の平均年齢48.0歳に対して、林業従事者は52.1歳となります。高齢化率は高いと言えるでしょう。ただ、1990年にはわずか6%の若年者率は2020年に17%まで回復しており、特に伐木・造材・集材従事者数の年齢階層別にみると、40~44歳が最も多くなっており、若返りが顕著であることがわかります。

林業のデジタル化や自動化が進むことで、従来の3K(きつい、汚い、危険)イメージが改善され、若者が興味を持ちやすくなった結果です。

林野庁では、林業に関心のある都市部の若者に向けて、就業相談等を行うイベントの開催や、就業希望者の現地訪問の実施などの「緑の雇用」事業を始めています。2021年度はこの緑の雇用によって720人が新規に就業しており、今後定着化に向けてのサポート体制も整っています。

林業の未来(5) 伐採や運搬もスムーズに

従来の林業では、伐採や運搬作業は主に人力と重機がメインでした。重機を運ぶまでが大変で、時間がかかり、林道の確保ももちろんですs、労働力の確保が課題となっていました。

伐採作業は、専門の伐採者がチェーンソーや重機を使って行い、その後、切り出した木材をトラックやトレーラーで運搬するのが一般的でした。これらの作業は熟練した技術が必要であり、特に山間部では作業の安全性確保が大きな課題でした。

スマート林業の導入により、伐採や運搬の多くの作業が自動化されました。例えば、最新の伐採ロボットは、木の種類や状態を自動的に判断し、最適な切断方法を選択して効率的に伐採します。これにより、作業の精度と安全性が大幅に向上しました。また、GPS技術を活用した自動運搬車は、指定されたルートを自動的に移動し、木材を安全かつ迅速に搬出することができます。

自動選木や自動伐採、自動集材や自動積み込みなど、現地の状況の把握と分析、判断や指示をワンオペで行うことができ、まさに「3K林業」と言われていた状況が少しずつ変化しつつあります。データを活用した計画的な伐採により、森林の持続可能な管理が促進され、環境への影響も最小限に抑えられます。自動化技術の導入により、スマート林業はこれまでの課題を克服し、効率的かつ持続可能な森林経営を実現できる可能性があるのです。

林業の未来_4 スマートセンサーによるモニタリング

スマート林業では、IoT技術を利用したスマートセンサーも林業に大きな技術革新をもたらしました。この技術は、森林管理の効率化と精度向上に大きく貢献しています。

スマートセンサーは、森林内のさまざまな場所に設置され、土壌の湿度、気温、降水量などの環境データを継続的にモニタリングします。これにより、森林の状態をリアルタイムで把握することが可能となり、迅速な対応が求められる状況にも適切に対処できるようになります。

過去の林業では、人手による定期的な測定が必要であり、広範囲にわたるデータ収集は困難でした。しかし、スマートセンサーの導入により、広い範囲の森林を同時に監視できるようになり、データの取得頻度も飛躍的に向上しました。さらに、これらのデータはクラウドに蓄積され、分析することで長期的な森林管理の計画にも活用されます。気候変動の影響を予測し、適切な対策を講じるための重要な情報源となります。これにより、持続可能な森林経営が実現し、森林資源の保護と利用の両立が可能となります。

スマートセンサーの導入により、過去には見逃していた細かな環境変化を捉え、迅速かつ適切な管理ができるようになったことが、スマート林業の大きなメリットです。

林業の未来_2 最新のデジタル技術を活用

林野庁が進めているスマート林業とは、最新のデジタル技術を活用して林業の効率化や持続可能性を高める取り組みです。この取り組みでは、ドローンや人工衛星を用いた森林のリモートセンシング技術が重要な役割を果たしています。森林の状態をリアルタイムで把握し、適切な管理や伐採計画を立てることができます。

また、IoT技術を利用したスマートセンサーは、土壌の湿度や気温、降水量などを継続的にモニタリングし、データを蓄積することができます。これにより、森林の健康状態を正確に評価し、必要な対策を迅速に行うことが可能になります。さらに、伐採や運搬の自動化も進んでおり、作業の効率化と人手不足の解消につながる可能性があります。

これらの技術革新は、森林資源の持続的な利用を支え、地球温暖化防止にも大きく貢献します。スマート林業の推進により、環境保護と経済発展を両立させる新たな林業の姿が実現されつつあります。

リノベーションのプロセス_7 心地よく暮らすために

中古住宅のリノベーションでは、機能向上を行うことにより、新築と同等、それ以上に快適性を確保することができます。

内装の仕上げ材や床材、壁材に、無垢材や竹材、石材といった自然素材を使用することで、空間に自然の温かみや味わいをもたらします。また、塗り壁や漆喰壁の採用:壁面に塗り壁や漆喰を使用することで、湿度調整や調湿効果を高め、快適な室内環境を実現します。

