社会の化学物質(6)  「香害」はアレルギー反応の一つ

柔軟剤や洗剤、化粧品等の香り成分が由来となって、周囲の人々に健康影響を与えてしまう「香害」(こうがい)。香害は化学物質過敏症の一つで、誰もが被害者になる可能性があります。人によって化学物質の許容量が異なり、まるでコップから水があふれ出るように、体内で許容できる化学物質があふれた時に、健康被害という形で現れます。コップの容量が小さい子どもほどリスクが高くなるので、特に小さなお子様がいるご家庭では注意が必要です。

花粉症を例にするとわかりやすいですよね。私が子どもの頃は、花粉症はそれほど多くの人に現れるアレルギー反応ではありませんでした。ところが今は、春先になると、実に多くの人がくしゃみをしたり、目をこするシーンを目にします。スギ花粉由来の花粉症が多いですが、最近ではヒノキ、ブタクサ、イネなども……。花粉だけの問題ではなく、道路のアスファルトやクルマの排気ガス、そして香害も含めたさまざまな化学物質が複合的に絡み合って、国民病と言われるほどに広がりました。

香害は、新しい公害とも言える社会課題です。誰もが被害者にも、加害者にもなりうるものなのです。

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