酷暑の現場_4  夏の相棒──虫よけと涼感グッズの進化

夏の現場では、蚊や虫との闘いも欠かせません。特に屋外作業が多い大工さんにとっては、安全靴や道具と同じくらい重要な“装備”です。
現場では、虫よけスプレーや蚊取り線香など、職人さんの好みによって虫除け対策は異なりますが、日差し対策のように、涼感のある長袖を着て肌を露出しないことが最大の対策かもしれません。

休憩所や作業エリアには、吊り下げ式虫よけや、超音波を出すリング型デバイスを設置したり、最近は「オニヤンマくん」という天敵の模型を腰道具に付ける職人さんもいるようです。蚊の発生源となる水たまりを定期的に確認・除去するのも、地味ですが効果的です。

こうした対策を徹底しながら、首元を冷やすリングやバッテリー式小型冷蔵庫で涼をとり、暑さと虫の両方から身を守ります。蚊は風に弱いので、送風機も有効な対策です。

そして、私たちが建てる自然素材の家も、こうした“快適な環境づくり”に通じています。木の香りや漆喰の調湿性や、風通しのよい間取りは、湿気を減らし、虫を寄せつきにくくします。夏場でも爽やかな空気を保てる家は、暮らし手にとっても快適です。

現場での虫除けの工夫と素材の力が、快適な住まいを支えているのです。

酷暑の現場_3  スケジューリングも重要

夏の建築現場では、暑さだけでなく、突然の豪雨にも悩まされます。
テントやシートで養生しながら作業することもありますが、工程や敷地条件によっては難しい場合もあります。まずは建て方が終わり、屋根が架かれば日差しを遮り、豪雨から身を守ることができるので、現場が真夏に差し掛かる際には、スケジュールを工夫して、職人さんの作業環境の影響を最小限にする工夫をしています。
以前も大型の台風で現場が影響を受けることがありました。天気予報を見ながら、職人さんの安全を確保し、またお客さまの住まいが豪雨に影響を受けないよう、しっかり養生して、素材等が飛ばされないよう、屋内に退避するようにしています。

とにかく、猛暑、酷暑に豪雨と、気候変動の影響は、建築現場にも大きな変化をもたらしています。そこでの対策が、ひいてはお客さまの住まいの快適性と安全性につながっていくので、私たちは現場をしっかり見て、この先の対策に進めていきたいと思います。

酷暑の現場_2  自然素材の柔軟性

猛暑が続くと、建材への影響が心配になりますが、大丸建設では幸い、扱う建材は自然素材ばかりなので、熱による変形や融解といった、深刻な被害はありません。
屋根塗装では遮熱塗料を使うことがありますが、木材や漆喰は極端な温度変化にも強く、熱による割れや変形は少ないのです。木は熱をやわらかく受け止める性質があり、夏の厳しさにも安定して耐えることができます。無垢材は多孔質で表面積が大きいので、表面温度が高くなりにくいのです。

自然素材が持つ調湿性と断熱性によって、建築現場はいくぶんか楽になっていると考えられます。強い日差しを受けても、木は内部に熱をため込みすぎず、ゆるやかに室内へ伝えるため、急激な温度変化を防ぎます。自然素材がデフォルトであることは、こうした予期せぬメリットがあると実感しています。
酷暑でも安定する家は、暮らし手の体への負担を減らします。大丸建設では、現場での暑さ対策と同じように、素材選びでも「長く快適に暮らせる工夫」を積み重ねています。

断熱と確認申請_8 制度が変わっても変わらないこと

2000年代に入ってから、住宅を取り巻く法律や基準は大きく変わってきました。耐震性能の強化、省エネ基準の整備、そして今回の断熱性能の厳格化など、環境や社会の変化に応じて、制度が整えられ、自主的な対策だけでは進まなかった部分が、一気に進んでくるようになります。

けれど、どんな制度ができても、私たち大丸建設が大事にしていることは変わりません。
それは、この家に住む人が、心からくつろげる空間をつくるということ。まさに「こころつながる家づくり」の精神です。無垢の木の肌ざわり、自然素材のやわらかな空気、しっかりとした構造の安心感。こうした手ざわりのある家づくりを、代々大切にしてきました。この夏のように暑い季節も、冬の冷たい空気も、断熱や気密がしっかりした住まいなら、心地よく乗り越えられます。
法律が変わることで家の性能はより透明になり、選ぶ人にとって安心の基準が増えました。

でも、一番大事なのは「この家に住んでよかった」と思っていただけることだと私たちは考えています。
これからも大丸建設は6代続く工務店として、変わらない誠実さで、世界に一つだけのお客さまの家づくりを、心を込めてお手伝いしてまいります。

断熱と確認申請_7 お客様にとってのメリットとは?

今回の制度改正によって、家の断熱性能を確認申請の段階で明確に数字で示すことが義務化されました。これは、住む方にとって大きなメリットと言えます。

住宅の性能、特に断熱や気密については、家の内部に隠れるものでもあり、完成してからでは見えにくいものです。「きちんとした断熱がされているのか」「どれくらい快適で光熱費が抑えられるのか」など、実際には住んでみないとわからないことも多く、これまでは設計者や工務店を信頼するしかない部分が多くありました。
今回の改正により、設計段階から断熱性能を数値で証明し、審査機関が確認する仕組みが整いました。これによって、家の基本性能が客観的に評価され、書類として残ります。たとえば「UA値(外皮平均熱貫流率)」などの数値を見れば、どれくらい熱が逃げにくい家なのかを具体的に理解できます。