また、省エネ性能が高く、高効率な給湯器やエアコンの導入設備を導入することで、エネルギー消費を削減し、ランニングコストを低減します。省エネ性能の高いLED照明を導入することで、電力消費を削減できます。適切な換気システムを導入することで、室内の空気を新鮮な状態に保ち、健康的な室内環境を実現します。

設計時にこうした性能向上を考慮することで、中古住宅のリノベーションによって快適で安全な住環境を実現することができます。

2024年の抱負_2 変わらぬ社是

2021年に私が先代社長から大丸建設を引き継ぎ3年、160年におよぶ会社の歴史の重みを感じながら、「木の家づくり」の伝統を途絶えさせまいと日々、邁進してきました。会社として変えてきたこともありますが、変わらぬことも多々あります。その中の一つが社是でもある「ハウスドクター」です。

ハウスドクターとは、「住まいの主治医」のことで、その家のことをよく知っているのは、住まい手であるお客さまとともに、住まいを建てた工務店である、ということを意味しています。

住まいを人の体に例えるならば、骨格(柱や梁、土台など)、筋肉(断熱材や窓など)、血液や内臓(電気配線や配管、空気層など)、皮膚(内装材、クロスなど)、そして髪型やお化粧やアクセサリー(インテリア、装飾など)。住まいも人と同じで、長年暮らしていれば老化することも、具合が悪くなることもあります。そんなときに、すぐに相談していただければ、適切に状態を診て、困ったところをメンテナンスし、ときにはお化粧直しもいたします。

困ったときには、すぐに相談! いつでも駆けつけますので、遠慮なくご連絡ください。

気候変動から気候危機に_8 目に見えないカーボンを意識するには

ここまで大きな気候の変化をもたらしている温室効果ガス。特に私たちの生活と密接に関係している二酸化炭素(CO2)=カーボンをいかに減らしていくかが、今後の人類の存亡に関わる重要課題かがわかります。地球温暖化という言葉を耳にするようになって20年ほどですが、この20年の環境の変化たるやすさまじいもので、「環境」を守ると「経済」が疲弊するという論は既に破綻し、もはや環境対策抜きには経済的基盤すら守れないような事態に陥っています。

ただ、CO2は目に見えず、排出していてもなかなか意識しにくいものです。しかし、実際には、エアコンの排熱や車の排気ガスなど、まさに「温室効果ガス」として大気に漏れ出ているものなのですよね。こうした「排熱」「排ガス」を出さない選択をするだけでも、だいぶ変わってくるものなのです。

また、あらゆる製品やサービスのライフサイクルにはカーボンが関わっています。一度その仕組みを学べば、何がどれくらいのCO2を排出するのかがわかるはずです。

気候危機の時代、大丸建設スタッフ一同も日々学んでいきますので、その学びをお客様方に共有できればと思います。

気候変動から気候危機に_7 「カーボンフットプリント」とは?

みなさんは「カーボンフットプリント」という言葉を聞いたことはありますか?

直訳すると炭素の足跡、となり、商品やサービスの原料調達から生産、流通、使用・維持管理、廃棄・リサイクルに至るまでのCO2排出量を数字でわかりやすく見える化した指標のことです。

例えば、缶飲料であれば、原材料調達時点で、アルミ缶の製造やサトウキビなどの原料にかかるCO2排出量が約20%、生産時はジュース製造やパッケージングで15%、流通・販売時は配送や冷蔵にかかるCO2が約30%、使用や維持管理などの冷蔵で25%、廃棄・リサイクル時の空き缶収集やリサイクル処理で約10%という割合が算出され、缶飲料1本あたりのCO2層排出量は123gと仮定されています(環境省データより)。

あらゆる製品にカーボンフットプリントがあるわけではないのですが、全ての製品やサービスのライフサイクル全体において、なんらかのCO2が発生していること、製品やサービスによってCO2排出量が異なることを意識するだけでも、消費行動に変化が生まれるはずです。「カーボンフットプリント」で検索すると、いろいろな商品のデータが出てきますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

気候変動から気候危機に_6 「カーボンオフセット」とは?

前回はカーボンニュートラルという考え方を説明しましたが、それと似た言葉に「カーボンオフセット」があります。

私たちは日々の生活や経済活動、ものづくりなどにおいて、どうしても燃料やエネルギーを使わざるをえなく、CO2排出量をゼロにすることは難しいと言えます。一方で、CO2を排出した量の分を、CO2を吸収することに対して投資することもできます。例えば適切な森林管理への投資や、再生可能エネルギーの導入などです。

政府が信頼に足るCO2の吸収活動を認証したものを「J-クレジット」といい、日本では2023年3月現在69の方法があると言われています。実際にCO2を排出する事業者が、吸収する活動に対して、政府を通して「J-クレジット=お金」でカーボンを売買し、自社が排出した分のカーボンをオフセットすることができます。