社会の化学物質(4)  「香害」はどこで発生するのか?

「香害」(こうがい)は、香りに由来する新しい「公害」ともいえる現象で、香料に含まれる合成化学物質による化学物質過敏症の一種です。

香害をなくす連絡会が2019年から2020年に行った「香りの被害についてのアンケート」では、香害被害を受けた場所として、乗り物の中、店舗、公共施設、自宅(隣家からの洗濯物のにおい)が上位で、職場・病院・学校と続きます。

乗り物、特に電車のように人との距離が近いところでは、隣に座った人の洋服から香る柔軟剤の香料や、化粧品・整髪料の香りが、香害の原因になることがあります。喫煙者の衣服に染み付いたタバコのにおいも同様です。

店舗では、柔軟剤や化粧品のサンプル、アロマディフューザーの香りなど、さまざまな香りで満ちていますので、それが苦手な人には影響が大きいです。

店舗のように、「香害の原因物質がありそうだ」と想定される場合は自衛が可能ですが、たまたま隣り合わせたりすれ違う「人」に染み付いた香りを避けることはできず、それを避けようとすると社会生活に大きな影響を及ぼします。

 

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