私たちはこれまでも丁寧に断熱施工に取り組んできましたが、それを具体的な数字や書類でお客様にきちんと示せるのは大きな安心につながると感じています。家は長く住むものだからこそ、こうした情報開示と透明性がこれからますます大切になっていくと思います。

 

 

断熱と確認申請_6 制度変更にも慌てずに

今回の確認申請の制度改正で、提出すべき書類が増えたことに建築業界関係者の戸惑う声は少なくありません。しかし、大丸建設では大きな混乱はありませんでした。実際に私は一級建築士として数多くの確認申請を書いてきましたし、耐震や省エネの各種資格を取得していくなかで、法律に基づいた文書作成は比較的得意であることも大きいです。

もともと私たちは、無垢材や自然素材を用いて、木の家らしいぬくもりと快適さを大切にしてきました。自然素材は調湿性や断熱性に優れていて、長く住むほどに心地よさを感じていただけるものです。20年ほどかけて、業界団体の仲間たちと断熱性能についても正しく学び、最新技術や法律の動向についてもアンテナを張ってきていたので、実際の設計や施工現場に生かす取り組みを続けてきました。だから、今回の法改正で「性能を数字で示してください」と言われても、すでに準備してきた知識や実績が支えになっています。

住まいの本質は、法律の義務を守るだけではなく、そこで暮らすご家族が安心して長く住めることだと思います。これからも変わらず、その思いを大切にしながら家づくりに向き合っていきます。

 

断熱と確認申請_5 工事現場は変わるのか?

今回の制度改正で確認申請の書類は大幅に増えましたが、少なくとも大丸建設の実際の工事現場では大きな変化はありません。
なぜなら、断熱材の施工や気密の確保といった基本的な工程は、法律が変わる前から私たちが丁寧に取り組んできたことだからです。

断熱材をどの厚みで入れるか、サッシをどの性能のものにするかは、もともとお客様の快適な暮らしやランニングコストを考えて提案し、お客さまの納得のもと、必要な水準を満たした状態で工事をしています。そのため、計画段階で十分な性能を確保するのが当たり前になっているため、工事の進め方自体はこれまでと変わりません。

断熱や気密の性能は、書類上だけでなく実際にきちんと施工できて初めて意味があります。
私たちにとってはそれも当たり前のことですが、より一層丁寧に工事を進め、お客様が心地よく過ごせる住まいを仕上げていきたいと思っています。

断熱と確認申請_4 書類上、どこが大変になったの?

今回の改正で、多くの木造戸建てを手がける工務店が特に大変だと感じているのは、確認申請に添付する書類が増えたことです。これまでは、一級建築士が設計を担当していれば、断熱性能の詳しい表記は一部省略できました。しかし今は、すべての住宅で断熱等性能等級や一次エネルギー消費量の計算結果を、計画書に明記して提出する必要があります。

具体的には、断熱材の種類と厚みや、窓やサッシの性能(熱貫流率など)、一次エネルギー消費量といった数値を計算し、根拠となる資料をそろえたうえで審査機関に提出します。審査機関はこれらの数値が省エネ基準を満たしているかどうかを一つずつチェックし、間違いや不足があれば差し戻しとなります。
これらは大手建築会社だけでなく、私たちのような小さな地域工務店にも適用されています。慣れない工務店にとっては「書類をそろえるだけで何日もかかる」という声もあります。

大丸建設でも、もちろん丁寧に準備をしていますが、これまでの経験があったからこそ、比較的スムーズに対応できています。ただ、全体として確認申請が複雑になったのは確かで、業界全体の負担は大きいのは事実です。

断熱と確認申請_3 断熱性能の重視傾向が明らかに

近年、家づくりでは「断熱性能」がこれまで以上に重視されています。
大丸建設のブログでは、幾度となく断熱についてお話ししていますが、近年の猛暑で断熱性能の大切さはみなさんきっと実感しておられることでしょう。

断熱性能が高まると、住まいは外気の影響を受けにくくなり、室内の温度を一定に保つことができます。冬の寒さや夏の暑さをやわらげ、住む人が快適に過ごせるだけでなく、冷暖房の効率が上がり光熱費の削減にもつながります。

断熱性能が重視されるようになった背景には、地球温暖化対策があります。建物から排出されるCO2を減らすことが国全体の目標となり、住宅の省エネルギー化が急速に進んできました。2025年にはすべての新築住宅で省エネ基準への適合が完全に義務化されることが決まり、断熱等級4以上が最低基準となりました。

「きちんと断熱できる家を選ぶ」ということが、これからの住まいづくりの当たり前の基準になろうとしています。そして、私たち工務店にとっても、断熱性能を高めることは、お客様の暮らしを守るために大切なポイントだと感じています。

断熱と確認申請_2 確認申請ってそもそも何?

私たちがお客さまとお話しする時に、家を建てるときには、まず“確認申請”という手続きが必要であることをお伝えしています。建物の計画が法律に適合しているかどうかを、第三者にきちんと確認してもらう仕組みのことで、具体的には、建築主や設計者が「建築確認申請書」を作成し、各自治体や、指定確認検査機関に提出します。

この確認申請は、建築基準法に基づいています。建築基準法は「安全で衛生的な建物をつくるための最低基準」を定めた法律で、敷地・構造・防火・採光など、さまざまな項目が規定されています。

今回の改正では、これに加えて「建築物省エネ法」による断熱性能などの審査が一層厳しくなりました。つまり、設計図だけでなく、省エネ性能を証明する書類も一緒に審査されるようになったのです。

確認申請は、家づくりの最初の関門のようなものです。法律に沿った計画がきちんと認められることで、建てる側も住む側も安心して工事を進めることができます。